FABRIALでの3Dプリント

Created Date: 2015-10-16/ updated date: 2018-03-13
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    このページは、JSR株式会社のエラストマーフィラメント「FABRIAL-R」の使い方について説明しているページです。
    このページの情報の多くはあくまで個人の検証による経験値に基づくものなので、身体もしくは機械の安全を保証することは出来かねます。このページの記載事項を実行する場合はあくまで自己責任でお願い致します。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • FABRIAL-Rは通常のPLAフィラメントと大きく違います。
            各項目に関して項目ごとに説明していきますが、
            ひとまずここに重要なことだけ書いておきます。

            ・押し出し(Extrude)しないままホットエンドを長時間加熱しない
            ・ヘッドは高速で動かさない(プリント速度を遅くする)
            ・細長い形状を縦方向に出す場合は必ずサポートを付ける
            ・フィラメントの出が悪くなったと感じたら、すぐに出力を止め温度をOFFにして、詰まった場合の対処方法を確認する

            FABRIAL-Rは、性質を理解しいくつかの点に注意すれば、非常にユニークな性質や感触のものを作ることが出来ます。みなさんの3Dプリントの可能性が広がれば幸いです。
            • まず、3Dプリントが可能な環境を揃えます。
              といっても、私の使っている環境を記載するだけなので、
              あくまで一例として参考にして下さい。
              • ムトーエンジニアリングのMF-1000を使っています。
                必ずしもこれである必要はないと思いますが、
                冷却機能分解のし易さ、そしてFABRIAL-Rはその柔らかさ故にローラーからホットエンドまでの間に空間があると曲がってしまうので、ガイドが必要になってくるのですがそのガイドの取り付けのし易さの点からエラストマーのプリントに適していると思います。
              • MF-1000もそのままではローラーとホットエンドの間でフィラメントがたわんでプリント出来ないので、専用のガイドをPLA等で出力する必要があります。
                以下の2つのSTLファイル(JSR社製作・提供)をプリントし、画像のように取り付けることでフィラメントがたわまずにホットエンドに送り込まれるようになります。
                FABRIAL出力用ガイドA(MF-1000)
                FABRIAL出力用ガイドB(MF-1000)

              • FABRIALのフィラメントのカートリッジは通常のPLA用のものより穴が小さいため、別途棒材(約15mm)を用意し、図のように取り付けます。
                カートリッジが引っかからずに回転してきちんとフィラメントがエクストルーダに送り込めれば良いので、他に良い方法があれば好きなように取り付けて下さい。
              • スライサーに関してはSlic3rのバージョン1.2.8、プリンタのドライバに関してはPronterfaceを使用しています。
                ドライバはともかく、スライサーに関してはソフトウェア固有の設定値がありますので、後述するスライサー設定を使う場合はSlic3rを使用して下さい。
            • 工程ごとに注意事項を記載する前に、分かった性質をここにまとめておきます。
              自分で設定値などを調節する際や失敗の原因を考える際はここを参考にして下さい。
              • 冒頭にも書きましたが、FABRIAL-Rは加熱を続けると膨張し体積が増えるようです。
                そのためフィラメントがホットエンドに充填された状態で、押し出しをせずに高温(溶融温度である140℃)で放置するとホットエンド内で膨張し、詰まりの原因になる可能性があります。
                フィラメントを送りつづけることでノズルの先から押し出され続け、詰まることなく流れ続けていくと考えられます。
                ちなみにフィラメント送りをやめてもノズルの先端からフィラメントが出続けるのはそのためだと思われます。
              • 設定値の部分で記載しますが、FABRIAL-Rの溶融温度は140℃です。
                溶融温度が低いため、出力工程はもちろん出力したモデルもそこまでの高温には耐えることが出来ません。逆にある程度の寒冷環境であれば耐久性はあるそうです。
                PLAの溶融温度である160℃などで熱しすぎると黄色く変色し、性質が変わってしまって詰まりの原因になります。気をつけましょう。
              • エラストマー特有の性質です。
                粘度が高いため、以下の現象がプリント中に起こる可能性があります。

                ・ブリッジ等をプリントする場合や隙間が空いた場合、空宙に出力されたフィラメントはそのまま伸びず、ノズルの先でダマになって次の着地点に引っかかる

                ・小さく急な切り返しをした場合、定着しきっていないストランドがノズルに引っ張られ、剥がれたものがノズルに巻き込まれダマになってしまう

                ・とても小さく精密な(特に鋭角を多く含む)形状をプリントしようとした場合、粘度と溶解により再現性が低くなる可能性がある

                いずれもモデリング・スライスの時点で解消しなければならない問題ですので、念頭に入れておきましょう。
              • 言わずもがなですが、プリント時にもこの特性は大きく影響してきます。
                その柔らかさ故にノズルがモデルに接触した際にモデルがたわんでしまったり(位置がずれるのでモデルの精度が落ちる原因になります)、モデルの下部が細い場合やノズルの先端がモデルに埋まってしまいモデルがノズルにくっついてしまった場合にはモデルがベッドから剥がれることすらあります。
                ただ、出力モデルのサイズや底面積に関わらず簡単にベッドから外せるのは非常に楽です。
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