[FAB 3D CONTEST 2018] カテゴリー5応募作品:ワールドチャレンジ号

Created Date: 2018-10-11/ updated date: 2018-11-04
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Summary
FAB 3D CONTEST 2018 カテゴリー5:3Dプリントエッグドロップパッケージ 応募作品
実戦大会の最高17mをクリアすることが目標。
また、この挑戦を通して3Dプリンターを使えるようになることも目標とする。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 2018/8/8~
          Maker Faire Tokyo 2018のプレゼンテーションでコンテストを知り、参加を決める。
          3Dプリンターを使ったことがないため、とりあえず厚紙とコピー用紙で試作機を作る。過去大会について調べず作り始める。

          3Dプリンターの利用については、近隣のファブ施設へ見学に行く(西千葉工作室カインズ工房)、3DCADソフト「FUSION360」(AUTODESK)をダウンロードするなど準備を始める。
          • 回転翼を持ち、テーパーのついた円筒上部に卵を入れる形にする。イメージは大きな竹とんぼ。
            寸法:回転翼直径 650mm、高さ 420mm
            パーソナル3Dプリンターで作れるか考慮していなかったため、かなり大きい。
          • 着地時の衝撃力を最小にするため、
            1)翼によって揚力を発生させ、落下速度を低下させる
            2)落下中に、位置エネルギーを回転の運動エネルギーとして消費する
            3)地面衝突時、テーパー筒の中を卵がスライドし衝突時間を引き延ばす

          • ●1号機
            怖いので卵を入れず落下させる。機体が逆さになったうえ、風にあおられて上手く回転しない。壊れる。
            ●2号機
            最下端におもりを付けて重心位置を下げ、姿勢を維持できるか検討。1号機より良好。しかし、壊れる。
            ●3号機
            2号機の改良機。回転しやすくするため慣性モーメントを考慮し、羽の枚数を削減、回転翼の直径を小さくするなど検討。ゆで卵で試験して成功。しかし、回転翼がもげる。
        • 2018/9/8~
          3Dプリンターで製作可能な形状について検討を始める。

          6号機で初めて3Dプリンターを使ってみるが、フィラメントがノズルに詰まって途中で失敗。プリントに時間がかかること、プリントしにくい形状など実際に使ってみると学ぶことが多い。面白い。

          気軽に行ける距離にファブ施設がないため、その後も紙で試作を続ける。
          • パーソナル3Dプリンターで作れるよう機体を小型化していく。回転翼を一体化して、一度にプリント出来かつ強度向上を狙った形へ変更。9号機の回転翼はポンプの羽根車をイメージ。
            寸法:4号機回転翼直径 240mm、高さ 240mm  9号機回転翼直径 120mm、高さ 120mm
          • 重心位置が移動すると落下時の機体の姿勢が不安定になるため、卵がテーパー筒の中をスライドする案はやめる。落下姿勢安定のため、卵は出来るだけ円筒下部にセットし重心を下げることにする。
          • ●4号機
            回転翼を一体化した機体で、回転良好かつ姿勢安定。羽根の強度も向上。ゆで卵で成功。
            ●5号機
            4号機を小型化する。回転翼直径165mm。ゆで卵で成功。
            ●6号機
            3Dプリンターでの製作に失敗したため、再度紙で製作。5号機よりさらに小型化。回転翼直径120mm。ゆで卵で成功。
            ●7号機、8号機
            さらなる小型化を目指すが、落下試験不成功。形状も複雑になるため、小型化検討はここで終了とする。
            ●9号機
            6号機の後継機。3Dプリンターで作りやすいよう、ポンプ羽根車のような羽根に変更、回転翼の上反角も無くしてみる。上反角なしでも姿勢安定、重心位置の方が姿勢安定性に影響大と理解する。ゆで卵で成功。
        • 2018/9/16~
          10号機にして初めて3Dプリンターで作った機体が完成する。しかし、落下試験不成功。

