ボタンを創ろうの回

何をモデリングするか
成人式を終えてはいないが振袖はもう購入している私はまだ髪飾りをそろえていなかった。
いかんせん柄が特殊なので自分でええ感じの奴を作るのもありだと前々から思っていた。


ボタン

しかし、いきなり完品をファブで作るのは「どんな素材を使ってこんなことをするとこんなものができる」という経験や知識が乏しく無理。

色々考えてボタンで経験値を積むことにした。

何故ボタンか?
・場所をとらない
・出力時間も短い
・持ち運びやすそう
・自分のやりたいこと的に一度作っておく経験をしておくと後々よさそう

イメージ

ピンタレストでまとめた
造形が緻密なものは後処理が厳しそう
https://pin.it/5acl3hkmijkwl2

測ってみた

祖父母が手芸店だったので、お店にあった大量のbuttonで遊んだり日暮里の繊維街にボタンを買いに行くこともあったが、最近あまり意識してボタンのサイズを見たことがなかった。
感覚を掴むためにいくつか測ってみました。

感覚的に一枚目のテーラードスーツくらいのbuttonサイズ感が良いなと思ったので今回は2.2㎝のボタンを出力することに決定

スケッチしてみた

感覚を掴んでみた

フィラメント選定

ひとまず3種類のフィラメントを3DFMで購入 
選定理由(振袖に合わせることを念頭に置いてみた)
・なんとなく高級感がでそうなもの
・重厚感がある
・興味(主に麻)

すぐ届いた
13時までなら即日配達っぽいそれ以降の注文は翌日配達っぽい

残りの二種類以上は研究室のものを使う(どんなものが置いてあるか、出力できるのか身の回りの環境を知っておいてもよさそう)

否購入物

田中研のものは他の人と被ると思ったので武田研においてあった
Z-ABS
Z-ULTRA(Z-ABSより高硬度、低変形、高価)
以上を使用

モデリング

Fusionでモデリング
・外枠
直径2.2㎜
厚さ2㎜
・内枠
直径1.2㎜
厚さ1㎜
・糸通し穴3.3㎜

外枠は元々もっと細かった(1㎜にしてた)が、フィラメントが1.75㎝幅だったので変更

ZORTRAX M200 Plusで出力


使用プリンタ
https://www.zortrax.sin.jp/
誰も使ってないと踏んで武田研のプリンターを使おうと誰もいないと踏んだ日程でトライしてみたが期待は見事に裏切られなかった。やったね。

プリンタは使えたが、せっかく買ったSimplifyは対応していなくて使えなかった…ので
Z-suite(ZORTRAX専用のスライサー)を使用
利点。純正品であれば既にヘッドの温度や速度が設定されているため自分で設定することはない。
完全に機械におまかせ。


後述。
この機体は純正フィラメントであればノズルが詰まらず掃除もしなくていいものだがこの時そんなこともその特性の意味もしらなかったのである。

出力してみた① Z-ABS

Estimated print time: 0h 12m
Material usage: 0.70m (2g)
Printer: Zortrax M200 Plus
Profile: Last settings
Support type: Automatic
Support: 20°
Material: Z-ABS
Nozzle diameter: 0.4 mm
Layer: 0.09 mm
Quality: High
Infill: 50%
Fan speed: Auto
Seam: Normal
Outer contours: 0.00
Holes: 0.00
Surface layers Top: 9

結果

Surface layers Bottom: 4
Support Lite: No
Smart bridges: Yes
First layer Density: 100%
First layer Print speed: 100%
First layer Flow ratio: 100%
First layer gap: 0.21 mm
Raft Enabled: Yes
Raft layers: 6
Platform-raft gap: 0.23 mm

ぼろぼろなボタンがでてきてショック
次は180°回転させて出力する

研磨

ラバー磁石で研磨したがあんまり制度がよくない
とりあえずボタンの穴をダイヤモンドピッドで切削。いい感じ。

出力してみた② Z-ABS 裏表逆

超キレイ
今までの研磨の時間はなんだったのか満足

Estimated print time: 0h 11m
Material usage: 0.69m (2g)
Printer: Zortrax M200 Plus
Profile: Last settings
Support type: Automatic
Support: 20°
Material: Z-ABS
Nozzle diameter: 0.4 mm
Layer: 0.09 mm
Quality: High
Infill: 50%
Fan speed: Auto
Seam: Normal
Outer contours: 0.00
Holes: 0.00

