作製に至った経緯

手指MP関節を屈曲最大域に保つ8の字装具は着脱に困難さを要する。3Dプリンタースプリントでは穴あきが容易なため、中手骨頭背側部に接触する部分をくりぬいたナックルスプリントをPLAで作製した。

対象者

脊髄疾患やコンパートメント症候群後に手指骨間筋麻痺のある方

3Dプリントスプリント ナックルスプリントの作製

①計測後ラフスケッチで形状を決定
②ラフスケッチをスキャン
③スキャンデーターをFUSION360にトレース
④トレースしたものをFUSION360でスケッチ
⑤押し出し・トリミングした後、3Dファイルに変換
⑥3Dファイルをスライサーソフトで3Dプリンター実行ファイルに変換
⑦QiDi i-fastにて出力 PLAを使用し充填率20%、穴あきは充填率40%に設定
⑧dual extruderで2層(PLA+TPU)の出力も可能

3Dプリンタースプリント ナックルスプリントの成型

①ヒートパンを使用してある程度型を作る
②対象者に合わせて必要あればヒートガンで調整
③ベルクロで3点固定する ベータパイルは母指を挟むようにすれば固定が良くなる
④必要あればクッション材を貼付

3Dプリンタースプリント ナックルスプリントの利点

・8の字スプリントに比べて着脱は容易で作製時間も短縮できる。
・縮尺で大きさを変更できる。
・左右どちらでも使える。

3Dプリンタースプリント ナックルスプリント留意点

・掌側は軟性素材であるため固定性が弱い。そのため母指を挟み込む必要がある。
・掌側に硬性素材が回るような工夫があれば固定性は改善するか。