製作に必要な部品、ツール
このセクションでは、必要な部品などを紹介します。
なお、ハイハットスタンドそのものの組み立てについては、今回使用するハイハットスタンドの取り扱い説明書を参照してください。スタンドの脚には、滑り止めのスパーなど、先端部分が鋭利な部品が付いている場合があります。けがの原因となる恐れがありますので十分な注意をしてお取り扱いください。また、床面を傷つけないよう、カーペット等の上に設置することをお勧めします。
ハイハットスタンド
ハイハットスタンドを入手します。 なお、今回提供する3Dプリント部品のデータはヤマハ製ハイハットスタンドに寸法を合わせています。 組み立て方法にある写真は HS650A という型番になります。 以下の品番に取り付けられることを確認しています。
HS850 / HS740A / HS650A / HS650WA / HS650S
ネジ類
以下のネジを用意ください。
M3×10 ネジ 4個
M3×20 ネジ 1個
M3ナット 5個
M3ワッシャー 5個
消毒液
写真のサイズ以下の消毒液ボトルをご用意ください。
3Dプリンタ
本スタンドでは3Dプリンタを使って必要な部品をプリントアウトします。
3Dプリンタは、家庭でも使用可能な一般的なFDM形式(熱溶解積層方式)のものを想定しています。
また、個人で3Dプリンタをお持ちでない場合、お近くのファブスペース(FabLabなど)にある3Dプリンタを利用する方法もあります。お近くのファブスペースまでお問い合わせください。
3D部品のプリントアウト
写真のように7つの部品の3Dプリントデータを用意しました。必要な部品をプリントしてお使いください。
Basket
Holder
Pusher
Stopper
Stopper Adjuster
Shaft Cap
Pedal Stopper
3Dプリントデータ
以下からSTLデータをダウンロードし、3Dプリンタで出力してください。
Basket
Holder
Pusher
Stopper
Stopper Adjuster
Shaft Cap
Pedal Stopper
Basket&Holderの取り付け
消毒液を置くBasketとそれを保持するHolderをスタンドに取り付けます。
ハイハットスタンドの準備
ヤマハ製のハイハットスタンドの場合、シンバル受け皿の上にある、フェルトとプレートを取り外しておいてください。
また、シンバル受け皿のネジを5mmくらい出しておいてください。
Basket と Holder のネジ止め
まず、Basket側にある六角形の穴に、ナットをはめ込みます。
BasketとHolderを4か所でねじ止めします。ネジは 3×10 mm です。 Holder側にはワッシャーを入れます。 Holderの上下の向きは写真のようになります。
Basket & Holder をスタンドへ装着
4か所ネジ止めすると、Basket & Holder はこのような状態になります。
Holder & Basket の丸穴にロッド先端を通し、Holder を上から降ろしていきます。
Basket & Holder の固定
写真のように、Holderの底に空いている四角い穴に、シンバル受け皿の上向きのネジが嵌まるように、Holder&Basketをセットします。
Pedal Stopperの取り付け
Pedal Stopperを取り付けます。
なお本部品を装着しなくても動作はしますが、装着することで、ペダルのストロークが短くなり、ペダルの傾きも平らになるので踏みやすくなり、ドラム演奏に不慣れな方、お年寄りにはむしろ使いやすくなります。
Pedal Stopperをロッドに差し込む
Pedal Stopper を以下のように、Pedalを踏み込んだ状態で、横からロッドに差し込みます。 スポンジは Pedal Stopper の上側になるようにしてください。
ねじ止めして固定
Pedal Stopper を装着後、外れないようにネジ止めします。 3×20のネジをワッシャーを通してStopper中央のネジ穴に差し込み、逆側にナットを嵌め、ネジを締めます。
Pusherの取り付け
ハイハットクラッチへのPusherの取り付け
ハイハットクラッチ(シンバルを止める金具)にPusher を取り付けます。
①まず、ハイハットクラッチの大型ナットを取り外します。また、平たい二重ナットを二つとも、つまみ側いっぱいまでねじ込みます。
②ハイハットクラッチのネジ部を、Pusher の穴に、写真の向きから差し込みます。
③Pusherから出たネジ部に、大型ナットをねじ込みます。
④緩まないようにしっかりPusherとクラッチを固定してください。
ロッドへの取り付け
消毒液ボトルをBasketに置いて、ロッド上端から Pusher & ハイハットクラッチを差し込みます。
位置決めと固定
ちょうど、噴射ノズルと Pusher の切り欠き部分が嵌るように、Pusherをセットします。 この位置で、ハイハットクラッチのつまみを回しロッドに固定します。
その他の部品の取り付け
必要に応じて、以下の部品を取り付けてください。
Shaft Cap の取り付け
ボトルの大きさにもよりますが、ロッドが上にはみ出た際、ロッド先端が人に当たってケガをしないよう、上から Shaft Cap を嵌めておくと安全です。
Stopper の取り付け
3Dプリンタの部品として、Stopper と Stopper Adjuster を用意しています。 これらは、写真のようにロッドに通して Holder の上側に装着し、Pusher の可動域を調整するためのものです。
ボトルの大きさやポンプの可動域などの状況に応じて、ご使用ください。
公共の場への設置について
本スタンドは公共の場に設置し、不特定多数の方が使用されることが多いと思われます。実際に設置される場合、以下の点にご注意ください。
使い方の説明の掲示
消毒液の近くに、このような説明書があると、分かりやすいでしょう。
3Dプリント部品の耐久性について
3Dプリンターの性能や、材料となるフィラメントの材質については、非常に多種多様であり、その品質や耐久性についてデータ供給側で保証することは事実上不可能です。
従いまして、実使用における故障や破損などにおいては、プリント出力された方の責任において適切に対処するようよろしくお願いいたします。
フィラメントのアルコール耐性などにもご注意ください。
ハイハットスタンドについて
ハイハットスタンドは当然ながらドラム演奏用に設計されたものです。
それなりの耐久性はありますが、ハイハット演奏に最適化された材質、形状となっており、別用途で使用することは想定されていません。
特に横から押した場合は簡単に転倒する可能性がありますので、使用する状況に応じて本スタンドが適切かどうかはご判断お願いいたします。
ユニバーサルデザインの観点から
お年寄りや身体の不自由な方など、ペダルを踏むために足を上げることが困難な方もおられます。本スタンドが万人にとって使いやすいわけではない、ということをご承知のほどお願いいたします。
想定される利用者に応じて、このスタンドだけでなく、別途手で押すタイプも同時に用意するなどご検討ください。