ひと夏のための扇子

Created Date: 2023-08-30/ updated date: 2023-08-31
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Summary
高齢者施設を利用する高齢者向けに、清潔かつ安全に使用できレクリエーションとしても楽しめる「生分解する扇子」の作成を目指しています。
Recipeには、プロジェクト始動からテストモデル作成までの手順を記録します。
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必要な材料や道具
・3Dプリントデータ
・3Dプリンタ
・生分解性プラスチック「FORZEAS™ 」を使用したフィラメント
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【記載必要事項】
■Title : ひと夏のための扇子
■For whom:対象者
 高齢者施設を利用する高齢者のうち、扇子やうちわを使い込む傾向のある方
■why:なぜ作ろうと思ったのか
  頻度高く使用する扇子の清潔さと安全性を「楽しく」キープしたい。
■How:どのように作成したか
 実際に現場で介助を行う介助者や生分解素材の専門家からのフィードバックをいただき、実際に使用できる形を目指す。
■Outcome : 対象者の何がどのように変化する道具なのか
 頻繁に触れる扇子をワンシーズンで作り変えることで、安全で衛生的な生活につながる。
 新しい素材を使ったワクワクするレクリエーションで、心の健康につながる。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 生分解性プラスチックは、普段よく見るプラスチックとは違い、微生物の力で分解されるプラスチックです。 そんな生分解性プラスチック「FORZEAS™」(フォゼアス)を使用したフィラメントの存在を聞き、「身体の変化に合わせて作り変える必要のある自助具を、生分解する素材で作れたら地球に優しいのでは?」というアイデアのタネが生まれました。
          • 4人の介助者に集まっていただき、生分解性プラスチックを自助具に使える場面がありそうか議論し、アイデアを一緒に出し合いました。 様々なアイデアが出ましたが、最終的にトライアルするアイデアを2つに絞り込みました。 話し合いの結果、生分解性プラスチックの環境に優しい点を活かして「清潔さを保つために、一定期間で作り変えられると良いもの」であることが共通するポイントとなりました。もう一つのアイデア「ピルミル付き服薬補助具」はこちら
            • 介助者の皆さんからお聞きした介助現場の心配事のうち、2つに着目しました。 1つめは、ものを長く使う傾向にある高齢者には、使い込んで不衛生だったり破損した危険な状態になっても使い続けてしまう方がいること。 2つめは、冷房の苦手な高齢者には、猛暑の中でも冷房をつけない方がいることです。 ひと夏ごとに交換して清潔さを保てる扇子があれば、冷房を使いたくない高齢者でも清潔かつ安全に涼を取れるのではないかと考えました。 土中の微生物の力で分解される生分解性プラスチックなら、夏の終わりに扇子に花や野菜の種を入れて花壇に埋めるレクリエーションも実施できそうです。
          • 未来をつくるkaigoカフェの皆さまに、ヒアリングとアイデア出しでご協力いただきました。 未来をつくるkaigoカフェは、原則として月1回、都内のカフェで開催しています。 毎回介護医療等に関するテーマをもとに、ゲストの方にお話を伺ったり、参加者でグループワークを行ったりと、多職種がつながり、多くの学びと気づきの得られる「対話の場」です。(WEBサイトより抜粋)
            (ご紹介は順不同)
            • 介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員。大学卒業後、介護の道へ。介護業界での対話の場の必要性を感じ、平成24年よりケアマネジャーとして勤務しながら「未来をつくるkaigoカフェ」をスタート。介護関係者のみならず多職種を交えた活動にはこれまで3万人以上が参加。通常のカフェ開催の他、小中高への介護の出張授業、専門学校や大学でのキャリアアップ勉強会や講演、kaigoカフェファシリテーター講座を開催。ファシリテーター講座を通じて全国に50ほどのkaigoカフェが立ち上がる。現在は活動の枠を広げ、介護業界で働く人をつくる、育てるため、行政や企業との協業や介護事業者向けの人材開発の事業を行っている。
            • 1974年、沖縄県生まれ。 大学卒業後は不動産のコンサルティング会社に11年勤務。2012年2月、株式会社介護 コネクション設立。 介護の現場に入りながら、自身が大学進学に活用した新聞奨学生の経験から、新聞奨学制度の介護版「介護インターンシップ型自立支援プログラム『ミライ塾(現ミライ道場)』」を立ち上げ、経済的な理由で進学が困難な学生の進学支援に取り組む。
            • 1990年、東京都生まれ。介護福祉士。訪問介護9年目。幼少期から祖父母と密接に関わっていた経験から福祉職に興味があり、20代前半でデザイン職から介護の道へ転身。 現在介護福祉士として現場に従事しながら、業界を盛り上げるべく若者や他業種の方の興味に繋がる視点からYouTube「東京介護士の日常」にて自身のリアルを発信。
            • 介護福祉士として約4年半ほど特別養護老人ホームに勤務後、定期巡回随時対応型訪問介護看護に約1年勤務。現在埼玉県鶴ヶ島市内にある特別養護老人ホームのショートステイにてユニットリーダーを務める。
          • 介助者のみなさんとアイデアを出し合った「ひと夏のための扇子」のアイデアをまとめ、ラフスケッチを描きます。 ご協力いただいたみなさんへ共有し、誤っている箇所は指摘していただきました。
            • 扇子に持ちやすい持ち手がついた形状。夏の終わりには持ち手の一部に花や野菜などの種を入れて、土に埋めます。生分解性プラスチックは条件が揃えば土中で分解されるため、時間が経つと種が露出して芽吹き、自分の埋めた扇子から花が咲いたり、野菜ができるという新しい素材の驚きを体験できるレクリエーションを考えました。
          • ラフスケッチをもとに、3次元モデリングツールRhinoceros(ライノセラス)で3Dデータを作ります。今回は、3Dプリントだからこそできる造形を取り入れてみました。 この後、サイズ感など大まかな使い勝手を検証するための原理試作を繰り返し、徐々に細かな造形にしていく想定です。
            • 一度のプリントで全体の形が作れるので、細かい組み立ての作業が不要になります。 一体での成形を実現するため、構造の間のクリアランス(隙間)を多めにとり、誤差が出ても成立するシンプルな構造にしています。
            • 型で作ると分割が難しい複雑な形状も、3Dプリントなら可能です。 この特徴を活かして、より握りやすい持ち手を目指しています。
          • 関係者のスケジュールなどの関係で実質2週間程度の実行期間となり、初回試作までのトライアルとなりました。 今後も現場や専門家の意見を聞きながら試作を繰り返し、アジャイル開発を進めていく予定です。 農業分野などでは新しい社会課題解決に繋がりつつある生分解性プラスチック。 自助具分野でも、生分解性プラスチックはより暮らしやすい世の中を作る手助けになるのでしょうか。 今回のアイデアが評価いただけるようなら「FORZEAS™️」を扱う三菱ケミカルさんにプロトタイプ作成のご協力をお願いしてみようと考えています。
              1. 持ち手部分の持ちやすさ
              2. どのくらいの期間で生分解するか(使用時/土中)
              3. プラスチックを埋めた場所から芽が出るレクリエーションを高齢者に楽しんでいただけるか
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            • 注意事項:

              ①お持ちのフィラメントでプリントしていただけますが、テスト品のためうまく使用できないことがあります。②手に触れる部分は十分にヤスリがけをし、トゲが残らないよう注意した上で安全に気をつけて使用してください。③テスト品の使用による怪我・事故等の責任は負いかねますことをご了承ください。

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