For whom:対象者

定規を使う場面が多い、小学生から大学生を対象に作成しました。

Why:なぜ作ろうと思ったのか

ノートに定規を使って線を引く際、片手で押さえないといけないことに自分自身煩わしさを感じていました。更に、片手が不自由な方や片手を怪我している方は、定規をどのように使っているのだろうか、不便なのではないかと疑問を感じ、片手でも簡単に使える定規を作成しようと思いました。

How:どのように作成したか

まず、現在ある定規は何故片手だけでは使用できないのか考えるところから始めました。
その結果、定規がノートに固定されていないからという結論に至りました。

そこで、どのようにすれば定規をノートに固定できるかを考えていき、二つのパーツをL字型に組み合わせ、ノートに引っ掛けて固定するというアイデアが思い浮かびました。
このアイデアを、SOLIDWORKSを使ってモデリング→3Dプリンタで出力→検証・分析 というプロセスを繰り返しながらより良い製品を目指していきました。

試作品1

試作品1の段階では、二つのパーツが離れてしまい線が引けない状態になってしまいました。

定規-試作品1-1  STLファイル
定規-試作品1-2  STLファイル

試作品2

試作品2では試作品1の課題を踏まえて、片方の定規に穴を開けてもう一方の定規をその穴に通すようにしました。このことにより、二つのパーツが離れることなく使うことができました。また、ノートに引っ掛ける部分を長くして動かないようにしました。引っ掛ける部分と定規を一つのパーツとして作ると3Dプリンタで出力する際に形が崩れてしまうので、別パーツとして作成しました。

定規-試作品2-1  STLファイル
定規-試作品2-2  STLファイル
定規-試作品2-3  STLファイル

完成

目盛りは5mm単位で付けました。目の不自由な方でも使えるように、穴が開いている方の定規は出っ張らせて、差し込む方の定規は凹ませて、区別がつくようにしました。また、5㎝ごとに1つの丸、10㎝ごとに2つの丸を付けてわかりやすくしました。

パーツを組み立てるところから、ノートに引っ掛けて線を引くところまで片手だけで作業することが可能でした。

定規-完成品-1  STLファイル
定規-完成品-2  STLファイル
定規-完成品-3  STLファイル

Outcome:対象者の何がどのように変化する道具なのか

この定規を使うことで、片手が不自由な方や片手を怪我している方だけでなく誰でも片手だけでノートに直線を引くことができるようになります。更に、定規をノートの辺に合わせて引くのでノートに対して平行・垂直な線を簡単に書くことができるようになっています。

片手が不自由な方が自立して定規を使用できるようになり、定規を使うことが楽しくなるような作品になっています。