自己紹介
こんにちは。中山成史です。
豊田高専という学校で建築を学んでいます。
FAB3Dコンテストには中学1年生のころから応募していました。まさにFAB3Dコンテストとともに成長してきた、そんな人間です。
去年は約1年間、エストニアという国に留学していました。
(エストニアのFabLabについてのFabble)
作戦会議
コンテストに対しての理解を深める
キーワードになりそうなもの書きだしてみました。
FABとFORZEASを利用する、ということについては自分のアイデアでどうこうなるものではありませんが、
「循環型社会、つくる責任・つかう責任、地域の課題」
というキーワードを、
どう解釈して、どういったアイデアを提案するか
がポイントになってくる気がします。
循環型社会
循環型社会 - 有限である資源を効率的に利用するとともに、循環的な利用(リサイクルなど)を行って、持続可能な形で循環させながら利用していく社会のこと。(wikipediaより引用)
・FORZEASを使って何を作るかによって、循環型社会に対する貢献度はかなり変わってきそう。
つくる責任・つかう責任
SDGs 12番の中の
・12-5に関しては、世の中の幅広い分野のモノに対してFORZEASを使っていくことで達成できそう。
・12-8に関しては、いろいろ自分で考えられそう!
地域の課題
地域の課題として、僕が住んでいる愛知県豊橋市の課題を解決することを目指します。
豊橋市に住んでいる人は
「住むには便利な街」と言っているが、逆に言えば日本中にありふれている平均的な街
と言えそう。→豊橋市の課題を解決するために作ったモノは、日本中の街の課題を解決できるものになりえるのではないだろうか。と考えました。
キーワードから連想していく
自然と調和したくらし
自然と調和した暮らし、と聞いたときに、僕が留学していたエストニアの中心部にあるフラワーマーケットを思い出しました。
エストニアには花束を贈りあう文化が盛んにあり
、誕生日や父の日、母の日など、記念日やお祝いの日がある度に花束を贈りあう人を多く見ることがあり、そんな人たちを見るたびに、見ているだけの僕までなんだか
幸せに感じた
のを思い出しました。
日本でも、花束を贈りあうような生活をできたら、みんなが幸せになるのかも?
豊橋市の課題
僕が住んでいる、愛知県豊橋市の課題としては
・中心部に活気がない
ーまちなかには楽しいお店も多いのに、
現在の豊橋市の中心部の現状としては、ただの「目的を果たすために来る場所」
となってしまっており、人々は、その目的を果たしたらすぐに帰って行ってしまっている。
→どうにかして、
まちなかに人が滞在するキッカケとなるものが必要
街全体に対する影響
「プロダクト単体で考える」のではなく、「僕が作るプロダクトを通して街全体にどのような良い影響をもたらせられるか」という風に考えることが大切になりそう。
まちなかに人が滞在する仕組みを考える
3Dプリンターを使うことで、どうやったらまちなかに人が滞在してくれるだろうか。
3Dプリンターは造形に時間がかかってしまう
→造形中の時間でまちなかをプラプラ散策してもらう
仕組み
3Dプリンターでプロダクトを造形中の時間は、まちなかをプラプラ散策したり、ごはんを食べたり、などとまちなかに滞在してくれるのではないか。
3Dプリンターならではできること
・オーダーメイドのものを作れる
→「自分だけのオリジナルのもの」のためなら、造形時間も待ってくれて、そのあいだにまちなかを出歩いてくれそう
花瓶
フラワーショップでまずオリジナルの花瓶を考えてもらう。
↓
造形中の時間はまちなかで。
↓
帰るときには造形が終わった花瓶と花と一緒に
試作①
スピーディーに数多くの試作品を作ることを見据えて、Rhinoceros + grasshopper で設計しました。
grasshopperは「パラメトリックデザイン」と呼ばれる、パラメーター(数値変数)を設定して数値を変えていくことで、数多くのデザインを生み出すことができる設計方法です。
使用する3Dプリンターは2019年度のFAB3DコンテストでいただいたAFINIA H400+です。
パラメーター
画像の7つのパラメーターで花瓶の形をコントロールすることができます。
1
少し造形が粗いものの全体的にはいい感じにできました。
ただ水が漏れてしまうので、なんとかして解決したいです。
試作②
2
しわの数を減らしてみました
形が少し単純になったおかげで水漏れは少し改善しましたがまだまだ漏れてしまいます。
試作③
花瓶として美しい見た目を目指してみました
3
そろそろFORZEASでプリントしてみたいと思い、メイカーズラボとよはしにあるUltimaker S5でプリントしてもらいました。
非常にきれいにプリントできています。
水も漏れません、完璧です。
試作④
4
家へ帰るときに、花が生けられた花瓶を手にもって帰るのは不自然な行動なのではないかと思い、花束型の容器を作ってみました。
自分的には結構いいアイデアなのではないかなと思っていたのですが、友達や先生に意見を聞いてみたところ、この花束タイプより、花瓶タイプの方が圧倒的に好評だったのでこのアイデアは採用しないことになりました。
・(花束タイプだと)家に持ち帰ったあと、使い道に困る
・花瓶タイプでも、花束タイプでも、どっちにしろ目立つ。
・花瓶タイプの方がデザインの幅が広がりそう
などという意見をもらいました。
花瓶のカタチの決め方
このアイデアにおいては、いかに魅力的に、
いかに魅力的な花瓶のカタチを作れるか
ということが極めて重要になってくると考えています。
そもそも人を人を惹きつけられるプロダクト(サービス)でないと、このプロダクトを通して実現したい「豊橋市のまちなかに人を滞在させたい」という目標も実現することができません。
・その花瓶のためだったら数時間は待ってくれるデザイン
が目標です。
魅力的な花瓶にするためには...?
