#DF デジファブ靴の製作日記
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Summary
デジタルファブリケーションの授業で靴= "alt-primitive sandals" をつくります。
その製作日記。
その製作日記。
Materials
Tools
Blueprints
Making
- 想像以上に反発性ががあることに気づいたので、パターンをエクストルード - ワイヤーカット してインソールにしてみる。
- 実際にTPU素材でテストプリント。一度エクストルーダーが詰まったが、2度目でうまくいった。がしかし、スケールが小さいのもありなかなかに固く、インソールというよりむしろアウトソールに使えそうだった。
- パターンの数を少し減らし、アウトソールとしてもう一度プリント。プリンタを使用可能時間ほぼフル稼働させなんとか60%スケール。ほどよくクッション性がありなかなかにうまくいったが、前後で厚みを変えたり、なにより100%スケールにしたときに確実にプリンタの使用時間の壁にぶつかりそうである。
- コンセプトや実際の形などのアイディアを考えるサステイナブル的な方向性やスペキュラティブ的な方向性など様々なアイディアを考えた結果、自宅から出るゴミ、その中でもちょうどの時期にG20で議題にも上がっていた海洋ゴミ(プラスチック)に焦点をあてる。実際に自分が消費する大量のペットボトルのラベルを剥がし、あわせて加工することで靴のアッパーが作れるのではないか。参考:
- ペットボトルのラベルを使い足を覆う部分を作りたいと思いたち、何か良い方法がないかをリサーチする。熱湯やドライヤー、アイロンなどが加工に使えそう。とりあえず家にある大量のペットボトルからラベルを剥ぎ取る。
- 剥がしたラベルを集めて概観することで、ラベルの持つバーコードという特徴に興味がひかれる。バーコードを足にまとうことにどのような意味が持たせられるのだろうか。バーコードには様々な情報が詰まっている。例えば、個人にマイナンバー的にバーコードが与えられたとしたらどうだろうか。超監視社会下であらゆる方面から「自分」をセンシングされてしまうような未来を想定し、そこで「自分」以外の他者の情報を多数身につけることでカモフラージュするというようなものとか。
- 実際に熱を加えてみる。がしかし変わらない。おかしい。調べてみるとどうやら、ラベルには糊付けタイプと切り取り線タイプの2種類あるらしく、切り取り線の方でないと縮まらないようだ。シュリンクラベルと言うらしい、無念、集めたのはのり付タイプ。
- 熱で加工するのが難しそうなので、選択肢としては1.切り取り線タイプのラベルを集める2.糊付けタイプで試行錯誤するの2通り。とりあえず悔しいので2でいく。以前やったようなkurf bendingを使って曲面を作れないかと思ったが、そのためには大きなラベルが必要。しかしない、ので複数枚を接着する案がでた。たまたま持っていたアクリル樹脂用サンデーがラベルの素材であるポリスチレン(PS)を接着可なので使用できそう。
- PSをアクリサンデー(二塩化メチレン)で接着し、それをレーザーカットすることの安全性の調査をする。残念なことに、二塩化メチレンに熱を加えると有毒ガスが発生するっぽい。結果、ラベルのレーザーでの加工も断念。PSは熱可塑性樹脂なので、一回溶かして再成形できるかもと考えたが、射出成形というものが必要らしくこれまた断念。
- ひとまずソールの方を出力することにする。クッション性を出すメインパーツになるので厚みをとる。データは以前60%で出力したものの実寸。なんとSFCのメディアセンターの3Dプリンターを週末レンタルできるようになり歓喜。予想時間が1d41mで出力開始。
- 朝4時くらいに確認するも、残り0分でまだ動き続いている。その後さらに数時間待ち、30時間超えのプリントが無事成功。
- ひたすら待つ。終了時間は次の日の朝一時。定期的にフィラメントが詰まっていないか確認する。
- ミッドソールを保護するためのアウターソールをモデリングしてプリントする。形はソール底の曲面に合わせた、平でシンプルなもの。
- 30時間のプリントをエラーなしでやり遂げたmakerbotから、うまくフィラメントが出てこない。あるいは、出てきても玉になって失敗してしまう。3時間以上格闘した後、出力向きがポイントだと悟る。ミッドソールは両面が曲面だったので縦でプリントしたのに対し、アウターソールは片面が平らなので横向き(さらにラフトなし)で出力していた。そこでミッドソールと同じように出力する。本来サステイナブルなものであるはずのデジタルファブリケーションシステムの中で多くのゴミが出てしまい、複雑な心境になった。
- ようやくアウターソールの出力が終わる。なんだかんだ6時間くらいかかった。良い感じ。
- ペットボトルのラベルのレーザー問題を所属するものづくりコミュニティのヘルプで訪ねたところ、二塩化メチレンは揮発性が高くレーザー照射をしてもそれほど危険でないという事実を教えてもらった。そのため、ラベルにkurf bendingを施して成形するラベルをパーツごとに切り分け成形するラベルに折り線をつけ(レーザーあるいは3dプリンタ?)成形するの3通りの選択肢がでてきた。そこで、とりあえず今更ながらモデリングをしてみることにした。
- 前部分のパーツをつくったものの、プロポーションが悪いため形の修正を行う。
- まずは後ろ部分。おなじみpictureframeで写真配置、その後line、curveとpointonを駆使し輪郭を描く。その後edgesrfでサーフェス化。
- モデリングしたものをunrollsrfで展開し、ラベルをアクリサンデーで接着し作った正方形にレーザーで跡をつけ折りで形を整えようとするもなかなかうまくいかず断念。
- テスト的に、引き伸ばしてテープで止めたラベルの上に3dプリンタでプリントしてみた。比較的ガイドとなることがわかったため、意外と使えるかもしれない。
- 一旦インソールを、前回の知見を踏まえて縦にしてプリント。寝る前にスタートさせ、起きて確認すると薄すぎたため失敗した。新たな失敗材が出た。
- ラベル案があまりうまくいかないため、異なるアイディアについて考え方向転換を図る。デジタルファブリケーションが存在しつつも産業主導でない先住民的生活を営んでいる別の現在を想定し、オルタナティブな原始サンダルをつくる。即興で、必要最低限かつその場にある資源のみを用いることとし、メイン部であるソールをプリントする際に発生するラフトや破材だけを利用する。サンダルの歴史的にも、ローカルなマテリアルは重宝されていたようだ。
- 集められるだけ集めた使わなかった材料たちを使い、ベースとなるソールをもとにしてサンダルをつくっていく。
- 接着剤等は一切使わずに破材だけでつくる。ソールの穴を利用し、フィラメントごみを結ぶことでラフトを取り付け完成。
- もう片足をつくるため新たにソールを印刷する。
- まずアウトソールを印刷する。成功するも左右反転するのを忘れていた。
- 30時間かかる大物、ミッドソールを印刷する。が、何度やってもうまくかない。毎回フィラメントエラーが出てしまう。そしてギアのクリック音。調べてみたところ、エクストルーダに入っているフィラメントを送り出すためのギアがうまく噛み合ってないらしい。借り物だったので、修理はせず断念。
- 3dプリンタに頼れない今、いかにしてもう片足を作ろうかと考えた結果、ミッドソールなしで草履にできるのではというところに至る。左右反転していないアウトソールを利用し、既に制作していたサンダルのアウトソールと組み合わせて新たなソールを形成。そこに、余っていたラフトと今回新たに出たラフトを組み合わせ、それらをフィラメント詰まりで生み出されたごみで固定する。
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