アイデア出し

今回はIoTを絡めるということで、かなりハードルが上がっているような気がする。
MESHを使えばお手軽そうだけど、MESHじゃないIoT機器っぽいものをたくさん買いためてあるのでそっちを活用する方向で考える。

最近、VRChatやVTuberが流行っているのに合わせて自分自身のリアルアバターを作りたいと思っているので、それと絡めた感じにしたい。

方向性を決める

リアルアバターを絡めるとすると、全身を使うか、体の一部分を使うか。
前回(https://fabble.cc/yusukeyusuke/happyphoneholderforfab3dcontest2017)の経験から、でかければでかいほどインパクトがあっていいと思い込んでいるので、全身を使う場合、相当大きく印刷しないといけなさそうなので、体の一部分を等身大で印刷する方針で行く。

場所を決める

去年のコンテストは腕(このときは自分の腕ではなくてMakeHumanで作ったデータだったけど)を使ったので、今年は別の場所を使いたい。リアルアバターといえばやはり顔が命!なので、顔を使った作品にする。

IoTの絡め方を決める(あいまい)

IoTx顔 ということで、いろいろ考えたけど、目の部分を8x8 LEDにしてなにか表示するようなものを作ってみることにする。
表示内容をどんなトリガーで変化させるかとか、笑えるものになるかとかはモノを作りながら考える。

作るもの確定

いろいろと悩んだ結果、アイデアだしで出てきた顔を作る案をそのまま採用。

お試しで、REALSENSEという深度カメラで顔をスキャンしたデータを実物大印刷したり、自力で写真を見ながらコツコツBlenderでモデリングしたデータを実物大印刷したりしてみたけど、やっぱりでかいほうが迫力あり、ということで、今年は実物よりもでかい顔を印刷することに決定。

顔を作るとなったら、前々から使い道は決まっていて、「VRゴーグルの前面に取り付ける」。

この使い道は普段から、VRの体験中にその人の顔が見えなくて、近くにいる人が不安な感じになるので、顔をVRゴーグルに取り付けられたらいいのにと常々思っていたもの。

深度カメラ(REALSENSE D415)でスキャンした様子

結構スキャンするのが難しい。
特に一人でスキャンするのは至難の業・・・

深度カメラのスキャン結果をBlenderで表示

なんかミイラ男みたい

深度カメラで作ったデータを3Dプリント

なんとなく石仮面チックな見た目。顔に当てるとかなりぴったりフィット感はあるんだけど、スキャンの解像度が低いせいか細かい部分の情報が失われてて、のっぺりした印象。

写真を見ながら自力でモデリング

髪の毛が粘土みたいになってしまった。

写真から自力でモデリングしたデータを印刷

目をくりぬいたらかなり怖い雰囲気になった。
ただ、実物大だとやっぱりインパクトが足りない。

でかい顔を3Dプリント

去年の作品を印刷するのもかなり大変だったけど、今年も大きいものを印刷することになったのでまたまた大変・・・
本当は頭部全部を覆う形にしたかったけど、時間の都合上今回は前面のみにしておきました。

うちのプリンタは15cm^3サイズなので、ひとまずギリギリ印刷できる大きさとして9分割したうえで、なるべくサポートなしで印刷できるように細分化して、結局12分割して印刷。
合計15時間ぐらいで印刷完了。

データ分割

去年はMeshMixerフル活用だったけど、今年はBlender力(りょく)がアップしたので、Blenderで分割。印刷できる大きさの箱(14cm^3)を重ねていって、booleanで重なったところを切り出していく。

印刷~結合完了!

大きさ伝わるでしょうか。
そこそこインパクトある感じになりました。
おでこの穴の用途はのちほど・・・

裏面

かなりつぎはぎですが、VRゴーグルにうまくひっかけて固定できるように薄いフック型にしています。
裏から見るとなぜかずいぶん幅広に見える。

VR機器と合体

外でも気軽に使えるモバイル型のVR機器、Oculus GOと組み合わせます。

フック式でOculus GOにひっかけ

いいかんじにぴったりはまった。去年の作品は外で写真撮影したときに一部をテープでとめてたので不安定で、撮影が大変だったけど、今年はばっちりいけると確信していた。この時点では。(結局、去年よりもひどいことになった)

横からみた図

まるで専用のフェイスプレートのようにきれいにVR機器と結合できています。

顔を投影

今回の作品はハッピーフェイスマスクなので、インターネット上の情報と連動して顔を表現します。

普通顔

小型プロジェクターでWebサイトに置いた画像を表示して、印刷したフェイスマスク上にプロジェクションします。
この写真はプロジェクターを手でもって位置合わせした状態で撮影しています。

めそめそ顔

なみだぽろりとなっています。

怒怒怒顔

こんな太い血管見えることあるでしょうか。

ハッピーフェイス

にっこりハッピー顔です。頬を赤くしすぎて酔っぱらってるみたいにもみえますが・・・

プロジェクターを固定する

おでこの穴はプロジェクターを保持するための棒を差し込む部分でした。

こんな感じで

いわゆる自撮り棒をおでこに突き刺します。

自撮り棒の先には

プロジェクターです。
小型なのであまり明るくないのがつらいところ。
日中だとほとんど見えません。

全体像

こんな感じです。
撮影用に短くしていますが、ここからさらに20㎝ぐらい延ばした状態で投影します。

使用例

ハッピーフェースマスクがあるとどんな風にハッピーなのか、実際の使用例でみていきたいと思います。

ないとき

表情が見えないのでちょっと不気味です。
小さくて見えづらいですが、太陽の塔の顔のシールが貼ってあるので顔がみえてると言えなくもないですが・・・

あるとき

ハッピーです。

ないとき

近寄りがたい感じがします。

あるとき

ちょっと道でも聞いてみようかなという気さくな雰囲気を感じます。

あるとき

ほがらかです。

動画

写真からも伝わっていたかもしれませんが、撮影開始早々にVRとの接続部分がぽっきり折れてしまい、撮影中はずっと手でハッピーフェイスマスクを持っておかないといけない状態でした。毎度のことながら、大きい作品を期限ぎりぎりで作ろうとすると印刷時間が足りなくなって、強度にしわせよが来がちです。

今回はリロードするたびに表情がランダム変化するだけでしたが、スマートウォッチの脈拍情報やVRで見ているコンテンツに応じてそれに合った表情に変化したり、表情だけでなくほっぺに天気予報や、おでこに一行ニュース表示など、応用がまだまだあると思います。顔のInternet(IoF)の第一歩を踏み出せたかなと思っています。