          ここからは、落下試験不成功の度に3Dプリンターで作った機体を切って紙でつないで改造し試験、その後再度ファブ施設で改良機をプリントするのを繰り返す。紙だけでの試作も継続。
          3Dプリンターを使える時間が限られているので、思ったように進まない。プリント途中での失敗も多い。3Dプリンターといえども、ボタン一つでモノは出来ないことを痛感。
          • 基本形状は紙で作った9号機を踏襲する。試験を重ね、細部形状を詰めていくことにする。
            3Dプリンターで製作時のフィラメント材質は、PLAもしくはABS。

          • 1)樹脂(PLA、ABS)の特徴を落下試験から把握する。結果によって、材質変更検討する。
            2)紙製では紙が潰れたり伸びたりすることで衝撃力を吸収していた面がある。樹脂では地面と衝突する先端部と卵接触面の衝撃吸収機構検討が必要になる。
            3)回転翼による揚力発生を期待していたが、思うような効果が出ない。10号機の羽根を切除して(円盤部分は残す)、落下試験をするが成功。落下時間も差異なし。揚力を発生させられる翼の設計は困難が予想され、また羽根を無くすと製作時間短縮にもなるため、11号機より羽根なしとする。(円盤部の空気抵抗による速度低下のみを狙う)上反角の有無については、姿勢の安定性を見て再度検討する。
          • ●10号機
            材質ABS。製作時間短縮のため胴体を短くしたら、重心位置が高くなり失敗。傾いたまま落下し、卵上部にストッパーもなかったため、着地後に卵が飛び出し割れる。紙で胴体を延ばして重心位置を下げると、ゆで卵で成功。さらに羽根を無くして円盤だけでの試験も行い、ゆで卵で成功。しかし、先端部がつぶれ、積層方向への割れも発生。先端部を保護するテーパーコーンを色々作ってみるが、うまくいかない。
            ●11号機
            材質PLA。卵押えを追加。落下試験不成功。先端部が積層方向に関係なく割れる。PLAは、脆いことが分かる。卵と機体胴体の接触角度も良くないらしく、ゆで卵の先端が引張りモードで破壊。(7枚目写真参照)

          • ●12号機
            紙製。卵を支持する機体傾斜部の角度を60°にする(11号機より大きくした)。殻にひびが入って試験不成功。傾斜部角度をもっと大きくして、卵先端にかかる引張り荷重をさらに小さくした方が良さそう。
            ●13号機
            紙製。卵を傾斜で支持するのではなく、穴あき円盤で支持する形に変更するも、円盤の強度不足で失敗。
            ●14号機
            PLA+紙製。プリント途中で失敗。紙を継ぎ足して試験する。卵を支持する部品を追加するが、思ったような弾力性が出ない。衝突先端部形状もテーパーコーンだけでなく、単純な円筒形などでも試験するが全て不成功。

          • ●15号機
            ABS+紙製。またプリント途中で失敗。悲しい。卵の支持については、12号機以前の単純な傾斜支持形に戻る。ただし、傾斜角度を75°に広げる。衝突先端部はテーパーコーン形にする。さらに衝突時スライド機構を設けて衝突時間を引き延し、衝撃力の減少を狙うことにする。ゆで卵で成功。

        • 2018/9/27~2018/10/16
          3Dプリンターを購入。そこで、TPUのフィラメントを試すことにする。(色:クリア)
          弾力があり、プリントも問題ない。これでうまくいきそうな気がする。
          しかし実際に使ってみると、着地後に大きく跳ねるなど、材質の弾性が悪影響を及ぼすことも分かった。

