カットラインのデータ作成
(1) 内部の立体空間を表現するための3Dデータを用意
今回は富士山のモデルを使いたかったので
国土地理院のサイト
よりダウンロードしました。
(2) 3Dデータを2D(輪切りモデル)に変換
123D Make
というソフトを利用して、
3Dモデルを平面のラインに変換します。
・まずはダウンロードしたデータを読み込む
・読み込んだデータをスライスモデルに変換する
・変換したデータを書き出す
(3)書き出したデータを元に、出力用のデータを作成
Adobe Illustrator
を使用し、出力用データを作成。
・バラバラになっているスライスデータを一カ所にまとめて等高線状にする。
支柱用の穴の位置を決める。
・等高線を必要枚数分コピーし、不要な線を消していくことで
一枚一枚のカットラインを作成。
実際の丸太の形状を写し取りガイドラインとして、
この中に収まるようにカットラインを配置します。
また、外枠の四角の左上をレーザーでカットする際の
原点としておきます。
木材の加工
丸太材のスライス(1)
事前に今西工場にて、丸太材(約100mm厚)をスライスしていただき、
丸太材(約5mm厚)
が10枚と丸太材(約20mm厚)が1枚できました。
表面にひび割れのあった側では、カットの際に割れが生じてしまったようです。
丸太材のスライス(2)
丸太材(約50mm)は、
ノコギリ
を使って自力でカットしました。
丸太を動かないよう台座に立てて固定し、まっすぐ切るためのガイドを作って
これに沿って切ります。
丸太材(約30mm厚)
と
丸太材(約20mm厚)
の2枚ができました。
レーザーカット
作成したデータを元に、スライスした板をレーザーカッターでカットしていきます。
使用したのはこちらの
レーザーカッター(UNAVERSAL)
型紙を使って丸太をセットし原点合わせをしました。
ヒノキの板約5mm厚に対して、パラメーターは
・Power 100
・スピード60
でカットしました。
上部、下部パーツの加工
丸太材
(約30mm厚)
と丸太材
(約20mm厚)の加工を行います。
・30mm厚の方は、下部の台座にするので電球を仕込むためのスペースとケーブルを通すための穴をあけます。
中央の穴はホールソー(38mm径)を使用して穴をあけます。
側面のケーブル用の穴は、カット時に使用したガイドを使って立てておき電動ドリルで穴をあけます。
・20mm厚、30mm厚の両方に支柱を立てるための穴をドリルを使用してあけます。
貫通しないようにストッパーをつけています。
木材の補修・修正
割れの補修
丸太をスライスした際に割れが発生してしまいました。
この時点で割れが広がらないよう接着剤で繋いでくれてありますが、
今回は
木工パテ
を使ってこの割れ部分を埋めておこうと思います。
不要な部分を
マスキングテープ
で覆い、パテをやや多めに盛っていきます。
固まったらはみだした部分をヤスリで削っていきます。
反りの修正
薄くスライスした板は窪むように反ってしまいました。
これを修正するために、
アイロン
で熱と圧を加えてみました。
なかなか加減がむずかしく、やり過ぎはよくないようです。ほどほどに。
アイロンをかけ終えた後は、手頃なサイズの雑誌をおもしとして使い
しばらくこのまま放置。
多少のゆがみはあるものの、ほぼほぼ平らになりました。
が、しかし。
時間が経つにつれて、また反ってきてしまいました。
その他の加工
スペーサーの作成
スライスした板の間に余白を設けるためのスペーサーを作ります。
素材
・
皮の端切れ材(3mm厚)
道具
・
皮抜きポンチ(8mm)
・
皮抜きポンチ(15mm)
・
ゴムハンマー
・傷がついてもいい台(そのへんに転がっていた角材を使いました)
行程
(1)まずは15mmのポンチで外周を打ち抜きます。
(2)次に8mmのポンチで内側をくり抜きます。
(3)おしまい。
電球周りの加工
材料
・
ダブル電線(0.85sq)
・
圧着接続端子
・
はんだ
・
T10ウェッジ用ソケット
・
φ2.1DCジャック
・
スイッチ
・
ゴム栓
工具
・
電工ペンチ
・
半田ごて
・
木工用ドリル
行程
(1)ソケットと電線を圧着接続端子を被せてかしめる。
(2)DCジャックと電線をはんだづけ。
(3)電線を途中でカットし、スイッチを割り込ませる。
(4)ゴム栓に穴をあけ、ソケットを差し込む
ステンシルの作成
せっかくなので、「FUJIMOCK FES 2015」のロゴをどこかに入れたいなと思い
ステンシルを施しました。
行程
(1)まずはステンシルの文字をプリントし、板にあてがって位置を決めます。
(2)文字部分を、カッターナイフでちまちまと切り抜いていきます。
(3)マスキングをして、余分なところを覆い隠します。
(4)年輪の雰囲気を損なわないよう、クリア系の缶スプレーをチョイスして吹きます。
(5)完成!
組み立て
これまで作ってきた部品を組み立てていきます。
部品
・スライス板 ・上部・下部用板
・支柱(
丸棒8mm
約10cm)
・スペーサー ・電球
行程
(1)下部の板に電球をセットコードを通す。
(2)支柱に、スライス板とスペーサーを交互に通していく。
(3)上部・下部の板に差し込んで、完成!
いざ、点灯!
課題
5mm厚にスライスした輪切りの板の反りが思った以上に強く、光や視線を遮ってしまう。
(真横か、やや下気味からのぞきこまないとそれっぽく見えない...)
修正を試みたものの、徐々にまた反りが戻ってきてしまう。
レーザーでくり抜いた内部の穴が小さいものほど、反りが強いようにみえる。
対策
・なるべく厚めにスライスすることで変形を抑えられないだろうか。
・修正をして平らになった状態で、ニスやオイルなどを塗り樹脂を浸透させて固めてみてはどうか。
などなど、まだまだ試してみるべき余地はありそうです。