Technoclassic

Created Date: 2018-10-08/ updated date: 2018-10-17
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Summary
ど素人高校生の3Dプリントやセンサー、電子回路、プログラミングなどのハイテクノロジー技術と昔ながら調律に用いられてきた音叉を楽器として融合させる試み。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • まず最初にテーマと応募者へのメッセージを読み、
          遥か昔から音楽が存在したという言葉から、インスピレーションを受け
          最先端テクノロジーと昔ながらの温かみのある音を融合させようと考えた。
          そこでまず、私が作りたい楽器の要素を書き出してみた。
          • 昔ながらのものを用いた楽器
          • ただの音ではなくしっかりと音階を出すことが可能で、「音楽」が奏でられる楽器
          • 自分で弾いている感覚がある楽器
          • FAB技術を用いた最先端の楽器

          • 自分の要素を見ながらどんな楽器を作ったら自分はワクワクするのだろうかと考えた。
            私は教会で聞くパイプオルガンのような心が安らぐ金属音が好きだ。サウンドヒーリングという癒しの音楽を奏でられたら素敵だなと考えた。
            昔ながらのもので、音階があって、心が安らぐ音が奏でられるもの…
            あるじゃないか!
            音叉が!!
            理科の音の共鳴の実験や音楽部がチューニングに使ってる音叉も金属で出来ていて響きが良くて心が安らぐし、音階もある。尚且つ調べてみると音叉の歴史は長く1700年代から存在していたのだ。これを使って楽器を作りたい!
            しかし、音叉を用いるだけでは自分で弾いている感覚と、FAB技術を用いるという自分の要素が含まれない


          • 音叉は何か硬いもので叩かなくてはいい音がしない。
            棒で叩くのでは面白くない、自分で引く感覚も欲しい...
            自分の手をスキャンし3Dプリントした物が動き音叉を叩けばまるで自分が音叉を引いている感覚も得られる!!
            3Dプリントした手は、皮膚よりも硬い物質なので音叉を鳴らす事ができると私は考えた。これは実際の手では難しい。また、片手で音叉を支え、片手で音叉を叩くとなると多くの音階は使えないがプリントした手だと可能なところも手をプリントする良い点だと考えている。
            ここで私が考えた理想形態は
            リアルの自分が手を動かすとそれに連動し、3Dプリントの私の手が動き音叉を叩き音楽を自由に奏でることができるというものだ!!



        • 私が最初に取り組んだのは手を3Dプリントすることだ。
          これは私個人の技量では難しかったため、
          世田谷ものづくり学校にあるFabLab Setagaya at IIDさんにご協力いただいた。
          最初にとりかかったのが私の手をスキャンすることだ。
          これが相当難しい

