レーザーカッターSpeedy100 (30W)の使い方~基本編~

Created Date: 2017-11-02/ updated date: 2018-01-09
    Owner & Collaborators
    License
    Summary
    シンプルな内容の基本編です。
    グッデイファブ大名で使用しているレーザーカッターSpeedy100(30W)の使い方を紹介します。
    このページはグッデイファブ大名の環境に合わせた使い方です。ご注意ください。
    レーザーカッターは、厚さ0.1~6㎜程度の素材までのカット、素材表面の彫刻ができるデジタル工作機械です。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • レーザーカッターは、パソコンの作図ソフトで描いたデータ通りにカットと彫刻ができるデジタル加工機です。レーザーのパラメータ(パワーとスピード)を調整することで、紙からアクリルまで幅広い種類の素材が加工できます。
            照射位置でのレーザー自体の径は80μm(0.08mm)になります。
            • 【レーザーカットに用いられる代表的な素材】
              木/紙/アクリル/PPシート/フェルト

              【彫刻のみ可能な素材(切断できない)】
              ガラス/アルマイト加工されたアルミ(例:MacBookのオモテ面)/10 ㎜以上の分厚い木材

              【加工してはいけない素材】※重要
              ポリ塩化ビニル(他表記例:塩ビ、PVC)・・・有毒ガスが発生するため
              金属・・・レーザー光が反射するため
            • 最大加工サイズ(タテヨコ)305×610 ㎜

              ※カットできる厚みは素材によって変化します。木やアクリルは10 ㎜前後までカットできます。
            • 基本的にIllustrator (Adobe社)で開けるデータ形式なら加工できます。
              ※AI/EPS/DXF/SVGファイルなどに対応

              ・ベクターデータ(AI/SVGファイルなど)はカット・彫刻ができる
              ・ラスターデータ(JPEG/PNG/BMPファイルなど)は彫刻ができる
          • Illustratorを用いて加工データを作る方法を示します。
            • ・線色:赤(R:255, G:0, B:0)
              ・線幅:0.001 ㎜以下
              ※線(ベクトル)データで作成。画像データ(JPEGなど)は不可。
              ※テキストはアウトウイン化
            • ・塗り色:黒(R:0, G:0, B:0)
              ・グラデーションの場合はグレースケール
              ・写真データでも彫刻可能(グレースケール化の処理が隠蔽されているので、濃淡の調整はできない。Photoshop(Adobe社)などの画像編集ソフトを使って任意の値でグレースケール化をすれば、濃淡の調整は可能。)

              <参考>
              色指定のためのスウォッチ
              Speedy100ColorPalette
          • 作図ソフト(Illustrator)から プリンタドライバ(Torotec Engraver)へデータを転送する方法を示します。
            • 裁ち落とし(余白)3 ㎜になっているので、0 ㎜にする。
              ([トンボと裁ち落し]で裁ち落しの4辺を0 ㎜にする。)
            • 材料サイズを入力(305×610以下)
              「ジョブの最小化/minimize to jobsize]を選択

              ※minimize to jobsize(ジョブを最小化)
              設定した材料サイズに限らず、加工したジョブサイズに合わせてトリミングして送信してくれるモード。必要に応じてチェック
            • 材料を選択(上:材料グループ 下:材料)

              ※新しい素材を使用したい場合は、左のマークを押す。(詳しくは応用編の「材料パラメーターの編集方法」の項目に記載)
            • 【加工モード】スタンプ/レリーフ風など、特殊な彫刻がしたい場合に使用。
              【解像度】特に設定する必要なし
              【カットライン】特に設定する必要なし
              【ハーフトーン調整】彫刻の風合いが変化する。プレビューで違いが分かるので、お好みで変更する。

              ※加工オプションのさらなるの詳細については、応用編の「加工モード設定」を参照
            • 1. [JCマーク]をクリック→詳細設定ダイアログが閉じる。
              2. [印刷]をクリック→印刷ダイアログが閉じる。
              3. [プリント]をクイック→データがレーザーカッター本体を制御するソフトウェアTrotec JobControlへ転送される。
          • JobControlはレーザーカッター本体を制御するソフトウェアです。

            【JobControlの起動から加工開始までの簡単な流れ】
            1.「JobControl」を開く。
            2. 本体の電源を入れて、PCと接続する。
            3. 材料をセットし、フォーカスツールを使って焦点を合わせる。
            4. ジョブリストから加工したジョブを加工したい場所に配置する。
            • このアイコンが目印

              ※作図ソフト(Illustrator)からプリンタドライバ(Trotec Engraver)を介してデータを転送([プリント]ボタンをクリック)した場合は、自動でJobControlが立ち上がる。
            • 必ず蓋を閉める。
              ※蓋が開いていると初期動作が完了しない。

              xyz操作パネルが動かない場合は本体の初期動作(原点復帰)が完了していません。
              フタを閉じて、初期動作を完了してから操作してください。


            • 【手順】
              1. ヘッドを数センチほど右下へ移動する。
              ※フォーカスツールがハニカム台のフレームに当たらないように。
              2. フォーカスツールをヘッドにセットする。
              ※取り付け位置は間違えやすいので要注意!
              3. Z軸の高さを少しずつあげてモジュールが倒れたところで止める。

