握力サポート 鉛筆ホルダー

Created Date: 2026-08-29/ updated date: 2026-09-08
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Summary
力や指先の力が低下した高齢者が、色鉛筆を使う際に筆圧が弱いために「薄くしか塗れない」という悩みから考案した自助具です。
指の窪みと適度な太さの柄により、指先の力が弱くても鉛筆を握りやすくしました。また、3つの指先の窪みに指を添えることで、鉛筆に力を伝えやすく、筆圧をかけやすい形状としています。色塗りなどの活動を、より楽しんでいただけるよう工夫しました。
一般的な鉛筆ホルダー(補助軸)は、鉛筆を差し込んだ後に軸を閉めて固定する必要があります。本品は、円柱状の穴に鉛筆を抜き差しするだけのシンプルな構造とし、握力が低下した方でも簡単に着脱できるようにしました。また、短くなった鉛筆にも対応しています。
ホルダー側面には磁石を内蔵。色鉛筆の場合は、ブリキ製ケースに取り付けて一緒に持ち運ぶことができます。鉛筆を装着した状態では、メモなどと一緒に冷蔵庫やホワイトボードに固定することもできます。
さらに、ホルダー端部の平坦なスペースには鉛筆で文字を書くことができます。色の識別が難しい方は色名を書いておくことで確認しやすくなり、鉛筆の場合は硬度などを記入することもできます。記入した文字は消しゴムで消して書き換えられます。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        Add Card Order

        References

          Usages

          • 1.通常の鉛筆を装着する場合

            装着時
            ① ホルダー後端の穴に、鉛筆の先端を差し込みます。
            ② 鉛筆を穴の奥まで入れにくい場合は、鉛筆の先端をホルダーに入れた状態でホルダーを縦に持ち、硬く安定したテーブルに鉛筆の後端を軽く当てながら、少しずつホルダーの奥まで差し込みます。
            ③ 鉛筆の先端がホルダー先端側の穴から出るまで差し込みます。
          • 2.握りにくいほど短くなった鉛筆の場合

            装着時
            ホルダー先端側の穴から、鉛筆の後端を差し込みます。(画像1.2枚目)
            取り外し時
            鉛筆をつまみ、ホルダー先端側の穴から取り出します。

            もし、鉛筆が短すぎる、または固定が強く取り出しにくい場合は、別の長い鉛筆をホルダー反対側の穴から差し込み、短い鉛筆を押し出してください。(画像3枚目)
          • 3.ホルダーの握り方

            ・磁石が2個埋め込まれている面を**表側(上側)**にします。
            ・表側先端にある2つの楕円形の窪みに、それぞれ親指と人差し指を合わせます。
            ・裏側先端の窪みに、中指の側面を当てます。
            ※ 左右どちらの手でも使用できます。
          • 4.ホルダーの活用のヒント

            ホルダーの活用方法
            ・色の識別が難しい場合は、ホルダーの端のスペースに装着した色鉛筆の色名を書いておくことで、どの色かすぐに確認できます。書いた文字は消しゴムで消して書き換えることもできます。(画像1枚目)
            ・色鉛筆のケースに取り付けて、一緒に持ち運ぶことができます。(画像3枚目)


          • 5.For Whom(対象者)

            余暇活動として塗り絵を日課としている施設利用者(85歳女性)
            ・車椅子使用
            ・居室から共用フロアまで車椅子を右上下肢で自力駆動して来られ、同じ趣味を持つ利用者らと一緒に塗り絵の作業をするのを日課とされている。
          • 6-1 Why(なぜ作成しようと思ったのか)

            対象の利用者から、「塗り絵が楽しみだけど、(手の)力が弱くて色が薄くなってしまうし、指が疲れるから完成まで時間が(他の利用者様よりも)かかってしまう」、「短くなった色鉛筆が使いづらい」との悩みを聞いたため。対象者は、塗り絵の際に利き手を使用しているものの、高齢によって握力が低下しており、実際に完成した作品の色は全体的に薄く、更に、毎回A4サイズ1枚の下絵を完成するまでに1週間以上の期間を要している状況があった。

          • 6-2 Why(なぜ作成しようと思ったのか)

             OTから対象者へ、周りの利用者と比べずに、ゆっくりと作品を仕上げればいいことを対象者に伝えたが、前月にスタッフから渡されたカレンダーの下絵が月内に完成しないままに翌月(当月)に至ってしまったり、季節や行事の下絵を塗り終えないまま季節を跨いだり、行事の日を過ぎてしまう事があることも、対象者が仕上がりの遅れを気にする要因となっていた。
          • 6-3 Why(なぜ作成しようと思ったのか)

            対象者の愛用されている24色の色鉛筆セットの中身を拝見すると、半分以上は5cmに満たないに短いものであった。→本来は鉛筆を使用する際に、第2指の第2・3関節の中央辺りで支えるべき鉛筆の後方部分がなく、第1~3指の先端だけの押さえでは鉛筆が安定しづらい。
             私自身も経験したことがあるこの「短い鉛筆問題」に対し、一般に、短い鉛筆を把持しやすくする鉛筆ホルダー(鉛筆補助軸)という文房具がある。手指の負担を減らしつつ作業効率を上げるために、これを対象の利用者へ貸し出して、しばらく使ってもらう事とした。
          • 数日間使用した利用者の評判は良く、これで課題は簡単に解決したかに思えた。しかし色鉛筆の交換や芯を削るたびにホルダーの先にある「ねじ」をしっかりと付け外しする必要がある行為は、ツルツルした真鍮の素材の影響もあって手指が滑りやすく、対象者自身の自力では困難であることが判明。対象者から「わざわざ毎回(付け外しの度に)職員さんを呼ぶのは申し訳ない」との意見が聞かれた。そこでOTは3Dプリンターを用いて高齢で握力が低下した利用者にとって、使い勝手がよい鉛筆ホルダーを製作できないか考えてみる事とした。

          Project comments