授業の事前準備

  • CHIRIMEN Hello world を参考にして、CHIRIMENによるLチカデモが実演できる状態にしておく。
  • 学生にFirefoxブラウザのインストールを行っておくように通知する。
  • 可能であれば学生にADBのインストールを行っておくように通知する。
※下記の開発環境の設定を確認・指導するを参照
  • Lチカサンプルコードのダウンロードを行っておくように通知する。
※下記のLチカサンプルアプリの読み込みを参照

授業の開始

  • 授業の目的、期待する成果について説明する。
  • CHIRIMENの概要について説明する。

学習の目的

  • Webアプリの作り方(hello world)を理解する。
  • CHIRIMENの基本的な扱い方を理解する。
  • ハードウェア制御のプログラム開発をWeb言語で簡単に始めることができると体感する。

学習の成果

MUST
  • Firefoxブラウザ付属のWebIDEを使ってhello worldアプリを作り、インストールすることができる。
  • CHIRIMENの各端子の意味を理解して、起動、操作することができる。
  • 見本通りにLチカ回路の配線を行い、サンプルアプリを使用してCHIRIMEN上でLEDの点滅を行うことができる。
SHOULD
  • WebアプリによるGPIOの制御方法を学習し、プログラムとLEDの点滅の関連性を理解する。
MAY
  • 既存のWebアプリにLED制御を組み込むことができる。
  • LED、抵抗を自分で選択して、好きな明るさに設定することができる。

CHIRIMEN概要説明

  • CHIRIMEN概要紹介用資料2-8ページを参考にCHIRIMENの概要について説明する。

デモンストレーション

  • Lチカデモを用いて実演を行う。
  • 講義の達成イメージを認識する。

学習の準備

  • 学生のグループ分けを行う。
  • Fabbleページの準備を行う。
  • 機材を配布する。

学生のグループ分け

  • 授業の人数に応じて学生のグループ分けを行う。
  • 1グループ4人が理想。

Fabbleページの準備を行う

  • 本日の講義対象プロジェクトを開く。
  • プロジェクトのForkを行う。
  • Forkしたプロジェクトのプロジェクト名を変更する。(自分のグループの名前をつける)
  • プロジェクトにグループメンバーを登録する。

機材の配布

各グループに機材を配布する。
  • CHIRIMEN
  • microUSBケーブル
  • microHDMI-HDMIケーブル
  • ACアダプタ
  • HDMIディスプレイ
  • USBマウス
  • ブレットボード
  • LED適量
  • 抵抗適量
  • スルーホール用ジャンパワイヤ適量

CHIRIMENの起動・操作方法を指導

  • CHIRIMENの各端子の役割を学習する。
  • CHIRIMEN取り扱い時の注意点を学習する。
  • CHIRIMENを起動・操作する。

CHIRIMENの各端子の役割を指導する

CHIRIMENのインターフェースについて説明を行う。

CHIRIMEN取り扱い時の注意点を指導する

  • 濡れた手でCHIRIMENや電子部品を扱わない。
  • 電源投入の際は端子等の接続を確認し、ショートしていないか注意する。
  • 各端子は壊れやすいのでケーブルを抜き差しする際は丁寧に行う。

CHIRIMENを起動・操作する

  • microHDMI端子をディスプレイと接続する。
  • CHIRIMENのフルUSBにマウスを接続する。
  • ACアダプタをAC電源に接続する。
  • CHIRIMEN上のLEDが点灯し、しばらく経つとFirefoxOSが起動する。
  • アプリ画面が表示されたら、マウスを使用して操作をしてみる。左クリックが選択、右クリックがホームボタンの役割となる。

開発環境の設定

  • Firefoxブラウザをインストールする。
  • Firefox WebIDEについて説明する。
  • ADBをインストールする。

Firefoxブラウザをインストールする

Firefoxブラウザをダウンロードしてインストールする。

Firefox WebIDEについて説明する

  • Firefox WebIDEはFirefoxブラウザに標準搭載のWebアプリ開発環境。
  • Webアプリの開発、インストールが可能。
  • メニューから開発ツール->WebIDEで起動することが可能。

ADBをインストールする

  • 以下のページに従ってADBをインストールする。
https://developer.mozilla.org/ja/Firefox_OS/Debugging/Installing_ADB
  • Windowsの場合:Rockchipのドライバをインストールする。
  • CHIRIMENを起動し、OTGポートをPCと接続する。
  • Web IDEの右上の「ランタイムを選択」からCHIRIMENが見えればインストールは完了

Webアプリの作り方を指導

  • WebIDE上でhello worldアプリを作る方法を指導する。
  • Hello worldアプリをCHIRIMENにインストールする。

WebIDE上でhello worldアプリを作る方法を指導する

  • WebIDEの画面左上から新規アプリを選択する。
  • HelloWorldテンプレートを選択し、任意のプロジェクト名を入力してOKボタンを押す。
  • 任意のディレクトリを選択し、Hello Worldアプリを生成する。

