背景0私は幼いころから生き物や自然が好きであったため、父親と様々な場所へフィールドワークに出向いた。特に釣り好きな父親と共に釣りへ行くことも多く、この経験から海の環境問題について考えるきっかけとなった。Add Annotation Order
海洋ゴミとの出会い0最初のきっかけは、父親と初めての船釣りであった。父親を含めた大人たちは釣りをするポイントに着くなり海へ潜り始め、海中で何かの作業を行っていた。その作業こそが釣りによって出た海洋ゴミの回収であった。数時間が経過すると持ってきていたカゴの中には錆びて塗装が剥がれたルアーや、錘などがパンパンに入っていた。その量を見た私はとても驚いた事を今でも鮮明に覚えている。FAB 3D CONTEST 2022への参加理由0私は今まで、ルアー自作するなどの活動も行ったが、海中ゴミを実際に減らすような活動に取り組んだ経験が無かった。しかし、『脱プラスチックへの挑戦。持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』という本に出会いさまざまな現状課題、アプローチ手法を学ぶ事ができた。特に海の浄化ビジネスが印象的であった。これは海に存在する太平洋ゴミベルトというプラスチックゴミで形成された島のような物があり、それをどうにか回収しようとしている試みだった。私はこの挑戦を知り、身近な私から発信できるような解決方法を作りたいと思い、参加を決意した。Add Annotation Order
FAB 3D CONTEST 2022への参加理由0私は今まで、ルアー自作するなどの活動も行ったが、海中ゴミを実際に減らすような活動に取り組んだ経験が無かった。しかし、『脱プラスチックへの挑戦。持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』という本に出会いさまざまな現状課題、アプローチ手法を学ぶ事ができた。特に海の浄化ビジネスが印象的であった。これは海に存在する太平洋ゴミベルトというプラスチックゴミで形成された島のような物があり、それをどうにか回収しようとしている試みだった。私はこの挑戦を知り、身近な私から発信できるような解決方法を作りたいと思い、参加を決意した。
構想を練る0今回私が考えないといけないアイデアの条件は1.他の人が真似をしたくなるような方法。2.3Dプリンターの強みを生かす。3.環境への負荷をできうる限り減らす。この三つが必要不可欠だ1.他の人が真似をしたくなるような方法。0これは現実的に軽減していけるようにするためである。今回考えたアイデアをそれで終わりにするのではなく、私以外の釣り人にも活用してみたい!と思わせることが大切であると考えるからだ。2.3Dプリンターの強みを生かす。0私が考える3Dプリンターの強みは単品を早く製作する事が出来る事だ。量産には不向きであるが、個人でモデリングなどで作成した形をすぐに形にできる特性を活かしたい。3.環境への負荷をできうる限り減らす。0今回提供いただいたフィラメントの様に自然に還る素材をできるだけ使って作る事が大事だしかし、自然に還る素材は扱いにくい物も多いので広めていけるようにある程度は妥協しないといけない。しかし、全て還る素材で作る事が理想Add Annotation Order
1.他の人が真似をしたくなるような方法。0これは現実的に軽減していけるようにするためである。今回考えたアイデアをそれで終わりにするのではなく、私以外の釣り人にも活用してみたい!と思わせることが大切であると考えるからだ。
3.環境への負荷をできうる限り減らす。0今回提供いただいたフィラメントの様に自然に還る素材をできるだけ使って作る事が大事だしかし、自然に還る素材は扱いにくい物も多いので広めていけるようにある程度は妥協しないといけない。しかし、全て還る素材で作る事が理想