          • まず最初に試みたスキャンの方法はSenceという機械を使った撮影だ。
            この機材には悪戦苦闘させられた。この機械は、計測中に少し手がずれるとすぐにエラーを起こし撮影が中断される上、撮りたい私の手以外の机や体などの背景まで読み取ってしまうのだ。何回も何回も試したが、手と呼べるようなものはスキャンできなかったので断念した。
          • 次に試みて見たものは、I Senceという、①で試みたI SenceのiPadバージョンのものだこのスキャナーはSenceに比べて精密さは多少落ちるが背景の写りが少なくブレが少ないものだ。しかしこの機械に変えても尚、私の手をスキャンすることは難しかった。
          • 最後に試した機械は、EinScan-sという機械だ。この機械は本来、オブジェクトを固定した上で台が回転し、スキャンするというものだったので、手を正確にスキャンするには手を切り落とすしかないが、もちろんそんなことはできず、回転台を使わず自分で手を30度づつ回転させては静止しながら撮影した。しかし、この方法も軸がずれてしまうため、難しく、スキャンの結果は手であることはわかるがプリントできる制度ではなかった。
          • 様々な方法で私の手をスキャンすることを試みたが全て失敗。このことをFabLab職員の方に相談したところ、以前FabLabに勤めていた職員の方が全身のスキャンをしたことがあるという話を伺った。そこで私はそのスキャンデータの手の部分だけをいただき、私自身の手に似せて加工した。
            それに加え、音叉とぶつけたときにより良い音を鳴らすため指先にビー玉を埋め込むアイディアを思いついた。スキャンをプリントする前に3Dプリントならではの強みである自由な修正機能を使って、ビー玉にフィットする「くぼみ」を図面に書き加えた!
          • 想像以上に自分の手にそっくりでくぼみまで綺麗にできでいてとてもFabulousだと感じた!くぼみの少し出っ張って出てきたものはやすりをかけビー玉をはめ込むことに成功した。
            これを用いていい音楽を生み出したい。
        • これからのレポートには多くの部品が登場する。よって、よりわかりやすく読んでいただくために部品一覧を作った。
          • 私は最先端技術に関する知識が豊かなわけではないので簡単なものを作りどんどんグレードアップさせることでどんどんハイテクなものにするという方法をとることにした。
            もちろん、私が見据える最終目標は誰も見たことのない音叉とハイテクノロジーが融合した楽器だ。
            • 複数の指を操作するために複雑な機構が必要だ。いろいろな難しい機構の解説サイトを見ても(参考にしたWEBサイトはmemoに記載)基本何が何だか理解に困った。しかし、共通して用いているベーシックなものがあった。それこそが私が一番最初に取り掛かった一番シンプルな回路、電池、ブレッドボード、タクトスイッチ、ソレノイドを用いた機構だ。
              ネットを参考にして、一番単純な機構を見よう見まねで作るとちゃんとそソレノイドのバネが上下に運動し少し感動した。
            • Arduinoという情報処理システムで一つのタクトスイッチをONにした時にソレノイドが動くプログラムを作成した。ArduinoはIoTを担う、便利な小型のボード型マイコンの1つで、アナログ信号とデジタル信号のやり取りを制御出来るので、一度基本的な仕組みがわかると、応用が利きやすい。しかし、基本的なプログラムの作成方法や、ボードへの書き込み方法、配線の方法、動作確認の方法などが一通りわかる様になるまで、配線間違いや接触不良の連続で、プログラミングにおいてもシリアル通信のアドレス指定ができていなかったりなど大変だった。以下、段階的に作成していったプログラムの全文はそれぞれ、順にmemoに書きこむ。
            • 次に、五本指に対応するように五個のソレノイドを動かせるような機構へのアップグレードを試みた。
              元々の機構にArduinoを追加してタクトスイッチも4個追加した。電圧の差によって動くソレノイドを判断させ5つのソレノイドを自由に動かせるように試みた。ところがソレノイドが一切動かなかった。原因を追求した結果、抵抗値が良くないのかあるいは、電圧がおかしいことがわかり、コンピューターから電力をとっている事が関係するのかと、電池で電力を取って試してもうまくいかず、キチンと電圧の計算をしてみなければならないと思い、ひとまずは断念した。
            • タクトスイッチの電圧差の機構は難しかったので超音波センサのオンオフの信号処理をArduino UNOに任せソレノイドを動かしてみることにした。
              ネットのいろいろなサイトを熟読し総合的にいいなと思うところを組み合わせてやってみたところ見事動作に成功した。
              しかしこれらの作業を行なっている最中に心地の良い楽器を目指しているのに超音波を出して計測というのは気持ち悪いなと思っていた。
            • 最終目標は自分の手を動かしたときに3Dプリントした手が動くことなのでそれには指の曲げ伸ばしに反応するセンサが必要だった。調べて見ると曲げ伸ばしセンサというものが見つかった。曲げ度が計測できるセンサだ。これを用いて曲げ度の値をそれぞれのソレノイドに対応させてみた。しかし、曲げ度は実際に自分の手を止めなくてはならず小刻みに値を設定してしまうと難しいものがあった。曲げセンサ一つでの実用化は難点が多いように見受けられる。
            • 以前の超音波センサと似た光センサにも挑戦した。超音波センサの超音波の部分が光に変わったものなので超音波センサよりは苦戦せずに出来た。初期段階ではこちらを使いたいと思う。
          • 実際に3Dプリントした手と音叉を使うには手を指ごとに切り分けなくならない。しかし、私としてはとてもFabulousな手が出来たので切るのは勿体無いなぁと考えた。
