きっかけ0僕は山形県鶴岡市に住む高校生です。僕の通う高校は鶴岡サイエンスパークの隣にあって、そこには慶應義塾大学先端生命科学研究所があります。この研究所を見学した時に3Dプリンタを初めて見て、これで何か面白いことができるんじゃないかなとワクワクしました。Add Annotation Order
研究所の特別研究生として活動開始!0そこで研究所で募集している高校生特別研究生に応募し、見事採用されました。ここでは3Dプリンタを使って、体長1mmにも満たないクマムシの3Dデータから手のひらサイズの模型を作ったりしていました。僕は小さいものを大きくするのもいいけど、大きいものを小さくするのも面白いんじゃないかと思いました。Add Annotation Order
系統樹を3Dプリンタで作ってみよう!0生き物で考えてみましたが、いいものが思いつきませんでした。そこで、イメージを膨らませてスケールが大きいものを考えてみました。その結果、生命進化の系統樹なんかがぴったりだと思いました。Add Annotation Order
三次元の系統樹なんてない?0系統樹を自分で調べましたが、二次元で表現される系統樹は初心者の僕には分かりにくく感じました。また、研究所の人に聞いてみましたが三次元の系統樹は聞いたことがないと言われました。そこで、初心者にも分かりやすい三次元の系統樹を自分で考えて作ってみることにしました。Add Annotation Order
三次元系統樹の作り方!0三次元化するにあたって、まずは二次元の系統樹を参考にしました。生命の起源である赤い矢印の部分を三次元系統樹の根っことして、そこから真下に引っ張ってくとうまく表現ができると思いました。Add Annotation Order
二次元系統樹を作った!0最初に、自分と近いチンパンジーやゴリラなどを含む霊長目の二次元系統樹を作りました。系統樹はそれぞれの種がもつ遺伝子の塩基配列情報(ATGCの並び)を比べて作ります。今回は苦味を感じる遺伝子(TAS2R16)を用いました。作成過程は以下の通りです。①「GENETYX Ver.11」というソフトを使い配列ファイルを作る。②そのファイルをもとにアライメント(配列を揃える)する。③近隣結合法(Neighbor Joining Method:NJ法)を使い霊長目の系統樹を作成する。Add Annotation Order
立体模型を作った!0次に、作成した系統樹を立体化するソフトはない(今後自分で作成予定)ので、今回は手作業で立体化しました。まず、二次元の系統樹を印刷して切り取り、ザルの上にのせ系統樹の枝を鎖で作り三次元で表しました。これをもとにして針金で三次元系統樹の立体模型を作成しました。Add Annotation Order
3Dプリンタで三次元系統樹を作った!0立体模型をもとにして、iPadアプリ「Putty3D」を使い、三次元データを作成しました。それをSTL形式で出力し、スライサーソフト「Cura」で変換し、3Dプリンタ「Urtimaker3」で三次元系統樹を作成しました。初めて3Dプリンタで作ったので、だんだんと出来上がっていく姿にワクワクしました。作ってみて感じたこと0今回は試作なので手のひらサイズにしましたが、子供にも触ってもらうことを考えるともう少し大きく頑丈なものにしていきたいです。Add Annotation Order
記念撮影!0最後に作ったものたちを集めて記念撮影をしました。ゴリラなどのフィギュアは、ネットで見つけた「マニアックな霊長目セット」です。子供たちに説明するときに使おうと思います。3Dプリンタは二次元のものを三次元にできるすごい機械です。子供は実際に手で触れることで学習していきます。なので3Dプリンタで三次元にし触ることで系統樹を理解していけると確信しています。これを初等教育で活かせば、サイエンスが身近に感じられるまちづくりになっていくと思います。作成データは公開予定0僕の高校にも3Dプリンタが導入され、今後は小中学校にもどんどん導入されていくと思います。それぞれの学校でこの公開された作成データをもとに三次元系統樹を3Dプリントし、教育活動に利用してもらえたらいいなと思います。世界中で使ってもらえることを夢見て!Add Annotation Order
作成データは公開予定0僕の高校にも3Dプリンタが導入され、今後は小中学校にもどんどん導入されていくと思います。それぞれの学校でこの公開された作成データをもとに三次元系統樹を3Dプリントし、教育活動に利用してもらえたらいいなと思います。世界中で使ってもらえることを夢見て!
おまけ0iPadアプリ「Blocks」で三次元系統樹を作成し(アプリ内で公開済み)、AR(拡張現実)で出力し写真を撮影しました。こちらも友達にはなかなか好評でした。3Dプリンタも普及はしてきていますが、一家に一台までとはいかないのが現状です。そこでARも併用することで、いつでもどこでも三次元系統樹に触れてもらいたいです(実際はさわれないですけど)。Add Annotation Order
謝辞と参考文献0本研究を支援して下さいました慶應義塾大学先端生命科学研究所 富樫貴さん、Josephine Galiponさんをはじめとする多くの方々に感謝申し上げます。またこのような素晴らしい研究の場を与えて下さいました冨田勝所長に厚く感謝申し上げます。以下は参考文献です。門田和雄(2015) 「門田先生の3Dプリンタ入門」田中浩也(2014) 「SFを実現する 3Dプリンタの想像力」公益財団法人 日本モンキーセンター(2018)「霊長類図鑑」 Add Annotation Order
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