FUJI MOCK 輪切り木材を使った壁掛け時計

Created Date: 2017-03-27/ updated date: 2017-04-01
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Summary
FUJI MOCK FESで手に入れた輪切り木材を使って、壁掛け時計を製作しました。敢えて木の根本付近の歪な断面をした部分を活用することで、木の個性を残せるよう意識しました。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        •  FUJIMOCK FES 富士山セッションの中で私が頂いた木材の中で、根っこ近くから切り出した輪切り材がお気に入りです。キレイに丸い輪切り材とは違い、なんとなく木の個性を感じます。このような材料は、あまりホームセンターではお目にかかれません。
           この形状を活かした作品づくりをしたいと思ったのと、ちょうど自分の部屋の壁掛け時計が壊れ始めていた時期だったため、この輪切り木材を文字盤にして壁掛け時計を新たに製作することにしました。
            • 輪切り木材
            • 生地
            • 掛け時計用ムーブメント/針キット(セイジ : http://www.sjc-yokohama.co.jp/filename2.html)
            • のり(木工用ボンド)
            •  富士山セッションでGetした材料はチェーンソーから切り出したままなので、断面がゴツゴツと歪な状態でした。製材セッションに参加できなかったため、自分でCNCを使って平面だしをします。
              •  サンダーと紙やすりで、基準とする面を削り、できるだけ平面に近付くよう揃えます。ある程度ゴツゴツが残っていても問題ありません。手でヤスリがけしても勿論OKですが、結構大変です。
                 サンダーは、Fab施設や、ホームセンターの加工工房・工具のレンタルサービルを利用すれば、買う必要はありません。

              •   CNCのステージに木材を固定して、上面全体にエンドミルを書けて平面状に切削します。木材の固定は、木材の裏面とステージの間に両面テープを貼っています。
                表面の切削が終わったら、木材をステージから剥がし、裏面を同じ手順でエンドミルで切削します。こうすれば、互いに並行な表裏面を形成します。
              •  本記事では、CNC加工に「ShapeOko」を使用しました。ShapeOkoは、オープンソースのローコストCNCミリングマシンシリーズで、現在は第三世代のShapeOko3がCarbide 3D社によって製作・販売されているようです。
                 CAMはEaselというブラウザアプリ(?)を利用しました。ShapeOkoとの連携機能を持っていて、元材料と加工形状の寸法、エンドミルの種類を、すべてブラウザ上で簡単に設定し、ShapeOkoに転送することができます。細かな設定機能はありませんが、その分お手軽に切削加工することが可能です。ただし、インターネットに接続しなければ動作させることができません。
            •  ムーブメント固定スペースの確保と軽量化のために、木材の裏面中央部を中抜きします。意図する場所を正確に中抜きするためには、CNCに木材の形状を取り込み、材料の位置決めを慎重に切削を行っていきます。
              •  撮影した写真を、フォトレタッチソフトGIMPに取り込み、二値化処理をします。Colorsメニュー > Threshold で二値化の閾値を操作することができます。輪切り形状がはっきりする閾値を決めてOKします。
                 次に、Colors >Invertで色を反転し、輪切り形状の方が黒く表示されるよう変更します。この時点で、輪切り形状の細かいギザギザ部分や、周辺にある不要に黒い部分を消しゴムツール等で削除しておきます。
                 最後に、File > ExportでJPG等の画像データを作成しておきます。 
              •  Inkscapeを使って、前項で作成した画像データから輪郭のベクターデータを作成します。Inkscape上のFile > Importから、GIMPで作成した画像を読み込みます。その画像を選択した状態で、Path > Trace Bitmapを立ち上げて、トレース設定ウィンドウのOKボタンを押すと、黒い画像の輪郭からパスデータを作成します。画像データを削除してパスデータだけを残し、SVGファイルとして任意の場所に保存します。
                 なお、今回の輪切り木材には乾燥時に発生した大きな亀裂が入っていますが、切削には必要ないので、亀裂部分のパスをカットしています。
              •  CNC上にベニヤ等の捨て板を固定し、輪切り木材の位置決め用の刻印を切削しておきます。

                 Easelから輪郭パスのSVGファイルを読み込んで、パスの直径を実際の輪郭よりも20mm程度大きめに設定し、ワークエリアに配置します。パスのアウトラインに沿って捨て板を切削します。この切削痕を目印にして、輪切り木材を固定します。
                 なおこのとき、CNCのXY方向の原点位置を変更しないようにしておきます。
              •  Easel上の輪郭パスの上に、同じSVGファイルをインポートします。次のパスは実際に輪切り木材の中央を切削するデータなので、外径より小さな領域をFillで切削するよう設定します。今回、Fillのパス外径は実際の寸法よりも40mm程度小さく設定し、前項でパス切削したデータの内側に配置します。位置が決まったら、外径パスを削除しておきます。
              •  データに合わせて切削します。
                 加工原点は、先述の通り、XY軸の原点を変更せず、Z軸原点のみ輪切り木材の上面に変更します。
              •  捨て板用のベニヤから、切り抜いた輪切り材の中央部と同サイズの外径パスを切り出して、ムーブメントのブラケットにします。切り出した後、好きな布生地を接着してキレイな印象にします。接着には木工用ボンドを使うと簡単です。
                 生地を接着したブラケットパーツは、同じく木工用ボンドで輪切り材と固定します。
              • ブラケット板の中央に穴を開けて、ムーブメント本体の針軸を埋め込みます。
                最後に時針分針秒針の順にムーブメント本体へ嵌めます。
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