人が押すスイッチを押す装置

既存のスイッチにかぶせることで、スイッチを外部から操作できるスイッチを考えました。

今考えられているIOTは、そのほとんどが新しい規格を策定し、新たなデバイスを作りIOT化するという手順を踏んでいる。

しかし、その中でもスマートロックと呼ばれるネットワーク上から鍵を操作・共有できるIOTは、デバイスはドアの鍵の内側にあるサムターンを利用して共通化を図っている。

http://qrio.me/smartlock/

家の電気のスイッチ

このように、意図して規格化はしていなくとも共通化されているものを家の中で探すと、電気のスイッチがあった。
サムターンと同じで家の建築された年代によってある程度差はあるものの、基本的な構造である 押す という部分は変わらない。そこで、この電気のスイッチにかぶせるような形でスイッチを押す装置を作り、さらにその内部をモジュール化することでオープンソース化。外装を様々な人が自分の家にあったものを作り共有、3Dプリンターで制作しモジュールをはめるだけで様々なスイッチに対応できるようにしようと考えた。

Userbility の次の Fability へ

今までの製品は、メーカーの中でも一部のエンジニアが製造に関しては知っていればよく、あとの人は基本的にものづくりには参加しませんでした。
しかし、Fabが広がり、プロダクトに関してもオープンソース化・誰もが気軽に作れることが求められている今、ユーザーと製造者の境界は曖昧になりました。

そういった今、ただユーザーが使いやすいという点だけではなく、いかに組み立てが簡単か、いかにカスタマイズがし易いかを重視してプロダクトも作っていく必要があると考え、その考えをプロダクトに反映した。

図2 「ファブ社会の基板設計に関する検討会報告書 ファブ社会推進戦略~Digital Society3.0~」15p より

試作を繰り返す

家のスイッチを押すためには意外と大きな力が必要だった。それに耐えられるような形が意外と難しく、様々な形、厚さを試した。

更に組み立てをしやすくするために、切り欠きによって部品の位置を合わせられるようにした。その位置合わせも出力ごとに寸法が微妙に違い、設計通りに合うまで時間がかかってしまった。

設計

今回はじめてアセンブル状態で設計をInventorで行った。寸法変更がとても楽にできた。全体の構成を見ながら設計し、組み立てやすさを意識した。

ブロックのように作れる+ブレッドボードを使える

ブロックのように組み合わせるだけで位置を出せるようにした。モーターの位置も切り欠きに合わせればそのまま使えるような形にした。
無線通信にはTOCOS TWE-Lite DIPを使用。配線だけで親機と子機が連携でき、プログラムは必要ない。
http://tocos-wireless.com/jp/products/TWE-Lite-DIP/TWE-Lite-DIP-step1.html
また、ブレッドボードをそのまま入れられるようにした。差しこむだけで組み立てが完了するようにすることで、オープンソースとしての広がりをもたせるようにした。

ピンガイド

RaspberrypiではGPIOのピンに紙をかぶせることでピンをわかりやすくしている。
https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-leaf/

これを参考にして、ブレッドボードと同じ大きさの紙を用意。これをブレッドボードにかぶせ、ガイド通りにピント基板を挿していくだけで配線が完了するようにした。

組み立て

組み立てはすべて接着剤で接着して組み立てる。位置出しがすべて切り欠きで出来ており、接着面も出来る様にしてあるため、そのまま貼り付けるだけで完成できるようにしてある。

WEB側はオープンソースを少し改造しただけ

WEB側はRaspberryPiを使用。コードはLチカのプログラムを参考にさせて頂いた。
参考コード
http://blog.btrax.com/jp/2015/04/12/iot-dev/

今回参考にしたコードはAPIとしてPubNubを利用しているため、Javascriptで全て書かれており拡張性・汎用性が高い。今後あらゆる人が様々な機能・拡張性を持たせたいときに出来る人がなるべく多く、位置から勉強する場合でもやりやすいものを選択した。
PubNub
http://www.pubnub.com

完成

ブラウザ上から動かすことができるスイッチが完成した。

http://loc-test.sakura.ne.jp/tanaka-test/test-pub2.html

壁との接着

壁との接着には剥がした時に壁に残らない3Mのテープを使用した。
スイッチをおした時の力にも十分耐えることができる。

http://www.mmm.co.jp/diy/command/tab/

スマートフォンからも

ブラウザベース+javascriptなので、プラットフォーム問わずスマートフォンからも操作可能