作品の方針を決める0この上の条件を満たすもので、尚且つ海に大きなダメージを与えているものを考えると私はルアーを作成するのがいいと考えた。ルアーは本当に様々な形と種類があり、3Dプリンターを活かした自分だけのルアーを作成できる事は釣り人にとってとても大きな魅力だ。そして、ルアーは素材としてとても多くプラスチックを使う。また、錘には多くの場合鉛を使用するため環境へのダメージは高い。これを解決することができれば大きく軽減できるはずだ。また、私は過去に木材を削りルアーを作成したことがあり、その時に教えていただいたルアー作りの知識を活用できるのではないかと考えた。フィラメント探し0今回提供いただいたフィラメントは、ホームコンポストでの分解可能な生分解性樹脂であったので海の中で還る事が難しい。なので私は海洋生分解のフィラメントを入手し、使用することに決めた。今回の頂いたフィラメントの提供元である三菱ケミカル株式会社様にも海洋生分解のフィラメントが存在したので購入できないかをお願いしたが、難しいとの返答を頂いたので、今回は、エヌシーアイ販売株式会社様が販売していた海洋中で分解可能な酢酸セルロース樹脂フィラメントを購入させてもらった。Add Annotation Order
フィラメント探し0今回提供いただいたフィラメントは、ホームコンポストでの分解可能な生分解性樹脂であったので海の中で還る事が難しい。なので私は海洋生分解のフィラメントを入手し、使用することに決めた。今回の頂いたフィラメントの提供元である三菱ケミカル株式会社様にも海洋生分解のフィラメントが存在したので購入できないかをお願いしたが、難しいとの返答を頂いたので、今回は、エヌシーアイ販売株式会社様が販売していた海洋中で分解可能な酢酸セルロース樹脂フィラメントを購入させてもらった。
ルアーのアイデアを練る0ルアーは沢山の種類があるが、それはすべて何かの魚を釣るためにデザインやサイズが特化したものである。まず狙う魚を選んでいく事にした。調査0私の家の近くで釣れる魚を調べると、主にシーバス(スズキ)、アジが今の10月から11月の中旬は良く釣れることがわかった。シーバスはルアー釣りでの人気も高く、アジもルアーで釣ることがあるため今回のターゲットに最適だと考え目標にすることにした。どんな形が良いか0まず、イメージを掴みモデリングしやすいようにするためにスケッチブックに描くことにした。私が好きな魚であるハゼと販売されているルアーのDavinci 190をモデルに描いた二種類を試作品として作成することに決めた。モデリング0スケッチブックに描いたことで頭の中のイメージはスッキリしていたので、すぐに3Dモデリングに取り掛かった。今回はfusion 360を利用した。ハゼをモデルにしたルアーはパーツが三つに分かれていることから胴体のパーツを付け替えることでカスタムができるように胴を二種類作成した。Davinci 190をモデルにした方は尾ひれにあたる部分を上か下どちらかにつけるかを最後まで決められなかったので、出力後に決めることにした。Add Annotation Order
調査0私の家の近くで釣れる魚を調べると、主にシーバス(スズキ)、アジが今の10月から11月の中旬は良く釣れることがわかった。シーバスはルアー釣りでの人気も高く、アジもルアーで釣ることがあるため今回のターゲットに最適だと考え目標にすることにした。
どんな形が良いか0まず、イメージを掴みモデリングしやすいようにするためにスケッチブックに描くことにした。私が好きな魚であるハゼと販売されているルアーのDavinci 190をモデルに描いた二種類を試作品として作成することに決めた。
モデリング0スケッチブックに描いたことで頭の中のイメージはスッキリしていたので、すぐに3Dモデリングに取り掛かった。今回はfusion 360を利用した。ハゼをモデルにしたルアーはパーツが三つに分かれていることから胴体のパーツを付け替えることでカスタムができるように胴を二種類作成した。Davinci 190をモデルにした方は尾ひれにあたる部分を上か下どちらかにつけるかを最後まで決められなかったので、出力後に決めることにした。
試作品1号を出力0実際にプリントをした。3DプリンターはEngineer Cafeを利用した。注文した海洋生分解フィラメントが届くまで時間がかかったので、最初に提供されたフィラメントを利用した。特殊なフィラメントを利用するのは初めてだったが、Engineer Cafeの鈴谷さんからの助言により、最初から想像より上手くできた。組み立て0接続部まで3Dプリンターで作成することも考えたが、耐久性に問題があるので、ヒートンと銅線を利用し、組み立てを行った。また、このままの真っ白いボディでは魚に対するアピール力が足りないと考え、色が派手なフィルムクッションを巻き付けた。Add Annotation Order
