紙漉きには欠かせない「簀(す)」。その制作には大変な技術と時間が必要です。
伝統技術の継承のためにはより多くの方にその技術を体験していただくことも重要ですが、非常に高価な道具のため、多くの職人さんは破損を恐れて他人にそれを貸すことはありません。加えて、紙に透かし模様を入れるためには「簀」に細工をする必要がありますが、同様の理由からよほど裕福な工房でないかぎり、独自の紙の開発に取り組むことが難しい状況です。
そこで、富山県氷見市 漁業交流会館"魚々座"に展示されている「簀(すのこ)編み具」を参考に、デジタルファブリケーション機器を活用した、簡単で安価な編み具の制作に取り組みました。