・3Dプリンターで生産するため、一人ひとりのオリジナルの花瓶を作ることができる。
→「自分だけの花瓶」を作れることがポイント...?
・お客さんがデザインした花瓶を作る
→デザインが得意な人にはいいかも
・花の雰囲気に合うような花瓶を作る
→めっちゃよさそう
花の雰囲気に合うような花瓶
花の雰囲気に合うような花瓶を作るためにはまず、花の雰囲気を誰もが納得するような形で表現できることが前提として大切になってくると思います。お店の人がいくら「この花瓶はこの花の雰囲気にめっちゃ合う!」と思っていても、お客さんがそう思ってくれなければ何の意味もありません。
意外とこの案は難しいのかもと思えてきました。
ただ、人の感情を客観的に数値化できるようなツールがあればできそうな気もします。
どうせなら...
どうせなら、その人の感情をそのまま表した花瓶を作ってみようかなと思いました。
「感情が反映された花瓶に合わせて花をお店の人に選んでもらう」、なんだか新しい体験を生み出せそうでワクワクしてきました。
人工知能
Microsoft AzureのFace APIという、顔の写真から様々な情報を読み取ってくれるAIを利用して、写真に写っている人の感情を読み取り、その数値を利用してパラメーターの数値を変更してみようと思います。
プログラミングの壁
さっそくいろいろ調べながら、Face APIを使ってみようといろいろ頑張ってみました。
ちなみに理想は、
スマホ用のアプリを作ってスマホ一台で、写真撮影→感情の解析→花瓶の生成→3Dプリントまで全てをコントロールできる
ことです。
ただ、プログラミングを小学五年生のときに諦めた僕には難しすぎました。
何をやってもエラーが返ってきます。
プログラミングも勉強しておけばよかった...
アプリを作る
プログラミングはできなくても、アプリの見た目だけでも作りたいと思います。
Adobe XD
Adobe XDというソフトを使って、なんとか見た目だけでもそれっぽいモノを作りました。
体験用URL :
https://xd.adobe.com/view/3bf8c923-2120-483c-bb7c-4e3487434765-6eab/?fullscreen&hints=off
アプリの動作
写真を撮る場合の動作映像です
https://youtu.be/3dpaMuDyBb0
アプリの動作②
写真をライブラリから選ぶ場合の動作映像です。
https://youtu.be/t2W6iiNNPI0
使い方
1.まちなかの花屋さんにいき、写真を撮ってもらう
2.造形中の時間はまちなかをぶらぶら
3.造形が終了したら花屋さんに戻ってきて受け取る
花屋さんがあなたの花瓶にピッタリな花を生けて用意してくれています。
楽しみに取りに行きましょう。
花屋さんに実際にインタビューしてみる
学校近くの花屋さんに、このプロダクトに対してどう思うか、感想を聞いてきました。
良い点
・面白いアイデア
・花屋さんに来てくれる人が増えそう
・来たことない人でも来てくれるようになりそう、キッカケになりそう
・花瓶の形が面白い
不安な点
・3時間も待ってくれるのかどうか
・3Dプリンターを使える気がしない
・(3Dプリンターを)置く場所がない
・(3Dプリンターを)壊しちゃいそう
まとめ
感想
「モノづくり」というより「まちづくり」という点を重視してFAB LIFEの実現に挑戦してみました。
結果として3Dプリンターを使って出来上がったものは目新しいものではないように感じてしまいますが、アプリを(見た目だけですが)利用して、人工知能で写真から感情を読み取り、花瓶を作るということが本当にまちなかでできれば、素敵で面白い街になりそうだなと思っています。
インタビューを通して
インタビューをさせていただいたときに、まずこの案を理解してもらうことに時間がかかってしまいました。「花屋さんには馴染みのない3Dプリンターや技術を使っているから」ということもあると思いますが、もっとわかりやすく説明できたらもっといろいろなことを聞けたりしたのかなと考えると少し後悔です。
ただ、生の声を聞けたことは大変ありがたかったです。