マグネットで簡単に着脱可能な、指輪型の自助具0認定作業療法士として、小児領域+手の外科領域の専門家が、着脱可能な指輪型の自助具を作成しました。マグネットを内蔵することで、簡単に着脱が可能です。Add Annotation Order
For whom0中学生男児診断名:脳性麻痺利き手:左利き身体状況:手は右優位に軽度の麻痺あり。下肢は痙性麻痺あり。起き上がり〜座位は自立している。立位〜歩行は下肢装具+ロフストを使用している。Add Annotation Order
Why0保護者様から「書字動作が獲得してほしい」という希望があり、作業療法が開始となりました。現状の課題0初回評価では、手指の分離運動が未熟で、鉛筆を強く握りすぎてしまい、肘や肩に余計な力が入り、スムーズに書くことが困難な状態でした。また、鉛筆を持ち直す度に位置がずれ、その都度修正が必要でした。これまでの工夫0治療の中では、手指の筋肉を鍛えることや分離を促す練習に加え、ネオプレーン(ゴム製の素材)を使って握りをサポートする自助具を作成しました。新しい課題と挑戦0治療を続ける中で手指の動きは向上し、鉛筆の把持ができるようになってきました。そこで、自助具の変更を検討し、市販や既存の自助具を試しましたが、本人に合うものが見つかりませんでした。そこで「3Dプリンターなら形やサポート力を自由に工夫ができる」と考え作成に挑戦しました。Add Annotation Order
現状の課題0初回評価では、手指の分離運動が未熟で、鉛筆を強く握りすぎてしまい、肘や肩に余計な力が入り、スムーズに書くことが困難な状態でした。また、鉛筆を持ち直す度に位置がずれ、その都度修正が必要でした。
新しい課題と挑戦0治療を続ける中で手指の動きは向上し、鉛筆の把持ができるようになってきました。そこで、自助具の変更を検討し、市販や既存の自助具を試しましたが、本人に合うものが見つかりませんでした。そこで「3Dプリンターなら形やサポート力を自由に工夫ができる」と考え作成に挑戦しました。
HOW0最初は、人差し指の第二関節にテープで鉛筆を固定し、運筆練習を進めました。鉛筆の位置が安定すると「持ちやすい」と伝えてくれたため、この形状をもとに自助具の試作を行いました。第1試作0指輪型の自助具に鉛筆を固定できる物を作成しました。鉛筆はしっかりと固定できましたが,書字の際、手指の細かい動きが制限され、肘や肩の大きな動きに頼る状態でした。また、消しゴムを使う時には自助具を外す必要があり、実用面での課題が残りました。※鉛筆を固定する部位はヒートガンで温め、鉛筆の大きさに合わせます。ユニバーサルリング 試作1第2試作0鉛筆の着脱を簡単にするために、自助具と鉛筆を固定する部分にマグネットを組み込みました。消しゴムを使う時の不便さは軽減されましたが、横方向や縦方向の細かい指の動きに対応できず、鉛筆が外れやすい問題が生じました。ユニバーサルリング 試作2アタッチメント完成版0マグネットを組み込む部分を球体構造に変更し、手指の動きに合わせて接触面が自然に変化するようにしました。さらに、アタッチメントを柔軟性のあるTPU素材で3Dプリントすることで、鉛筆の挿入が容易になり、使用感が向上しました。これにより、鉛筆を安定して保持できるサポート力と、手指の細やかな動きに追従する柔軟性の両立を実現しました。※マグネットの固定には、レジンを使用しています。ユニバーサルリング 完成版アタッチメント TPU自助具の使用動画0着脱が簡単なため、消しゴムも使いやすいです。自助具の着脱動画0マグネットの力で着脱が簡単です。作成方法0使用材料:ダイソー 超強力マグネットミニ、UVレジン、UV LED LIGHT①ユニバーサルリングをPLA素材でプリントする。②アタッチメントをTPU素材でプリントする。※鉛筆がずれやすい場合は、鉛筆を通す穴の中に、サポートをいくつかつけておくと、摩擦で動きにくくなる。③ユニバーサルリング、アタッチメントの穴の中に、超強力マグネットミニを入れる。※マグネットの向きに注意。リングとアタッチメントがくっつくようにする。④穴の中に入れたマグネットの部分にUVレジンを入れる。⑤UV LED LIGHTで硬化させる。Add Annotation Order
