Digital Fabrication SFC 2015-未完のキャンパスを彩る-

Created Date: 2015-06-22/ updated date: 2018-03-13
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    Summary
    慶應SFC2015年度のデジタルファブリケーションの授業では、今後2年間大学で実際に使われるランプシェードの作成が最終課題となった。植物をモチーフにアイデアを展開し、ランプシェードのデザインに挑戦した。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • 1.どこでそのモチーフを手に入れましたか?
            -辻堂のテラスモール湘南で購入しました。
            -蜜柑を使おうというアイデアは、SBCの”未完”という言葉から着想しました。発端はダシャレですが、手でいじることの多い果物である蜜柑を発想の種に、ランプシェードを目指したいと思いました。

            2.そのモチーフの何が魅力的だと感じましたか?
            -オレンジという照明を思わせる色と、丸い形が魅力的でした。

            3.どの特徴/要素をランプシェードに応用したいですか?
            -凸凹した表皮は、ランプの光を柔らかにするのではないかとおもい、活かしたいです。
            -剥くことができるという特徴もマテリアルに反映したいところです。


            • モチーフに選んだミカンが、どのような特徴があるのかを考えることで、ランプシェードの形のイメージ、造形方法、狙いたい表現を発想しました。

              ミカンを見つめる中で、
              -外皮の質感
              -小さなパーツで構成されていること(実、実の細胞ひとつひとつ)
              -皮の凹凸
              などの特徴を抽出し、そこからどのような造形が可能かを考えました。
              小さいパーツから成り立っているということよりも、ミカンの全体的な雰囲気を表現した皮をつくる方が良いというフィードバックから、一点もののミカンの造形を目指しまsつ。
              • 生物には数学的な法則性などデジタルファブリーケーションと相性の良い性質が隠れているが、今回の自分の作品ではミカンの外見的特徴や、その表面的な成り立ち方に着目した。
            • 一点ものの皮をつくるということで、みかんを食べて、ひとつなぎの皮を改めて観察した。
              底でつながっており、球を形成していることから、
              -皮の写真を画像とレースし、
              -適当な紙に印刷した↑で紙をカットし、
              -それらを球状に組み立てる
              ことを試みた。しかし、球の展開図を平面に落とした際の誤差でうまく球が形成できなかった。

              • 「おゆまるなどで型取りをしてはどうか」というコメントを基に、おゆまるの代わりになるpla-friend にて型の作成を試みました。
                しかし、型は形作れても、紙を形になじませることができず、型取りの手法は現実的では無いと断念しました。
                • 満足に皮の成形ができない上、良い方法も思い日が続いたため、紙の造形の奥の手「揉み」の手法を試みました。紙はオレンジ色模造紙を用いて、白熱電球のソケットを購入した上でランプの「感じ」を試しました。
                  大きな紙を①揉みくちゃにして、②広げる作業を繰り返すと、通常の模造紙にも和紙のようなテクスチャが現れます。シワのついた紙を球状に束ねることでランプシェードに見立てました。
                  見た目状はうまく言っているように見えますが、そのままでは手法が面白みにかけており、あまり展開が見られないと思われたため、「揉み」の手法は断念しました。
                  • 『デザイナーのための「折り」のテクニック』の中では、「揉み」に章を割いての解説が行われています。適切な素材を選べば、揉みによって多様な形が生み出せるようです。
                • スタディー①で試した、皮を縫う手法を展開させて、球の展開図を縫い合わせることでミカンの球状を再現することにしました。
                  球をつくる前に小さいパーツを印刷・カットし、縫い試しを行いました。
                  縫い方は、本返し縫い(バックステッチ)で縫ったため、紙同士の結合は非常に強固になりました。強度が試されるランプシェードとしてふさわしい造形手法と考えて採用した次第です。
                  • 球を8分割にしたパーツを本返し縫いで縫い合わせることで球状を再現しました。
                    素材には光が透ける特性を活かしてタントセレクト-3の白色紙を用いました。ヴィヴェールPのオレンジもミカンの皮の再現のために補助的に用いました。非常に強固に縫ったため、手にも支障が出てしまいました。縫い合わせた紙は自立しづらいため、ワイヤーを入れました。
                    1.直径36cmの球の展開図を作成します。
                    2.8分割した際の一つ当たりのレンズ型の型紙をつくります。
                    3.型紙に縫い代をとって、紙を切り抜きます。
                    4.それぞれのパーツを縫い合わせます。
                    5.強度を増すためにワイヤーをいれます。
                    6.写真のような形状になっていきます。
                    • 「縫い目が内側に入って見えないこと」が試作のもったいない点として指摘され、
                      -ラグビーボールや靴紐のように縫い目を見せること
                      -縫うための穴には補強する材を貼ると作業が丁寧であること
                      をメインのフィードバックとしてもらいました。
                      素材などを見なおしつつ、構想をまとめて、
                      -紙に縫うための穴をあらかじめ開けること
                      -穴はアクリルやPPシートなどで補強すること
                      -縫い目は靴紐の縫い方を参考にすること
                      を決めて、最後の調整に入りました。
                      • 直径32cmの球を8等分したレンズ型に、縫うための穴を33箇所あけ、その穴を補強するためのパーツを作成しました。
                        [素材]
                        紙:タントセレクト-3、タントセレクト-6、ヴィヴェールP
                        PPシート(0.75mm)
                        刺繍糸(ステッチ用)

                        1.レンズ型に4mmの穴を目分量で配置して、レーザーカッターで紙を切り出しました。
                        2.PPシートからは4mmの穴を補強するドーナツ型を無数に切り出しました。
                        3.紙に、PPシートからつくったパーツを接着剤でとめました。
                        4.図のように互い違いに靴紐のような縫い方をしていきます。
                        • PPシートが熱で反りやすいため、大きい素材を買ってきても小さくカットして、少量ずつカットする方が結果的に効率よくレーザーカットができました。
                      • これまでの過程のように縫い合わせて球をつくったところで電球と接続する治具をランプシェードと針金でつなぎ、球のそこは、レザックろうけつ紙で閉じました。
                        形を整えると、ミカンのランプシェードの完成です。
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                        References

                          Usages

                          • どんな場所もミカン色!

                            ミカンのランプをつくってみましたが、電球が暖色だと、白い紙がオレンジ色に光って正にミカンそのもの。
                            オールシーズン、広い部屋の寂しいところに吊り下げるところで部屋を賑やかしてくれるでしょう。ハロウィンにはかぼちゃと間違われることもあるかもしれません。

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