最初にやったこと

笑える笛・・・と考えたものの、何からはじめてよいのか・・・

何かヒントになるものがないか・・・そうだ息子(5歳)の笑い声の周波数を見てみよう!ということで、FFWaveというアプリで、息子が「わっはっは!」と笑った時の音の波形を見てみました。

1571.9Hzの音が出ています。
音階の周波数のサイトを見てみると、G6(ソの音)ぐらいの音です。

よし!息子の笑いの周波数に近い音を再現してみよう!

これがはじまりです。


形について考える・その1

音を出すために、どんな形にするのか?

最初に「気柱」について調べました。気柱を共鳴させることで音が大きくなるのですが、どういう方法で音を鳴らすのか・・・最初思い浮かんだのは「リード」です。

クラリネットに近い音が出せないかと、2枚の薄長い板を伸ばした形状を思いついてモデリングしてみました。

形について考える・その2

形を考察するうちに、円柱の中に薄長い2枚の板がある形を思いついてモデリングしました。

この部分が震えて音をだすように、"感温性"フィラメントで出力した後に、2枚の板の先端をくっつけてみてはどうか??と思いつき出力して見ました。

形について考える・その3

実際に出力してみると、感温性フィラメントが柔らかいので隣接する部分がくっついてしまいました。(白が感温性フィラメント。3Dデータは黄色と同じです)

また柔軟性があるので、振動せず音がなりませんでした。

黄色いフィラメントはAFINIA480、感温性フィラメントはSCOOVO X9で出力。

形について考える・その4

気柱についての考え方はこちらのサイト「気柱の振動」を参考にしました。

空気中の音速 V = 331.5 + 0.6 t [m/s]の式で表されるので、
気温が20℃だった場合、音速V=343.5となり、
管の長さが0.05(5cm)だったとして、

公式に当てはめると周波数は1717.5Hzとなる。



別の方法で音を出そう!

次にリードではなく、リコーダーの原理を参考にすることにしました。

あと竹笛も参考にしてFusion360にてモデリングをしました。


音が出た!!

実際に出力して見たら、そのままでは音がでなかったけど。下の穴を指で塞いでみたら、

やった!やっと音が出ました!


ワラビーの顔をモデリングする

今回のコンテストのために、ZBrushCoreの講座を受講しました!

キャラクターのモデリングは、Blenderや MAYAに挑戦したことがあるけれど、難しすぎてなかなか覚えられなかったのですが・・・

これなら直感的にモデリングできるので、子どもでもできそう!

顔ができた!

操作を覚えたあとは、10分程度で簡単に顔が作成できました!

ついでにワラビーの上半身も作成!

Fusion360で円柱を加える

ZBrush Coreで作った顔と体のデータをFusion360にアップロードします。
穴をふさぎ、音程をかえられるように、長めに円柱を作成し結合します。

結合するときは、Fusion360で作成したボディをメッシュボディに変換させて、結合させます。

プリント方向

出力方向は写真のように立たせるとサポート材も取りやすく綺麗に出来上がります。

プリント設定

AFINIA480のプリント設定は写真のとおりです。

プリントしてみよう!

出力して見ました!
AFINIAは特に設定しなくても自動的にサポート材をつけてくれます。
実際のサポート材は写真のような感じです。

組み立てよう!

3Dプリントが終わって、サポート材をとったら
まずは上から動画のように組み立てよう!

ワラビーも組み立てよう!

音程を変えられるように、ワラビーも動画のように組み立てよう!

完成!!

やった!!完成です!

周波数を測ってみた!

顔だけバージョンの周波数を測って見たら、1766HzでだいたいA6「ラ」の音でした。
(計算した値と近かった!)

感謝!

5歳の次男を待たせていたのですが、いつの間やら敷物や、クッションを置いていただいて、くつろいでいました(笑)

いつもファブラボ太宰府の皆さまには、モノづくりのサポートだけでなく、親子共々優しくしていただいて、動画のモデルまで!!ホント大感謝です!

また感温性フィラメントは平野さんがほぼ調節を終えていたので、簡単に出力ができました。そしてしおつかさんにも毎回お菓子やお茶をいただいて・・お二人にも大感謝です!

皆さまありがとうございました!!

私は、モノづくりの大好きな優しい人との交流を持てるのが、ファブラボの最大の利点だと思っています。お近くにファブラボがある方はぜひ行って見てくださいね。

STLデータ

完成品のSTLデータは以下の通りです。
部品その1
部品その2
部品その3

自由にカスタマイズして遊んでみてください!

紹介動画

ファブ3Dコンテスト2017応募作品
笑える笛「Wallabeep」

☆Special Thanks AYUMI-chan☆