スイカの維管束

Created Date: 2016-10-21/ updated date: 2016-10-28
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Summary
スイカを食べる時に、スイカの果肉をジッと見つめてみてください。
果肉の中に、「維管束」という筋が見えてきます。
この維管束は、丸いスイカの果肉の中で どんなふうに繋がっているのでしょうか?
いつもは果肉と一緒に食べている「維管束」の全体の形を確認するために、
3Dプリンタで維管束のモデルを作ってみようと思います。

Memo

Fab3Dコンテストにチャレンジしてみて

posted by HiraTakaHaru on October 26, 2016
ぼくは今回、このコンテストにチャレンジするまでは、3Dデータの作り方も、データのプリントの仕方も知りませんでした。
コンテストにチャレンジするのをきっかけに、スキャナの使い方、パソコンでの3Dデータの作り方、プリンタの仕方など、たくさんの事を新しく知ることができました。
とっても大変な作業だったけれど、自分で考えて作っていく事はとても楽しかったです。
色んなアイデアを考えて試したり、うまくいかなくても また工夫したり、その時は大変だったけれど、終わってみたら、「できた!」と思えて、とてもうれしかったです。
ファブラボ太宰府のえとうさんに 教えてもらったり、くじけそうな時にはげましてもらったり、ぼく一人だとできなかったから、えとうさんにたくさん助けてもらってできました。
えとうさん、本当にありがとうございました。
ファブラボ太宰府は、とっても楽しい場所です。色んな人が作りたい物を自分で作っていて、ぼくも参考にしたい物を作っている人がいると、その人の作業をじっと見てしまいます。ぼくが思いつかない事をしている人がたくさんいるから、新しくわかることがたくさんあって、とても楽しいです。

今回、3Dコンテストに参加するのに、もう一度スイカの維管束につて考える事から始めました。2年前の自分の自由研究を読み返して、やっぱりスイカの維管束を青い色水で染められなかった理由がわからなくて、くわしい人に聞いてみたいと思いました。
9月18日に飯塚市で「科学広場 2016」というイベントがありました。「筑豊博物研究会」のブースで、筑豊博物研究会の紹介と葉脈標本作りの体験があり、ぼくも参加しました。
そこにいらっしゃった筑豊博物研究会の会長の久保山雄二先生に、ぼくの自由研究で スイカが色水で染められなかった事を話しました。先生に「どうやったら、スイカの果肉の維管束を染められますか?」とききました。
先生は一緒に考えてくださって、ぼくにアドバイスをしてくださいました。
まず、スイカは90%以上が水分だから、スイカが小さいうちから青水をやって育てたらよいかもしれない。その時に、畑に植えず、鉢植えにしたほうがよいだろう。
スイカは熟すと、水分をあまり吸い上げなくなるから、スイカが水を欲しがるように、乾燥させながら水をやるようにすると、青い色水を吸い上げるかもしれない。
このやり方は少し難しいし、先生も試したこのがないので、うまくいくかはわからないけれど、もしかしたらうまく吸い上げるかもしれないよ、と教えてくださいました。
 先生から教えてもらった方法は、スイカが小さいうちからしないとだから、来年の春くらいにしか試せません。今回のFab3Dコンテストには間に合わないけれど、来年の春に試してみたいと思います。
そして、先生が「理科の教師をしていたけれど、今までスイカの維管束については、ここまで考えてみたことがなかった。とてもおもしろい実験の話を聞かせてくれて、ありがとう。」と言ってくださいました。「とてもおもしろい実験の話」と言ってもらえた事が、とってもうれしかったです。来年 実験をしたら、久保山先生も話そうと思います。

そして、べつにもスイカの維管束について聞いてみたところがあります。
「福岡県農林業総合試験場」というところです。
野菜や果物の作り方などを研究したり、これから農業を始める人が農業が習う事もできます。「福岡県農林業総合試験場」の「野菜部 イチゴチーム の小賦さんが、スイカについての資料をFAXしてくださいました。
その資料を読んで、また新しくわかった事がたくさんありました。
スイカの維管束は真ん中から3つの部分に分かれているけれど、それを「小房3室」と言うそうです。「室」と使うんだけどとわかりました。そして、果実の維管束はだいたいが「小房3室」だけれど、時々そうじゃない果実もあるそうです。ぼくもそうなっているスイカを見つけたいです。
スイカの果実の断面図がのっていて、そこに、「維管束は果実中央を走り、末端で種子につながる」と書いてありました。種につながっている細い毛みたいな物もやっぱり「維管束」だったとわかりました。
「果実の肥大を支えるものは、主として個々の細胞の肥大である」と書いてあります。スイカは細胞が増えて大きくなっていくて、スイカの細胞の大きさが大きくなっていくということだと思います。(メッシュ数が増えるんじゃなくて、メッシュの大きさが大きくなっていくと考えたらわかりやすかった。)
スイカの花が咲いて20日ぐらいまでが、果実の大きさに強く影響して、その後は甘さなどの蓄積に影響する、と資料にのっていると小賦さんが教えてくださいました。
小賦さんからの資料で、ぼくの予想で自信がなかった部分がしっかりわかりました。
小賦さんは、お仕事の途中に スイカについての本を調べてくださって、資料をFAXしてくださいました。お仕事で忙しいのに、調べてくださって、ありがとうございました。

飯塚市の「科学広場 2016」で、九州工業大学飯塚キャンパス技術部のブースでは、3Dプリンタでオリジナルチャームを作る体験がありました。ぼくは、時間がなくて作る事ができなかったけれど、そこにいらっしