ファブ3Dコンテスト 家族の部 虫歯の歯ブラシスタンド

Created Date: 2016-10-21/ updated date: 2016-10-31
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    Summary
    3Ⅾモデリング初心者の親子が、ファブラボ太宰府で「家族のためのデザインワークショップ」に参加したのをきっかけに、ファブ3Dコンテストに応募するまでの道のりが書かれています。いろいろとヘボい内容ですが、本人たちはとても楽しんでがんばりました。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

            •  ファブラボ太宰府で行われた、家族のためのデザインワークショップに次男と参加しました。そこでは、デザインのプロセスについて解説を受けたのち、家族の課題を発表し、その解決方法について皆で話し合いました。
              例えば次男は、
              1、妹が我儘すぎる 
              2、家中の時計がくるっていて、不便
              3、寝起きが悪く、一人では起きられない
              母親は、
              1、子供がゴミをゴミ箱に捨てない
              2、長男がいつもパンツ一丁である
              3、長男がいつも眼鏡をかけたまま寝ている
              4、子供の歯磨きがいい加減すぎる
              といった課題をあげました。

            • 翌日、家族でワークショップで学習したことを参考にして、 家族の課題とその解決方法について話し合いました。
              いろいろと意見がでましたが、
              「課題の中で唯一3Ⅾプリンターで解決物をつくれそうな気がするから」
              という理由で
              「歯磨きがいい加減問題」について取り組もうということになりました。
              まずは問題をはっきりさせるため、
              「なぜ歯磨きをしっかりできない」のかを子供達に意見を聞いてみました。
              ・一応、磨いているつもり
              ・時間がない、長時間磨くのは面倒くさい
              ・別に困っていない、少しくらい平気、すぐには虫歯にならない
              つまり、
              急には虫歯にはならない、それよりも今は面倒くさいという意識があるようです。



            • 子供を躾ける時によくやるのは、
              「プラスになることを意識させてやる気を促すか」
              「マイナスになることを意識させて脅すか」
              という方法をとることです。
              その二つから考えてみようということになりました。
              様々な案が出た中で、
              意図とは少し違いましたが、
              プラスとしては、「メイドさんのフィギュア型歯ブラシスタンド」
              マイナスとしては、「虫歯進行型歯ブラシスタンド」
              が候補にあがりました。
              メイドさん型は、小さい子供が使用するキャラクター歯ブラシの応用といえるでしょう。
              とても話が盛り上がったのですが、複雑なものは作れそうもないということで、結局断念しました。

            • 子供達の意見から、虫歯や歯周病について意識が低いことが分かったので、
              歯磨きがいい加減であると、虫歯は進行するということを改めて認識させることが必要だと感じました。
              そこで、歯の形の歯ブラシスタンドを製作し、
              それを健康な歯のC0から末期のC4まで進行順に5個並べて使用することで、
              虫歯が進行していくことを視覚的に意識できるのではないかと思いました。

              (写真引用元:)
              新津田沼クリニック 奏の杜
            • 虫歯の歯ブラシスタンドを製作するにあたって、
              形のモデルにしたのは、無印良品やダイソーで売られている陶器製の一人用歯ブラシスタンドです。
              狭い洗面所でも場所を取らず、水はけもよく、なにより3Ⅾモデリング初心者でもつくれそうな単純な形であることが最大のポイントです。

              虫歯は、ネットで検索した虫歯進行についての画像や
              図書館より借りてきた絵本、
              虫歯になっていた自身の乳歯などを参考にしました。
              普段、あまり見ることのない虫歯や歯周病の様子は、
              衝撃的な画像や、私も知らなかった知識も多く、
              とても為になりました。
              この時点で、すでに子供たちは以前より丁寧に歯を磨くようになりました。





          • データ作成は、昨年のファブラボ太宰府でのワークショップ「3DCGべんきょう会」でAutodesk Meshmixerに触れたことのある次男が担当しました。
            難しいことはできないので、
            参考資料をもとに、基本のC0の歯と歯茎をつくり、あとはコピーして、進行順に削っていくことにしました。
            娘も見てて、参加したくなったらしく、紙粘土で虫歯のイメージを作ってくれました。
            • 出来たデータを持って、次男とともにファブラボ太宰府に行き、
              出力する前に、ファブマスターの中澤さんにいくつか
              相談にのってもらいました。
              歯と歯茎は、一体で作る予定でしたが、
              作ったデータを
              Autodesk 123D designを利用して、Combineで演算する方法を教えてもらったので、
              別々の色で作り、後で合体することにしました。




            • 試作前に
              陶器と違いPLAで作ったものでは、軽すぎてスタンドが倒れてしまうかもしれないという意見があったので、子供達と相談して、歯ブラシを立てるのではなく、箸置き型にすることにしました。。
              箸置き型の場合、横に場所は取りますが、本体一つあたりの大きさは、小さくてもすむので、製作時間の短縮にもなりそうです。

          • 出来たデータをファブラボ太宰府にある3Ⅾプリンター Abee SCOVOX9にて出力しました。 以前に、ファブラボ太宰府の機材講習のセット中の一つである3Ⅾプリンター講習を受講してはいたのですが、まったく操作方法を覚えていませんでした。 なので、再び一つ一つスタッフさんに教えてもらったり、fabbleにある操作マニュアルを確認したりしながらも、なんとか出力できました。
            • フィラメントはPLAで、歯茎は赤、歯は白を利用
            • 積層ピッチは、0.3
            • 密度は10% 
            • サポート材・プリム・ラフトは、なし 
            • 両方とも出力時間は、30分程度
            • 試作1の完成前に、1度出力したのですが、途中でずれてしまい、うまくいきませんでした。ファブマスターに相談したところ、Meshmixerの面でカット機能を利用して、下の部分をカットすればよいとのアドバイスをうけました。 そこで、次男にやり直してもらったところ、安定してきれいに出力できました。
            • 基本のC0ができたので、続いて虫歯が一番深刻なC4も出力しました。
            • 3Ⅾでデザインしたものが、形となって出来たことに感動して、周りの人に意見を聞くという名目で見せびらかしてまわりました。 すると、この箸置き型では、狭い洗面台で横に場所をとるし、 子供は丁寧に置かないので、歯ブラシが転げ落ちやすいのではないかという 意見をもらいました。 そこで、実際に何度か子供に歯ブラシを置かせてみましたが、意識して置かないと横に転げ落ちることがありました。特に朝の時間がない時には、丁寧に置くことは難しそうです。 なので、とりあえず2倍の大きさで出してみて、当初の予定通り、歯ブラシを立てれるようにしてみようということになりました。
          • 1のサイズでも出力には、それなりに時間がかかりました。 ましては、それを2倍したものを5個作るのは、時間的にも不可能です。 それゆえ、健康な歯と虫歯の進行した歯の2種類のみにしようということになりました。 そこで試作1をふまえて、嚙み合わせのくぼみや歯間にできやすい虫歯の溝を意識して健康な歯を作ってもらいました。
            そして、試作1と同じ条件で倍率は2倍にして出力しました。 時間は歯と歯茎をあわせて、4時間くらいかかりました。 時間はかかりましたが、歯茎のおかげで安定し、歯ブラシもしっかりと立ちました。
            • 続いて、虫歯の歯を出力しました。 試作2の健康な歯では、真ん中の穴が小さめで歯ブラシによってはすんなりと入りにくかったので、穴をもう少し大きくしてもらいました。 また、片側を思い切って削って、歯ブラシを箸置き型でおいても歯ブラシのヘッドの部分ひっかかり、転げ落ちにくいようにしてデザインしてもらいました。
            • 当初、歯茎、虫歯や歯垢を着色し、できるだけリアルに汚い歯にする計画でした。 失敗作をプラモデル用の塗料や油性ペン等で着色してみたのですが、実際に口に付ける歯ブラシを置くと考えた時に、安全性に疑問がでます。 調べてみたら、安全な塗料もあるとは思うのですが、 実際に実物ができると、愛着がわいてしまい、 汚く不潔な感じに塗装することに、抵抗感を感じたのも大きな理由です。 ただ、子供は使った歯ブラシ自体の洗浄もいい加減なことが多いので、 実際に使い始めたら、すぐに歯ブラシスタンドもリアルに汚れてくると思います。 その時に、改めて、使用後の歯ブラシの洗浄の重要性にも気付いてくれるかなと期待しています。

            • 先に出力した、箸置き型のⅭ4の歯ブラシスタンドは、歯間ブラシの先を刺しておくのにちょうどいいことが分かりました。
              以前より先がとがっている歯間ブラシが、歯ブラシスタンドに一緒にあると怖いと娘が訴えていたので、よい利用法が見つかってよかったです。
          • 完成しました。
            虫歯の方はペアスタンドにもなります。

            • 歯ブラシを立てることのできる大きな健康な歯と虫歯の歯、
              箸置き型で利用できるミニサイズの健康な歯と虫歯の歯、
              計4個できました。
              虫歯の歯は、削れていますが、やはり白いままだと虫歯らしさは半減します。
              虫歯の歯ブラシスタンドとしては、残念ですが、
              白い歯の方が気持ちがいい、汚したくないという気持ちが芽生えたことを重視しようと思います。
          • 私は、昨年からファブラボ太宰府に通うようになるまで、パソコンもモノづくりもまったくしたことがありませんでした。3Dプリンター講習も、機械講習パックの一つとして受講しましたが、正直、できる人が利用するものであり、私たちが3Dプリンターを利用することはないと思っていました。 それぐらい敷居の高いものでした。 今回、このコンテストに親子で挑戦し、簡単なデザインではありますが、粘土をこねるようにつくったものが、本当に形になることに感動しましたし、できたものにとても愛着がわきました。今回の挑戦は、とてもわくわくするいい経験になりました。


            • まだ、実際には使用していませんが、製作途中ですでに効果がありました。 虫歯の歯ブラシスタンドを作るにあたって、虫歯や歯周病の画像や本を参考にしたのですが、 正直、見ててあまり気持ちの良いものでない衝撃的な画像も多く、虫歯予防の重要性が親子で身にしみました。おかげで、子供達の歯磨き時間は、確実に長くなりました。もちろん私も前よりも気をつけるようになりました。 やはり、知識は大事だなと思いました。
            • メモに書くことなのかもしれませんが、次男はおやつと飲み物付きという言葉に釣られて、今回のワークショップに参加し、モデリングの報酬は、コーラ2本でしてくれました。虫歯の歯ブラシスタンドのコンセプトとは、矛盾しています。 3Ⅾプリンターの出力の間、そのコーラのペットボトルにコーララムネをいくつ入れられるかを実験してコーラを爆発させていました。 こんな親子に丁寧にアドバイスしてくださり、なんとか完成まで付き合ってくださったファブラボ太宰府のスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
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