手や指に障がいがあっても鳴らせるように(リングベル)

Created Date: 2025-07-06/ updated date: 2025-08-26
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Summary
パートナーの友人を通じて障害者支援施設利用者の音楽活動(音楽療法)のお手伝いをすることに。自分の役割としては3Ⅾプリンターを用いて楽器使用の補助具を製作(提案)すること。待ち望んでいた機会ですが、いきなりハードルが高い気もします。ここでは手持ちの鈴(リングベル)を持って鳴らせるような道具を作る、という作業に取り組みます。製作担当(わたくし)=佐賀県在住

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 施設に勤務されているPTのIさんにどういう方向性の自助具(補助具)を作っていけばいいのか、を確認するためにお話を、、、音楽療法(音楽に合わせて楽器演奏や歌等)の際に楽器を使うが楽器の保持が難しい人、長い時間(例えば1曲の間)は持ち続けられない人、腕を振っても鳴らすまではいかない人、参加人数が通常20人程度おられるのでその状態も色々(車いす使用されている方がほとんどでご自分の姿勢を保つことが難しい方も、、、)。楽器の種類としては色々なものがあるのですが一番とっつきやすいと思えるリングベルに絞って自助具を考えて提案することに。
          • 実際の音楽療法の現場を見学させてもらう。初めて障がい者施設にお邪魔して、広間で行われている音楽療法に参加、利用者(参加者)のみなさんがすごく積極的に音楽楽しんでおられるのが伝わってきて自分も何かしらお役に立つべく頑張らねば!と気持ち新たにする。そんな時間の中で観察していくとリングベルを持ってもすぐに落としてしまい、また持たせて、、、という感じの人がおられたり←ただ御本人たちが楽しんで活動されている様子が伝わってきます。
            • 見学後にリングベルをお借りして考えてみる。リングベルもメーカーの違いなどで形状が微妙に違います。今回はヤマハのリングベルで製作します。「持つ」ことが出来れば「振って」音を出す段階に行けるのでまずは「持つ」の実現。手に巻くベルトのようなものにリングベルを取り付けること出来ないか
              とCADで書いてみる。出力するとまったく手にフィットせず、そこから寸法調整しながら出力するの繰り返し、
              そうしているうちに輪っか状の物だけではフィットしたとて最終的には動かしている間にずり落ちることになるとわかる。サポーターのような形も考えたがガチガチにしたくなかったのとフィットさせる為の時間がかかるので除外しました。
              • 体に取り付ける道具になるので極端な拘束やがんじがらめなものは作らないように。
                今回一番気をつけたことです。しっかりとした固定と窮屈な構造はイコールになりがちなので、なるべくそうならないように考えていきました。本当に実現できているかはわかりませんが。
            • 手からずり落ちてしまうのを防ぐためにどうすればいいか?困ったときの100均ブラブラ、、、
              ふと目に留まったのはゴムベルト、サイズも肌触りも長さも色々ありますね。見た中に柔らかめの手首を2周巻けるぐらいの長さのもの、手首1周分ぐらいのもの(どちらもマジックテープ式)。
              とりあえずどちらも購入。
              自分の手首に巻きつけながら考えていく。
              • 3Ⅾプリントでリングベルの固定具作ってそれを100均ベルトで手首(持ち手)に。
                このイメージでCAD図作成→プリント→寸法調整→CAD図修正→プリント→形状修正→プリント、、、、
                10回ほどの形状修正(寸法調整)を経てとりあえず出来ました。

            • 先述の100均ベルトを使った補助具は好評ではあったけれど装着(特にベルトの締め方)が解り辛く面倒だなぁと感じていたので、TPUでベルト状のものを作って補助具にはめ込み式で取りつけられるようにして、ずり落ち防止に短いベルトで手首に固定。少し自由度が下がる方向になりあまり評判?はよくないような。
              • 今回、対象人数が約20名ほど。その中には補助具がいらないかもしれない人もいれば、製作した補助具が役に立たない人もいるかも、、、なので湧いてきたイメージはとりあえず形にして触ってもらうことに。
                写真はグリップを持つ感じだとどうだろうと作りました。1枚目のものは強く振ると外れそうな気がします。実際使ってもらうと好んで握る方もおられました。
                • キープできる手の角度(楽器の持ち方)が人それぞれなので、同じ道具ではあるけれど手に対しての楽器の角度を変えて出力することに。意外と好評でした。
                  • 利用者の中には指2本だけは握れる(または3本)人もおられて。逆に全体で掴むのは難しかったり。
                    今まで作ったものは全体で握る形だったが、逆に3本しか使えないようにしてみようと製作開始。
                    リングベルの輪っかの中に指2本用のブラケット?を仕込み、それだけでは不安定なので手前側に親指用のブラケットを単独で追加。指の形状、サイズで微調整必要になるがひとまず形になりました。
                    • 考えていく中で、そして音楽療法の現場に参加して見渡してみるとリングベル持てずにいる方も。
                      ただ指の障害で(リングベルを)持てないけれど手を動かすことは出来る、、、
                      提案したのは机にリングベルを固定して鳴らせる道具。
                      市販の押しバネを仕込んで押さえる動作で鳴らす仕組みです。
                      改善の余地はかなりありそうですが、これはこれでありなのかも。
                      机の固定は安直に両面テープで考えました。
                    • 色々作ってみましたがトライ&エラー&トライ、、、と繰り返して、少しづつ役に立つ道具に近づいている感触はあるのでこれからも継続してこの活動やっていきたいと思っています。今度は違う楽器であったり違う対象者であったり。今回の自助具もまだまだ完全な形にはなってないですし、色んな人たちと協力しながら少しでももっといいものにしていけたらいいなと思います。
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