出力してみた

Surface layers Top: 9
Surface layers Bottom: 4
Support Lite: No
Smart bridges: Yes
First layer Density: 100%
First layer Print speed: 100%
First layer Flow ratio: 100%
First layer gap: 0.21 mm
Raft Enabled: Yes
Raft layers: 6
Platform-raft gap: 0.23 mm
Raft Density: 100
Raft Print speed: 100
Raft Flow ratio: 100

最終形態

一番左が電動やすりで削って、研磨剤をかけたもの。加減が難しいのであまり使いたくない。
真ん中が紙やすり240→研磨剤を使ったもの
左が紙やすり240→400→研磨剤→ハンドクリーム

出力してみた② シルク系フィラメント

出力してみた(右)ちょっと緩かったので、 温度を210→190にした 速度は120 ヘッド50

Estimated print time: 0h 11m Material usage: 0.67m (2g) Printer: Zortrax M200 Plus Profile: Last settings Support type: Automatic Support: 20° Material: PLA-based filament Nozzle diameter: 0.4 mm Layer: 0.14 mm Quality: Default Infill: 50%

出力してみた

そのままもう一つ出力して研磨した(右)
240→400

ここにきてシルク系の良さは積層痕にあると後処理のページで発見
サイズを10倍にして良さを確認した(左)

出力してみた③ 麻

出力にめちゃくちゃ苦労した
右から1→8
1→5まで温度を190で出力していた
温度を190→170にした 速度は120 ヘッド50
出力までにすごい時間がかかった。 先を削ったりして戦った。

設定がすんだら最初は上手く出力できていたが、ボタンの穴にちょっとフィラメントが絡むのが鬱陶しかったのと何個かだしているとサポートの時点で出力失敗したため、6以降は温度を170°に。
(メーカー推奨温度はシルク系と同じだったのでそのまま出力してた)
すると、色素が薄いフィラメントだったので密度をあげると色が濃くなり穴も良い感じになった(当たり前)(体験しないと解らない)


出力してみた④ 真鍮系フィラメント BrassPhill

戦犯はこいつだった
何度トライしても一向にフィラメントがでてこず(8時間くらい戦った)

それもそのはず元々純正品フィラメントしか受け付けないドローンでいうdjiみたいなもの(知らなかった)
麻もフィラメントのまわりの麻の破片のザラザラ感を受け付けてくれなくて、先端を削ったりしたが(3時間くらい戦った)真鍮は更にあかん奴で見事に詰まった
(ノズルとノズル前の部分に詰まった)
偶然にも目の前にmzn君(プロ)がいた。何時間も格闘していたら助けてくれた(pm11まで彼を拘束してしまった申し訳ない)(使ってない3Dプリンタあげると言われた)(仏か)

分解シーンを直近で見たおかげで次からは詰まらせても大丈夫?


出力してみた⑤ Z-ULTRA

Estimated print time: 0h 11m
Material usage: 0.72m (2g)
Printer: Zortrax M200 Plus
Profile: Last settings
Support type: Automatic
Support: 20°
Material: Z-ULTRAT
Nozzle diameter: 0.4 mm
Layer: 0.09 mm
Quality: High
Infill: 50%


Z-ABSよりも表面が荒くない(密度は一緒)

化粧品使ってみた

アイシャドウ(オンリーミネラル)
マニキュア(アディクション)
トップコートを使ってコーティング
チークはボタンの上に乗らず全然ダメ

240→400→研磨剤→トップコート(又は色付きのマニキュア)→アイシャドウ→トップコート


出力してみた⑥ Z-PLApro

filamentが純正なのにでてこなくなった(戦闘中)
前のがまだ詰まっているのかも…

( ;∀;)

一個出力できたらクオリティを追い求めてざくざく出力して精度を高めたりなんやかんやしていたらすぐに時間が経った。プリンターをぶっ壊してしまったが次にぶっ壊したときの自信がちょっとだけできた。

・3Dプリンタはその特性を調べてから使いましょう(戒め)(当然の約束)
・火傷をした(修理していたらヒート部分に手をぶつけた。)解体するときは軍手必須。

自宅の前が工業系のホムセンこれから塗装とかもっと試してみたい楽しみ

塗装だけでなんかいろいろ目につく。
今回は漆の朱色がほしかったのにピンポイントで売り切れてむかついたから買わずに家に帰って化粧品を使った。よくここ散歩している。

ホームセンターって種類あるよねなんか