組み立て0接続部まで3Dプリンターで作成することも考えたが、耐久性に問題があるので、ヒートンと銅線を利用し、組み立てを行った。また、このままの真っ白いボディでは魚に対するアピール力が足りないと考え、色が派手なフィルムクッションを巻き付けた。
試作品1号を実際に使用する0朝マズメと言われる時間に家の近くである新千鳥橋近くへ行った。朝マズメとは、夜が明けて日が昇りきるまでの薄暗い時間帯を指し、私は今回4時頃に釣りを始めた。釣果0当たりはあるものの、1匹も釣れず日が昇った。Add Annotation Order
使用した結果からの改善案を考える0何故釣れなかったのかを考えるとやはりルアーのサイズが小さすぎた事とアピール力が足りない事が原因だと考えた。また、ルアーを投げる際にルアー自体の重量が軽すぎるため、ルアーが遠くまで飛ばない事があった。Add Annotation Order
試作品2号をモデリングする0前回の反省を生かし、サイズを大きく。尚且つ前回のルアーは接続部分が糸や海藻に引っかかるだけで、良い効果が見られなかったので無くした。また、今回はアジをモデルに二つ目のルアーを作成した。Add Annotation Order
試作品2号を出力0海洋生分解フィラメントが届いたので使っていく。設定に苦戦したが、7回目のチャンレンジで上手く出力できた。前回の重量が足りない部分には出力中に予めモデリングの時に空間を開けて置いた箇所に鉄製の玉を入れ重量を上げた。組み立て0利用したフィラメントが透明だったのでアピール力を伸ばすことに力を入れながら完成させた。アジをモデルにしたルアーはラメが入った段ボールが有ったのでそれを貼り付けることにした。Add Annotation Order
試作品2号を実際に使用する0同じ時間に同じ場所で釣りを開始。今回は友人を誘い作成した二種類のルアーを使ってもらった釣果0驚くことに今回はどんどん魚が釣れた。特にアジをモデルにした方のルアーには小型ながらもシーバスも食いつき、釣ることができた。最終的にアジ39匹、シーバス7匹の合計46匹を釣り上げることに成功。アジに関しては、最大18センチを釣り上げることができた。Add Annotation Order
釣果0驚くことに今回はどんどん魚が釣れた。特にアジをモデルにした方のルアーには小型ながらもシーバスも食いつき、釣ることができた。最終的にアジ39匹、シーバス7匹の合計46匹を釣り上げることに成功。アジに関しては、最大18センチを釣り上げることができた。
調理0釣り上げた魚は友人と半分に分け、持ち帰った。釣りの成功を他の友人に伝えると是非食べたいと言われ、急遽振る舞うことになり、シーバスの塩焼きを作った。友人は美味しいと喜んでくれたAdd Annotation Order
今後の改善点と構想0今回初めて3Dプリンターを利用した自然の還る優しいルアーを作成した。結果として大成功であったがいくつかの課題が残った。①ルアーの耐久度②アピール力を他の材料に頼らないといけない部分、③重量に起因する使いづらさなど、まだ改善の余地がある。また、今回釣り場には私たち以外にも釣り人が居たがほぼ全員がサビキ釣りと言われる方法を利用していたので、次回はサビキ釣り用の釣り具を3Dプリンターで作成したいと考えている(考えるだけでは収まらなかったのでモデルのみ最後に作成した。)最終的に目指したいゴール0私はルアーを海洋生分解フィラメントを使い環境に配慮したが、まだ釣りには糸、錘、ウキなどの環境に高い負荷をかける物が多い。現在の一般の方が触れる機会のある3Dプリンタブルな材料は糸や錘などを作れるような性質は持っていないので新しいマテリアルの開発を行っていき、いつかすべての物を3Dプリンターで手軽に誰でも作成できるように研究をしていきたいと今回のコンテストを通じて強く決意した。Add Annotation Order
最終的に目指したいゴール0私はルアーを海洋生分解フィラメントを使い環境に配慮したが、まだ釣りには糸、錘、ウキなどの環境に高い負荷をかける物が多い。現在の一般の方が触れる機会のある3Dプリンタブルな材料は糸や錘などを作れるような性質は持っていないので新しいマテリアルの開発を行っていき、いつかすべての物を3Dプリンターで手軽に誰でも作成できるように研究をしていきたいと今回のコンテストを通じて強く決意した。
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