去年の秋からこの夏まで、僕は自分でメッシュミキサーやスカルプとリスなどのソフトを使ってモデルを作ってみたり、イベントでいろいろな3Dデータや3Dデータの模型を見たり、シンギバースからデータをダウンロードしたりしていました。いろいろ見たり試したりしたので、去年よりも実物に近くてきれいな模型が作れたと思います。
去年の秋に比べて一番進歩したなと自分で思った事は、メッシュミキサーなどの使い方に慣れてきたということです。
維管束の形を模型にする事を、最初は簡単だと考えていました。でも去年の秋にとってもとっても長い時間がかかりくじけそうになってあきらめかけたこともありました。3Dプリンタを貸して下さっていたファブラボ太宰府のスタッフの方やそこで作業されていたお客さんに励まされ、なんとか作り上げました。
去年は初めて3Dデータで模型を作れた事がうれしくて、もう一度データを見直して、おかしいところがあっても最後までやり直す気がわきませんでした。
「ここをこうしたら、もっといいのにな」と思いながらもとりあえず完成させて終わってしまいました。だけど、その後にパソコンで世界中の色々なデータを見ていると、すごい作品ばかりで「僕ももう一度作ってみよう」という気持ちになってきました。
インターネットでもイベントでもみんなコメントを書いたりアンケートがあったりしていて、そのコメントやアンケートに書いてもらった事をもとに作り直していることを知りました。
一度だけ作り上げるのではなく、ずっとずっとつきつめて行ったら終わりがないくらい1つの事を深めてよりよくしていくように工夫を重ねているのだとわかり、僕はまだまだなんだなと思います。
今年の夏に作った模型は去年よりとてもよくなったと自分では思ったけれど、細かく見ていけばまだまだ直さないといけない点はいくつもあります。
果実の皮や実の部分の厚さをもっと本物に近づけたり、維管束の厚さや大きさもきちんと実物から測って作る方がよかったと思います。種の大きさもざっくり作ってしまったけれど、実際は厚みも大きさも様々で、形も膨らんでいる所もつぶれている所もあります。 中心にある黒い種とヘタの近くにある白っぽい種では、種の厚さも違います。
塗装の仕方ももっと本物に近づける塗装ができたと思います。
このようにつきつめていくと、次々に改良した方がよい点が見つかってきて、とてもこの夏には仕上げられる物ではないくらい時間がかかりそうでした。
でも何かを作るということは、こういうふうにずっとやり直しや工夫を繰り返していくことなのかなと思いました。
テレビで見た家具職人の方が「日本の職人は最後まで手を抜かずに作り上げる」「使う人のためにできることを考えて全力で作る」と話されていました。
僕はこの言葉にとても感動したし、元気をもらいました。 昔から手を抜かず全力で物作りをしてきた日本人の魂を僕も受け継いで、世の中に役立つ何かを作っていける人に僕もなりたいです。
僕の維管束の模型はまだまだ完全な完成ではないから、また新しい情報や技術を学んでから時間をかけ、これからもっとよくしていきます。
3Dデータとスイカの維管束の模型を作ることで多くの気づきや目標ができ、チャレンジしてみて本当によかったと思いました。
そして最後に3Dデータを作ることを続けられたのは、多くのアイデアや支えそして励ましがあったからだと思います。僕と似たことをしていた人がいたから、僕も刺激を受けて頑張る事ができました。
先生方やイベントで会った方、そして会ったことはないけれどインターネットに情報やテクニックをのせて下さった方、シンギバースにため息がでるくらいすごいデータを作ってのせている世界中の方々、全ての出会いがあって今日ここに模型ができているのだと感謝しています。
本当にありがとうございました。