            • 3Dプリントの手を切り分けたくないとなるとどうやって音を鳴らすのか今までは、手を動かして音叉にぶつけると言う発想だったが逆に音叉を手に当てればいいのではないだろうかと考えた。せっかく、3Dプリントの手を切らないのならできるでけ手をFABulousに見せたい。最初のアイデアは、手のひらを下に向けるというものだったが、手を上に向けるほうが、3Dでプリントした手のFABulousな質感や、FABulousな曲線を見せる事ができ、よりFABulousだと考えた。
            • 3Dプリントの手を立てるなら音叉も立てる必要がある。そこで音叉を立てた状況で保持するホルダーを考えた。ビー玉に当てるには音叉を回す必要もある。レゴを使って作ってイメージしてみた。ソレノイドが動くと音叉が回るようにしたいので、ソレノイドで音叉を回せるように音叉に取り付けるバーも考えた。音叉は叩いた後に、ビー玉が音叉に触れたままでは振動を妨げるため音が消えてしまう。ぶつかった後、跳ね返らなくてはならない。そのためソレノイドをぶつけるバーにバネをつけることを考えた。バネを取り付ければ、元に戻ろうとする力が働くので、叩いた後にすぐに離れるのではと考えたからだ。ソレノイド台も考えた。
            • FUSION360というアプリを用いて、先ほど考えたものを実際に設計した。音叉のホルダーには、音叉を円滑に回す為、ベアリングを取り付けたいと考えたのでベアリング用のくぼみを作った。また小さいものをプリントするのは初めてだったので音叉のホルダーの中央部の柱が細すぎて折れないか心配だった。その為太さを変えた3パターンを用意した。できるだけ細いほうがソレノイドが叩き音叉を回すバーの可動範囲が増え音叉を回しやすいと考えた。ソレノイドは動くので強く固定しなくてはならない。ソレノイドをネジで固定する為のネジ穴もFUSIONで設計した。小さく複雑な変更も、すぐにできることが3Dプリントの素晴らしい点だ。
            • 音叉ホルダーは失敗するのは怖かったが可動域を広げたほうが作品がうまく行くと思い、柱が一番細いものを出力した。FabLabさんで出力したがかなりうまくいった。音叉のホルダーは想定よりも穴が狭くうまくベアリングがはまらなかったのでヤスリで削り調整してベアリングをはめ込んだ。
          • 以前はタクトスイッチの増加に失敗し、最終形態の時に使用するセンサ等を模索していた。しかし、タクトスイッチの増加が成功していれば、自分がどの音を鳴らしているかがより単純に理解でき演奏しやすい。なのでタクトスイッチを増やし機能させる事に再び力を入れた。
            • 前回、各タクトスイッチ毎に配分する抵抗値をキチンと見積もらずに動作が不安定になった事が判明した。前回の時点ではプログラミングや抵抗値などを考える知識がなかったため断念していたが、プログラミングをするうちにそれらのことに対する知識も微力ながらつける事ができたので取り組んでみた。今回は、前回と同じことにならぬ様、事前にきちんと電圧値が適切な配分となる様に抵抗値を割り振った。
            • また、何度もタクトスイッチをON/OFFさせる際に接触不良で動作が不安定にならないようにハンダ付けした。その結果、安定した動作が実現した。しかし、1番と7番のスイッチは動作しなくなった。おそらく、アナログ電圧を変換するときに最低電圧の0V付近と最大電圧計の5V付近は不安定になってしまうのかも知れない。しかし、たまたま5音階しか使わないで音楽を奏でる予定なので、提出期限までの時間が厳しいこともあり、ひとまずのところはこれで良しとした。
          • この段階まで準備が整ったので試しに音を鳴らしてみようと試みた。
            • 音を鳴らしてみると音叉が安定して立たなかった。ソレノイドが叩くとぐらついてしまう。音叉の棒の下でビニールのテーブルクロスとの間の摩擦があるので板を敷いたりしてみたが、回転運動で出る音は直接ソレノイドで音叉を叩くのと比べるとかなり小さい。出来るだけ音を大きくする工夫をして、最終的には微調整を進めて、改良することにした。
            • 最初のソレノイドはArduino の出力が5Vなので、外部電源が必要ないと考えソレノイドも5Vのものを選んだが、想定よりも力が弱く、ストロークが短くて位置決め調整が難しかった。(回転軸にできるだけ近づけて押し出す必要があるので尚更)その為外部電池が必要になるがパワーが強く、リーチを伸ばせる6Vのソレノイドに変更した。
            • 音叉が床面に当る部分を観察してみると音叉の底がくぼんでしまっているためにスムーズに回転しにくいのではないかと考えた。そこで、くぼみにダイヤ型のスワロスキービーズを取り付けるた。この結果、先端がポイントとなりそこを中心に回す事が可能になり安定感も増した。
          • 作品として成り立たせようと考えたときに足りないものがいくつか出てきた。
            • 音出し調整がmm単位の微妙な調整となることがわかったこともあり、安定動作させるためには、どうしてもしっかりとした土台が必要と考えた。そこで、ラックを作ってそこにアルミの板を敷いた。音叉の取手部を回転させる時にアルミ板の上であればより摩擦が少ないという効果も期待している。
            • 手を上向きに立てるとぐらつきが生じてしまう。それを回避するめには安定させるか底をやすって平らにする必要がある。試しに底をやすってみたが気の遠くなる様な作業でとても終わる気がしなかった。そのため、安定させる方向に考えをシフトした。しかしせっかく、見た目がFABulousなことにこだわり手を縦向きにしたのに安定させるとなると多くの方法は見た目のFABulousさを消してしまう。そこで私が考えたのは、乾燥すると固まる紙粘土で手の底と台をくっつけるという手法だ。これがかなりうまくいった。
            • 6Vソレノイドの先端部は3mmのネジを取り付けられる構造のものがあったので、それを選んだことで、スプリングジョイントが取付けられる様になった。この長所を生かせるようにネジ穴や固定用フック機構などを試せるように何種類かの接続が可能なバーを再設計した。また、ロッド長をのばして音叉により近い付近をソレノイドで叩くとが可能になったことや、バネを追加せずにスプリングジョイントを使えばよくなったので、無駄な横幅は回転の邪魔になると考えて全長を短くした。