              【本体のパネル操作】
              赤ボタンがX軸Y軸(横縦)
              黒ボタンがZ軸(高さ)

              【注意】
              Z軸を動かすとき、よそ見をしない。
              ※台があがりすぎると、ヘッドに当たり変形・破損する恐れがあります。
            • 1. ジョブリストから加工したいジョブをプレートにドラッグアンドドロップする。
              2. 青色の十字カーソルにジョブが合うように移動する。
              ※青色の十字カーソルの位置は、本体のレーザーポインタの位置と連動している。ジョブを近づけるとピッタリ接する。
            • 1. 画面右下の再生ボタンをクリックする。

              ※加工が開始されると、再生ボタンは一時停止ボタンになる。なお、本体の一時停止ボタンを押しても可。
            • 1.テンプレートに並んだジョブ上で右クリック、コピー・貼り付けにより複製して加工ができる

            • 1.ジョブをプレートに配置した後に左下にある「アップデート」のボタンをクリックすることで、加工の正確な時間が表示し直される。
              ※ジョブを入れ替えた直後に表示される時間は、前の材料パラメータのデータで計算されている。
            • 加工する際は必ずレーザー機器の傍に居て加工をチェックできる状態にする。

              万が一に備え、機器をスタートさせる前には消化剤の場所を把握しててください。
              もし出火した場合は速やかにレーザー機を停止させ消化に努めてください。
            • 加工中、集塵機のフィルターが詰ると集塵機本体から警告音が鳴ります。
              ピーと連続的な音が鳴り続けます。

              (解決法)
              ジョブを一時停止させ、集塵機のフタを開け、新しい紙ウエスに交換する。

          • 清掃や消耗品の交換は、加工性能にも影響が及ぶ作業です。また、高価な部品などを破損する恐れもあるので、注意深く作業しましょう。

            片付け項目は大きく下記の3つがあります。
            • レンズ掃除
            • 拭き掃除(本体内部・ハニカムボード・集塵機)
            • フィルター交換(集塵機)
            • ヘッドカバーを回して、レンズとレンズカバーを取り外す。
              ※レンズがヘッドカバーに取り残されることがよくあるので、注意。
              ※作業中にもしレンズが落下しても破損しないように、手のひらを下に添える。
              ※レンズには裏表がある。見分け方は、下記の通り。
               表:レンズを覗き込むと、顔全体が見える。
               裏:レンズを覗き込んでも、顔一部しか見えない。
              ※レンズを手で触らない。
            • やわらかい紙を敷き、その上にレンズを乗せる。
            • 1.  洗浄液をワンプッシュし、1~2分おく。
              2. 光学レンズ用紙をレンズ表面に軽くあて、洗浄液を吸い取る。
              ※決して光学レンズ用紙でこすらないこと!傷が付きます。

            • レンズをひっくり返しもう一度洗浄液を吹きかける。
              ※下に敷いている紙でレンズを包むようにしてひっくり返すと、レンズを落とすリスクが低くなる。
            • <本体内部>
              スプレー洗浄液と布(流し台下)でヤニをふき取る。

              <ハニカムボード>
              フレームだけスプレー洗浄液と布でヤニをふき取る。

              <集塵機>
              ふたの裏のヤニをスプレー洗浄液と布でふき取る。
            • レンズ掃除-3と同様の処理をしたwら、レンズをレンズカバーに戻し、レーザーカッターへ取り付ける。
              ※レンズカバーを裏返して紙上のレンズを覆い隠し、下の紙ごとひっくり返すをレンズを落としてしまうリスクが低くなる。
            • 素材がレールに激突するとレーン自体が歪んでしまい、パーツを総とっかえになります。
              そうすると数万円のパーツ代+修理人件費実費+修理作業時間も
              最低3時間以上かかるヘビーな修理になります。

            • 塩ビ素材を加工すると、塩素ガスが発生し、人体に影響があります。
              場合によっては、最悪死亡することも。
              また機械の寿命を著しく停止させます。
              万が一塩ビ加工が発覚した場合は、直ちに換気と報告をしてください。


              実は塩ビ素材のもの
              ・アクリル(塩ビシートのものが半分です。安価・薄いプラスチック板は塩ビの可能性が高いです。)
              ・カッティングシート(ほぼ塩ビです)

            • エアアシストなしで加工すると、レンズに直接煙が被り、レンズを傷つけます。
              かならずエアアシストをONにしてください。

              材質との相互上エアアシストをOFFで加工してみたい場合は、相談してください。

            • 加工中は絶対に目を離さない・離れない
              事前に消化剤の場所を把握しておきます。
              アメリカの大学内でレーザーカッターが原因で火事になったことがあります。


              薄い紙でもダンボールでも焦点合わせやパラメーターのミスで火がついてしまうので、
              目を離して加工するのは禁止です

            • レンズはもとよりミラーレンズの掃除を怠るとどんどん精度が落ちていき、ひどいことになっていく。
              レンズとレーザービームがどういう関係にあるのか、その仕組みを根本から学ぶ。


              また本体内部にたまったヤニは今後の精度に影響する、必ず毎回掃除する

          Add Card Order

          References

            Usages

              Project comments