Title
片手用の靴紐結び自助具
For whom:対象者
片麻痺や受傷による一側上肢への障害があり、片手で靴紐を結ぶことが困難な方。
Why : なぜ作ろうと思ったのか
大学3年次の自助具製作課題に取り組んでいた際、インターネット上に多くの「靴紐を結ぶ自助具」が投稿されているのを発見した。しかしながら、現状はダイヤル式の靴紐で代替している対象者が多く、より実用的な自助具を作成することが出来れば、本来の靴のデザインを楽しむことが出来る対象者が増えるのではないかと考え、作成してみることとした。
改良の試行錯誤を重ねる中で再現性があることや、完成図がイメージしやすいこと、撥水性がある材料で製作できることなどから、本学の先生にもご協力いただき、3Dプリンターで作成することとなる。
How:どのように作成したか
1.試作機の作成
まずはインターネット上の自助具を参考に木材を加工して作成した。丁番で土台と側部の部品を固定し、靴が触れる土台などはビニールテープを巻いて撥水性と耐久性を向上させている。
2.試作機利用アンケートによる改善点の洗い出し
学生十
数
名に試作機のアンケート調査を行い、その結果以下の改善点が挙がった。
靴紐をかけるツメのグリップ力が低いこと。
足の幅に合わせて土台幅が調整できないため、ツメまで紐が届かなかったこと。
使用時に側方のパーツがパタパタと動いてしまい、使いづらさを感じること。
3.
STLデータ化
・
土台&側部パーツ
・
丁番
改良した点
滑り止め液でコーティングし、紐をかけるツメのグリップ力を向上させる。
土台をスライド機構にして、足幅に合わせた調節を可能にする。
使用時に側部パーツが動かないようにするため、丁番を外側に設置し、底面に磁石を埋め込む。
4.完成形
Outcome:対象者の何がどのように変化する道具なのか
グリップ性能や側部パーツの固定性が向上したことで、より簡単に蝶々結びが出来るようになった。
まとめ
今回初めて[Tinkercad]を用いた3Ⅾデータ作成を行った。一から操作方法を覚えたため、難しさはあったものの、慣れていくほどアイデアを形にできるようになり、その可能性を改めて感じることが出来た。今後は改良版の使用調査も行いつつ、更なる改善点がないか模索していきたい。