          • 15号機で試したスライド機構を詰めていくことにする。また、最終的には回転翼にもどすことになった。(これはジャイロ効果による姿勢安定を期待したもので、当初考えていた回転翼による揚力発生とは異なる。)
            プリントしやすいよう胴体と羽根車は別部品とした。
          • 1)衝撃力を低下させる効果的なスライド機構を検討する。
            2)卵支持部の形状を検討する。具体的には、卵の外殻に沿うような球面形状を作れないか検討する。
            3)地面と衝突する先端部のベストな形を検討する。(テーパー形以外の形状を検討する。)
          • ●16号機
            本体と翼は一体形でABS、スライド用外筒はTPU。本体胴体は0.4°のテーパー付で、スライドすると徐々にきつくなるよう設計。しかし、プリントしてみるとスライド部のはめあいが緩すぎる。とりあえず結束バンドで縛って固さを調整して試験。ゆで卵で成功。スライド量40mm。
            ●17号機
            本体はABS、翼とスライド用外筒はTPU(外筒は16号機のものを継続利用)。16号機のスライド部はめあいが緩すぎたので、本体を少し太くして作り直し。さらに卵の支持部品を追加。出来るだけ卵への力の伝わりを緩和するため、卵外殻に沿う球面形状にする。ゆで卵で成功。スライド量39mm。
          • ●18号機
            全てTPU。17号機を全てTPUで作ることにした(外筒は16号機のものを継続利用)。機体姿勢が不安定で、結果が安定しない。落下試験を繰り返した結果、卵上部のストッパー形状を変えたことで重心位置が上がり、姿勢不安定につながったことが分かる。スライド量24~55mm。(姿勢が安定しなかったため、結果にばらつきが出た。)また、落下試験に成功しても、着地後に大きく横へ跳んでしまうことがあった。(最初の着地時ではなく、その後の横跳ね後の着地で卵が割れて不成功になることもあった。)思ったほどスライド機構でエネルギーを消費できていないようで、材質の弾性が悪い方向に働いている。
          • ●19号機
            全てTPU。着地後の横跳ねを抑えるためスライド部のはめあいをきつくしてみる(本体直径+0.2mm)が、きつ過ぎるようでスライド量が減少。また、卵を支持する球面形状部分を胴体と分割にしていくつか比較検討できるようにしたが、どれも結果が良くない。卵の大きさにばらつきがあるので、下手をすると当たり方が悪くて卵が割れてしまうこともあった。重量増加にもつながるので、無い方が良いと結論付ける。衝突先端部については、これまでテーパーコーンにしていたのを球面に変更する。これにより着地後の横跳ねが少し改善した。(着地位置と機体重心位置のずれが小さくなり、モーメントが減少したためと考えられる)
          • ●20号機
            全てTPU。スライド部はめあいを18号機と同じに戻すなど、19号機を改良する。
            19号機の落下試験中に強風で姿勢が不安定になることがあった。機体を回転させた方が姿勢は安定すると考えられるため、以前の回転翼タイプに戻すことに決める。羽根の形状については複数の羽根車を作って比較。
            これまでの機体で最も落下試験の結果が良かった。ほぼ成功。ただし、着地後の横跳ねの問題は残る。
        • 20号機にしてようやく、安定して落下試験に成功する機体が出来た。
          ただし、着地後の跳ねについては抑えることが出来なかった。着地時の姿勢によっては横へ大きく跳ねてしまい、的から外れてしまう。この点が課題として残った。

          3Dプリンターの使い方については、この挑戦を通して習得できた。
          しかし、まさか自分で3Dプリンターを所有することになるとは思わなかった。今後は日常生活の中で気軽に使っていきたい。
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        References

          Usages

          • 使用方法

            ※落下試験動画を参照のこと

            1)「部品1:卵収納体」の外溝に「部品2:羽根車」をあらかじめはめておく。
            2)「部品1:卵収納体」の中に卵を入れる。卵は縦長方向、細い方が真下を向くようにする。
            3)卵の上から「部品3:卵保持具」を押し込み、卵が動かないようにセットする。
            4)卵をセットした「部品1:卵収納体」を「部品4:摩擦摺動式衝撃吸収筒」に挿入する。互いの胴体が30mmぐらいラップするようにする。深く押し込みすぎないこと。
            5)「部品1:卵収納体」の上部を持って落とす。「部品2:羽根車」を持たないよう注意。

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