Hello worldアプリをCHIRIMENにインストールする

  • CHIRIMENを起動してOTGポートとPCを接続する。
  • Web IDE画面右上の「ランタイムを選択」からCHIRIMENを選択する。
  • WebIDEの「インストールして実行」ボタンを押してCHIRIMENにアプリをインストールする。
  • しばらくしてCHIRIMENを接続したディスプレイ上に「Hello World」と表示されればインストールが成功。

GPIOについて説明

  • デジタル信号(0,1)の出力や入力を行うことができるインターフェース。
  • 出力に使うとLEDの点滅やリレーの制御を行うことができる。
  • 入力に使うとボタン入力などを行うことができる。
GPIO - Wikipedia

LEDについて説明

  • 極性(カソード(陰極)、アノード(陽極))を持っている。
  • カソード(陰極)に対しアノード(陽極)に正電圧を加えると発光する。
  • 流す電流値によって明るさが変わる。電流値は一緒に接続する抵抗値で制御することができる。
発光ダイオード - Wikipedia

Lチカサンプルアプリの実行

  • Lチカサンプルアプリの読み込み
  • Lチカ回路の配線
  • アプリ実行

Lチカサンプルアプリの読み込み

  • Lチカサンプルアプリをダウンロードして、任意のディレクトリに展開する。
  • Web IDE左上から「パッケージ型アプリを開く」からダウンロードしたLチカサンプルアプリを読み込む。

Lチカ回路の配線

  • 配線図に従ってLED、150ΩΩ抵抗を接続する。接続にはスルーホール用ジャンパ線を用いる
  1. LEDのカソード側(短い方)をCHIRIMENのGNDに接続
  2. LEDのアノード側(長い方)を抵抗を介してCHIRIMENのCN1-9に接続

アプリ実行

  • 配線が正しいことを確認し、CHIRIMENとPCを接続する。
  • Lチカサンプルアプリをインストール、実行する。
  • 正しく動作すればCHIRIMENに接続されたLEDが1秒毎に点滅する様子が確認できる。

プログラムの解説

  • Index.htmlでライブラリの読み込みを行う。
  • GPIO端子の初期設定を行う。
  • GPIO初期化後の処理を記述する。
  • GPIO端子に対して値の書き込みを行う。

Index.htmlでライブラリの読み込みを行う

  • WebアプリからGPIOを簡単に扱えるようにライブラリ(geckoGPIO.js)の読み込みを行う。
ライブラリの読み込み

GPIO端子の初期設定を行う

  • GPIO端子の初期化を行う。
GPIO端子の初期化
  • navigator.setGpioPort(<ピン番号>,<ピン入出力設定>)で初期化を行う。
  • ピン番号はCHIRIMENのピンアサインを参照する。CN1-9は198を使用する。
  • ピン入出力設定は“in”、“out”のどちらかを設定する。出力として使用する場合は“out”を設定する。

GPIO初期化後の処理を記述する

  • GPIO初期化後の処理を記述する。
GPIO端子初期化後の処理
  • navigator.setGpioPortの結果はPromise型で初期化されたGPIOポートオブジェクトが帰ってくる。
  • そのため、navigator.setGpioPort(198,"out").then( port=>{ //初期化後の処理});のように記述する。
  • 中括弧{}の中に初期化後の処理を記載する。

GPIO端子に対して値の書き込みを行う

  • GPIO端子に対して1/0の値を書き込む処理を記述する。
GPIO端子への値の書き込み
  • 中括弧の中では変数portに初期化されたGPIOポートオブジェクトが格納される。
  • GPIOポートオブジェクトのWriteメソッドを使用してGPIO端子に値を書き込むことができる。port.write(value);で値を書き込むことができる。valueには1か0を指定することができる。
  • v = v ? 0 : 1;はvが1(true)なら0を代入、0(false)なら1を代入する処理である。

LEDの点滅タイミングの変更方法を指導

  • LEDの点滅間隔を変更する。
  • ボタンのクリックでLEDの点灯を操作する。

LEDの点滅間隔を変更する

  • setInterval関数のdelayの値を変更してLEDの点滅タイミングを変更する。
LED点滅タイミングの設定
  • 1000と書かれた部分の数値を変更して、アプリをアップデートしてみる。
  • LEDの点滅間隔が実際に変化している様子を確認する。

ボタンのクリックでLEDの点灯を操作する

  • ボタンのクリックイベントでLEDが点灯するようにプログラムを変更してみる。
  • index.htmlにボタンタグを追加する。
  • main.jsにボタンタグのクリックイベントリスナーの処理を記載する。
  • クリックイベント発生時にLEDが点灯、消灯を繰り返すように処理を記載する。