IoTしおり ~若者の読書離れを防ぐ~

Created Date: 2019-10-01/ updated date: 2020-04-05
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    Summary
    近年の「デジタル化」によって「読書をするという習慣」が少なくありつつある現代において、その問題を「デジタル」の視点から解決しようというプロジェクトです。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • 今日では、IoT(Internet of things, モノのインターネット)技術に対する関心が高まり、世界的にも「IoT化」が様々な分野のサービスで行われている。

            ここで、今回のプロジェクトの要である「しおりのIoT化」がどのような効果をもたらすのか、考えていきたいと思う。
            • 本の歴史は、人間と共に進化してきた。

              紀元前かの有名なガリレオやダヴィンチなどは、自身の考えを本にまとめ(記録し)、その時代の民のみならず、今日を生きる我々に受け継がれてきている。

              宗教も活版印刷技術などによる量産化によって、その教え「経典」を急速に拡散する方法に用いられた。

              現代においては、本は「紙」という媒体から離れ、「音」や「電子化」によって新たな形となった。
              実際、あまり本を読まない私でも、どこでも自分のスマホで読める「電子書籍」で読むことはよくあった。
            •  しかし、テクノロジーによって娯楽が増えた現代にて、「読書をする習慣」というものが減ってきている。(グラフは16歳以下を対象とした読書本数を示したもの)

               そのためか、中高生の間で「識字率の低下」によって(機能的非識字状態とも言われる)「文章の主語・述語がわからない」などと行った致命的な文章認識力の低下が起こっていると言われている。(ソース元
            •  近年では、「インターネットリテラシー」などのテクノロジー使用のスキルが問われる中で、プレゼンテーションに始まる「自分で文章を考え、発表・記述する」に必要な語彙力・文章力も重要視されている。(現代になるにつれて、顕著に言われてきている)

               そこで、アナログな「本」と「デジタル」の橋渡しをするデバイスを作ることで、この双方に起因する問題を「デジタル」で解決する案として、今回のIoTプロジェクトを提案する。

               あと、自分の「読書しない病」を解決するためにも、この問題に取り組んでいきたいと思う。
            • 今回のプロジェクトでは、「しおり」を作るため、その形状には特に配慮しないといけない。

              今回は以下のポイントにフォーカスを当てていきたいと思う。
              1. 文庫本サイズ(105x148mm)以内に
              2. なるべくラウンド状に(エッジを少なく)する
              3. 太くないようにする。
            • 今回のために、Eagle(AutoDesk社)を用いてオリジナルPCBを作成して、基盤&内部部品の最小化を狙った。

              というのも、IoT化のためにESP32(詳細は後記)というボードを載せるのだが、開発ボードは読んで字のごとく開発用のため、ピンヘッダが邪魔で保護機能がついていたりして値段が高い。なので、一番小さくできるボードESP-WROOM-32を乗せれるようにするためにも必要な手順であった。
              ※ここには記録として残してありますが、この回路は色々間違っているところがあるので、これを元に発注や作成する事はおすすめしません。近日中に修正したものを載せたいと思います。
            • 今回のケースは、先に述べた通り「サイズ・形状・厚さ」に注意して設計しなければいけなかった。

              そこで、まず本の纏め方(綴じ方)に注目して、本を閉じている糊に対して、切り込むような形状を試したところ、単純な箱を丸めたものよりは本にフィットしていたので、これを採用。

              また、持った時に落ちない要素などを入れ込んでこのようなデザインに落ち着いた。 ⇒Fusionデータ

            •  基板は「PCBWay」という中国に本社を置く会社に発注したが、ここで期間的な問題(実は発案は9月ぐらいだったのだが、製作を始めたのは10月上旬になってしまった)によって、再発注は無理な状態で「ぶっつけ本番」のようになっていた。発注した基板のサイズは81x41mm

               ケースについては、EagleデータをFusion360に同期する機能のおかげで、3Dデータの編集は最小限にすんだ。それよりも、ほぼ変更な不可能な回路設計が間違っていなければいいが…

          • 今回は、BLEデバイスとしてデータの送受信を「Blynk」で行う設計で製作する。
            ベースのマイコンボードは「ESP-WROOM-32」を使用した。このボードはWi-Fi,Bluetoothが扱え、省電力性にも優れている上にArduino IDEでプログラムを製作できる汎用性の高いモノである。あと、一つあたり550円(秋月電子通商での価格)と安い。いわばいいとこ取りと言っても過言ではないものである。

            •  今回、自分としては初めてのIoTプロジェクトだったのだが、このIoT技術が「如何に社会に有用なモノであるか」というのを身をもって実感した。しかし、当初の予定ではしおりからの値をそのまま表示すルのではなく、時間に応じてポイントをゲットできる仕組みにすれば、面白いのではないかと思ったが、Blynkではアプリ上での処理が難しく、実現に至らなかった。

            • 今回のプロジェクトについて、今後の課題として以下のことがあげられる
              • 大きい
              今回作ったデバイスは、「本に挟むしおり」というコンセプトを基盤として、デザインの展開・改良を行ったつもりであったが、いざ完成してみると、本に挟むには大分大きいサイズになってしまった。
              • 独自アプリケーション
              先述したとおり、Blynkでは限界が合ったので、次回は1からアプリの開発を行いたいと思う。
              • 使用感の調査
              私だけが、開発を行っているので実際の使用感がよくわからない(実際本を読まない病なので、実際の使用スタイルをつかめずにいる)ので、誰かに頼むかして調査を行いたいと思う。
            • 今回のプロジェクトは、自分の詰めの甘さがよくわかったと思う。ただ、個人的にはこのプロジェクトを続け、最終的には自分の周りの施設(学校の図書館)で実証実験を行って、ブラッシュアップをしていきたいと思う。
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          References

            Usages

            • 使い方「記録の仕方」

              Blynkアプリで、プロジェクトを開いた上でこのIoTデバイスを立ち上げると、自動で接続。
              接続完了した上で、ボタンを押すとタイマーが起動し、読書時間を記録、もう一度押すと終了し、その時間をスマホ側に送信する。

              記録は最大100件までみることができ、開始した時刻が題名として記録されている。
            • 電池持続の機能

              ESP32は省電力ではあるものの、Bluetooth等を動かしているとすぐに電池が切れてしまう。

              そこで、待機時にボタンを2秒長押しして放すと、スタンバイモードに移行し、電池をなるべく使わないようになる。
              再び押せば、また復帰する。

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