            • 手とソレノイドを台に固定しないと安定した音を奏でられないので、台に手とソレノイドを固定した。固定をする際にソレノイドの先と、音叉とソレノイドを繋ぐバーの先を結び付けられる位置に固定した。これにより、自分の演奏とほとんど誤差なく音叉を演奏できる。実は、音叉とソレノイドを繋ぐバーに結びつけられるような引っ掛けられるところがついていたのはこれを想定していたのだ。
            • あとは、台の下の段に回路とArduino、電池を配置しタクトスイッチと、Arduinoそれからソレノイドと音叉を繋げ、演奏可能な状態に!!
            • タクトスイッチだと、どのボタンがなんの音階なのかわかりにくいと私は考えた。そこで、「光センサを用いてみた」の項で研究していた光センサをタクトスイッチの代わりにとりつけ、音階をよりわかりやすく演奏できるように改良した。
          • ドレミファソラシドの音名表記を英語にするとCDEFGABCになる。FAB 3D CADとは、全て音階に存在するアルファベットではないかということに気づき、これらを利用して、FAB 3D CADを音楽にしてみたら、今回のテーマに沿っていて面白く、さらにとてもFabulous なのではないか!!と考えた。3DはDDDで表現した。FABDDDCADつまりファラシレレレドラレで演奏しようと考えたが音楽的に尻切れトンボな未完成曲になるので、最後にFを足してFABDDDCADF(abulous)としてファラシレレレドラレファで音楽を奏でた。本当は動画の一番最後の手演奏の音を奏でるイメージだったのだが...
            • このプロジェクトを始めからずっと一貫してクラシックと最先端テクノロジーの融合した荘厳な音楽を奏でるとうたってきたが実際に完成してみると...子供用のおもちゃのピアノみたいになってしまった。
          • ワイヤレス化までは至らなかったが、実際に理想型と考えている指を切った機構の、中指だけのバージョンを作成してしてみた。
            • 音叉の音を活かしきれていない理由にはビー玉が関係があると考えていた。そして、理想形に近い演奏をビー玉を付けない3Dプリントした中指のみで演奏してみたところ、ビー玉を付けた時よりもいい音がした感じがした。このことから私は、音叉の音を活かすには、叩くものの重さや材質が関係しているのではないかという発想を得ていくつかの材質と重さのものを音叉に打つけてみた。そのようにして、振動を音叉によりよく伝える為に、音叉の振動の仕方を調べた結果、音叉の半分程度の重さだと良いように感じられた。また、硬い材質のものだと音叉が傷むので、同じアルミか、それよりも柔らかいアクリルなどを調べると良いと思った。
            • ソレノイドを動かす設定をもう少しすばやくさせて、演奏テンポを良くしたい。
            • 機械音が大きすぎて、音叉の響きを邪魔する点を改良したい。
             →音叉を回転させるのなら、モーターを使えば機械音が抑えられる。
            • 音の響きが、本来の音叉の叩いた時より劣っている。
             → 指先にビー玉をつけたのが響かなかった理由の一つではないだろうか。なぜこのように考えたかといえば動画の最後の良い響きの演奏は木の棒を使っていたからだ。アルミやアクリルでも良い音が出た。また、叩く際のパワーも関係していると考える。共鳴箱を作成すればFABulousな音になるのではないかとも考えている。

            • これからは、3Dプリントした手が一本一本自分の手と連動して動き、動画の一番最後の響きをこの機構で奏でる事ができるFABulousな楽器を作りたい。その為には、現在光センサを用いているところを曲げセンサに変更し、その曲げセンサーを自分の5本指に取り付けワイヤレス化する。指を曲げたら曲げセンサがどの指を曲げたか感知し、その情報をBluetoothで飛ばし、3Dプリントした対応する指が動くような仕組みにしたい。今後は3Dプリントした指をFABulousに切り分け、更に、共鳴箱を使ってよりFABulousな音をつくり上げたい。さらにネットに繋げば世界中でこの楽器の同時演奏も可能になるのも魅力だ。

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