IT先進国エストニアでFabLabに行ってみる

Created Date: 2021-12-08/ updated date: 2021-12-19
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    北欧の小さな国、デジタル先進国のエストニアでFabLabに行ってみた話です。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • 僕は今年の8月からエストニアに約1年間の留学をしています。
            エストニアでも3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機器を使ってモノづくりをしたいので、エストニアでFabLabに行ってみる話です。
            • エストニアはフィンランドの真下、ロシアの左隣にある人口130万人の小さな国です。
              バルト三国と言われている3か国の中のひとつです。(エストニア、ラトビア、リトアニア)
              旧ソ連時代、エストニアにはIT技術の研究所があり、そこで働いていた技術者たちが中心となり、ソ連崩壊後もエストニアでIT技術を発展させていったため、今では「デジタル先進国」や「電子政府」などと呼ばれています。
            • エストニアでは、99%の行政手続きがオンライン上でできるくらい、IT技術が生活に浸透しているらしいのですが、実際に生活していて実感するのは
              ・街中でデリバリーロボットが走っている
              ・現金を使わない(学校内にある店でもカードを使える)
              ・クラスメイト全員が当たり前のようにパソコンを使いこなしている
              ・宿題、成績、出欠席などをインターネット上ですべて見れる
              ・駅に券売機がない(チケットはスマホで買うのが前提)
              くらいで、教科書もノートも紙、学校の授業は黒板で、ビザを取得するときには大量の紙の書類を提出、などと別にデジタルっぽくない、ということもたくさんあります。
          • いくつかの方法を調べてみました。
            • 検索して一番に見つけたのがこのFabLabです。
              ただ、Facebookの更新が一年間止まっていることや、サイトにアクセスできない、など、「閉まってそう」な雰囲気がすごいです。
            • 日本語にすると「Kännukuke図書館イノベーションラボ」みたいな感じです。
              数年前のFAB3DCONTESTの授賞式に読んでいただいた際に、図書館にFabLabみたいな施設を作る取り組みがある、という話を聞いたのを思い出したので、試しにエストニア語で「図書館 3Dプリンター」と検索してみたら、ありました。
              3Dプリンター: Ultimaker 2+
              レーザーカッター: Lasermeister LM500700 60W
              カッティングマシン:CAMM-1 GS-24
              などがあるそうです。

            • データを送ると何日かして3Dプリントされたものが送られてくるやつです。
              日本では結構高いイメージがありますが、デジタル先進国のエストニアならば安いのかもしれない、と思い調べてみましたが、普通に高かったです。
          • 図書館のホームページをじっくり読んでみたのですが、利用者として登録するにはエストニアのIDカードが必要、みたいなことが書かれていて、外国人は登録できるのかできないのかよくわかりません。
            • Tallinna Keskraamatukogu (Tallinn Central Library)に行ってみました。
              Kännukuke raamatukoguは少し街はずれにあるので、最初からそこに行って利用者登録できるかどうか聞くよりかは、外国人の対応に慣れてそうな街の中心部の図書館に行って聞いた方が良さそうと思ったので、Tallinna Keskraamatukoguに行きました。
              受付の人に聞いてみたところ、エストニアのIDカードを持っている人しか登録できないと言われてしまいました...
            • この図書館の周辺はうす暗い団地のような感じになっていました。普段自分が行動している街並みの雰囲気と全然違ったので、結構おびえながら図書館に入っていきました。
              ホストマザーから「ああいった建物が多い地域にはロシア人が多く住んでいるから来ない方がいいよ」と何度か言われていたので余計怖かったのですが、話した方々はとても親切でした。
              エストニアとロシアの関係は歴史的なこともあり、すごく仲が悪いので、エストニア人はロシア人に対してあまり良いイメージを持っていないのかもしれません。

            • 利用者登録はできなくても、設備を使わせてくれるかもしれないと思い、聞いてみました。
              IDカードを持ってないことを伝えると「パスポートがあれば利用者登録できますよ」と言われ、呆気にとられました。
              ただ、まさかパスポートが必要だとは思ってなかったので、後日出直そうと思います。
            • ・パスポート
              ・エストニアの個人IDコードが書いてある書類
              を見せることで図書館のリーダーとして登録できました。
              30冊までの本を3週間まで借りられるそうです。
            • エストニアの人口の約25%がロシア人だということもあり、図書館にはロシア語の本も多くあります。

              ちなみに、友達の中にはロシアとのハーフという友達も少なくなく、エストニア語、ロシア語、英語がペラペラだという人も少なくありません。
              学校の授業でも、エストニア語、ロシア語、英語はもちろんのこと、そのほかに、スペイン語、ドイツ語、フランス語の中から1つを選び、学習するようになっています。(自分の学校の場合)
          • FabLabと言っていますが、この施設の正式な名前は「Innovatsioonilabor」といい、日本語にするとイノべーションラボ、という感じです。
          • 驚くべきことに、レーザーカッターや3Dプリンターの工作機械の使用料金は無料です。
            素材も一応売られてはいますがとても安く、自分で素材を持ち込んだ場合、完全に無料でモノづくりをすることができます。

            フィラメント…0.2€/g
            バルサ
            3×100×100 (mm) … 0.6€
            5×100×100 (mm) … 1.0€

            などと素材が小さなサイズを基準として売られているのは、ちょっとしたものを作りたい人でもチャレンジしやすそうで、とてもいいアイデアだと感じました。
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