FUJIMOCK FES2022 オンラインセッション1参加

2022年1月22日(土) 10:00-12:30
主催団体※のナビゲータの方から活動紹介、全体説明、スツール制作の流れ、発表会について説明がありました。(※:ファブラボ鎌倉、ホールアース自然学校、木こりの前田さん、ファブラボ阿蘇南小国、株式会社VUILD)

VUILDさんが開発された「すべての人を設計者に」を実現するツールEMARF2.0の操作説明を受けて、実際に設計を体験しました。とても直観的でストレスフリーな設計環境です。

EMARFで設計したデータは、熊本県阿蘇郡南小国町にあるファブラボ阿蘇南小国で伐採された小国杉を使って切り出されて設計者の自宅に届けられます。

スツール作るのやめた

EMARFで設計開始。スツールならこれくらいの高さで、座面は丸が座りやすいかな。。。
ん?スツールって椅子だよね?

調べる
『スツールとは背もたれがなく、肘置きもない椅子のことをさします。当然、人が座るためのものですが、その他にもその使い道は実に様々。来客があったときのための予備の椅子として。(中略)。ソファやベッドサイドでのテーブル代わり…。足を伸ばして座る際の足置きや物を置いて使う人も。』(家具蔵 https://www.kagura.co.jp/blog/howtochoose/14627/)

スツール(椅子)作りをやめてキャンプでマルチに使える台をイメージして設計。1月26日にデータを入稿。

段ボールを開けて怒られる

2月に入ってすぐに段ボールが阿蘇から届く。
3/26の作品発表会まで時間たっぷり、のはずでしたが、急遽決まった試合にむけて老体を追い込む日々に明け暮れ、段ボールが開いたのは試合を終えた3/13でした。開けると、『おせ〜よー💢』って怒ってました。残り2週間足らず。

★発表会報告①:切り出されたスツールが届いた時に感じたこと
木工の出来栄えを90%決めるのは電動工具の取り揃えだと思う。まっすぐ切る、接合部のかみ合わせを調節するなんて作業は素人には至難の業。なのに、カットされて届くなんて、なんて楽なんだ。これで創造的な時間が確保できる。

ヤスリ(#180)でサラっとバリ取り

木材専用CNCルーターで切削されたパーツは木の節をものともせず切断されています。
断面は粗々しい状態。初日は電動ヤスリでバリ取りしました。

納期を考えないで、立ち止まって考える

座面をじっと見てると作品イメージが浮かんできますが、手を動かすのはグッと我慢。
キャンプサイトでオイルランタンを置く台のイメージがふっと浮かびました。

★発表会報告②:加工された際は、その時感じたこと
加工の前に考えるのも楽しい、キャンププランを考えるときのように




モチーフは浦島太郎

六角形のスツール座面を眺めていたら、モチーフがなんとなく固まりました。
『オイルランタンを背負って竜宮城へといざなうウミガメ』

おそらく、ベンゼン環からの亀なんだと思います。

さっそく下絵を描いてみました。時間がないのに線が多い。

杉の木に鎌倉彫!?

鎌倉彫の本をパラパラっと読んで覚えたそばから、刃を前に進ませる送り刀で掘っていきます。彫刻刀の下に指を置いてテコの原理で掘っていくのですが、指が痛くなったので木材を指がわりにしました。

当初はもう5ミリほど深く彫って立体感を出したかったのですが、予想以上に杉が柔らかくて凸部の角が欠け始めたので、棟方志功風に留めました。

★発表会報告②:加工された際は、その時感じたこと
アイデアは出来ないことを出来ることに変えてくれる

塗るべきか、塗らざるべきかそれが問題

塗りをどうするかなかなか決まりませんでした。鎌倉彫風漆塗りの選択肢はありません。
イワタニのガス缶で焼き杉板にするのは夢で閃いたアイデア。焼きを入れるのに失敗したら取り返しがつかないのでボツ。

最終的に決めたのは、オールドウッドワックスのウォルナット仕上げでした。塗った後にタオルで拭き取ると木目や彫刻が濃い線でいい感じで残りました。

使ってみた

隠し技として、送っていただいた【FUJIMOCK FES2022 ONLINE】の札を座面にはめこんでレジンを流し込みました。色材はシアンです。はじめてレジンを使いましたがいい感じ。固まるのに2日くらいかかるそうです。

★発表会報告③:生活の中でどのように使われているか? 使おうとされているか?

4月のキャンプに持っていきます。キャンプサイトまでの可搬性を考えて組み立て式にしました。接合部を緩めに仕上げているので運搬時はばらしてコンパクトに収納出来ます。