第1試作0指輪型の自助具に鉛筆を固定できる物を作成しました。鉛筆はしっかりと固定できましたが,書字の際、手指の細かい動きが制限され、肘や肩の大きな動きに頼る状態でした。また、消しゴムを使う時には自助具を外す必要があり、実用面での課題が残りました。※鉛筆を固定する部位はヒートガンで温め、鉛筆の大きさに合わせます。ユニバーサルリング 試作1
第2試作0鉛筆の着脱を簡単にするために、自助具と鉛筆を固定する部分にマグネットを組み込みました。消しゴムを使う時の不便さは軽減されましたが、横方向や縦方向の細かい指の動きに対応できず、鉛筆が外れやすい問題が生じました。ユニバーサルリング 試作2アタッチメント
完成版0マグネットを組み込む部分を球体構造に変更し、手指の動きに合わせて接触面が自然に変化するようにしました。さらに、アタッチメントを柔軟性のあるTPU素材で3Dプリントすることで、鉛筆の挿入が容易になり、使用感が向上しました。これにより、鉛筆を安定して保持できるサポート力と、手指の細やかな動きに追従する柔軟性の両立を実現しました。※マグネットの固定には、レジンを使用しています。ユニバーサルリング 完成版アタッチメント TPU
作成方法0使用材料:ダイソー 超強力マグネットミニ、UVレジン、UV LED LIGHT①ユニバーサルリングをPLA素材でプリントする。②アタッチメントをTPU素材でプリントする。※鉛筆がずれやすい場合は、鉛筆を通す穴の中に、サポートをいくつかつけておくと、摩擦で動きにくくなる。③ユニバーサルリング、アタッチメントの穴の中に、超強力マグネットミニを入れる。※マグネットの向きに注意。リングとアタッチメントがくっつくようにする。④穴の中に入れたマグネットの部分にUVレジンを入れる。⑤UV LED LIGHTで硬化させる。
Outcome0この自助具はマグネットで着脱できるため、鉛筆を握り続ける必要がなく、消しゴムを使う際には簡単に外して、必要な時にすぐに取り付けられます。保護者様の感想0「この自助具を作っていただいてから、『つけると書けるんだ!』と前向きな気持ちになれたことが本当に大きな変化でした。特別なアイテムを持っているということも嬉しいようで、楽しみがらな積極的に字の練習に取り組むようになりました。」本児の感想0「魔法みたいでかっこいいんだよ、みてて」「この前、起立台で立ちながらプリントいっぱいやったよ」と楽しんで、課題に取り組むことができているようでした。学校の先生の感想0「自助具を使うことで字が上手く書けるようになり、自分から進んでプリントに取り組むようになった」とのお話がありました。まとめ0字を書くための自助具としてだけでなく「楽しいから使いたい」と本人の気持ちを引き出せたことが、この自助具の大きな成果でした。また、今回は鉛筆用に作りましたが、アタッチメントを変更することで、食具や歯磨きのサポートにも応用ができる汎用性の高い自助具だと考えられます。Add Annotation Order
保護者様の感想0「この自助具を作っていただいてから、『つけると書けるんだ!』と前向きな気持ちになれたことが本当に大きな変化でした。特別なアイテムを持っているということも嬉しいようで、楽しみがらな積極的に字の練習に取り組むようになりました。」
まとめ0字を書くための自助具としてだけでなく「楽しいから使いたい」と本人の気持ちを引き出せたことが、この自助具の大きな成果でした。また、今回は鉛筆用に作りましたが、アタッチメントを変更することで、食具や歯磨きのサポートにも応用ができる汎用性の高い自助具だと考えられます。
謝辞0本自助具の作成にあたり、ご協力いただいた本児や保護者の皆様、学校の先生方に心より感謝申し上げます。また、試作や調節に関わってくださった関係者の皆様にも御礼申し上げます。皆様のおかげで、実際に使ってもらい、成果を確認することができました。Add Annotation Order
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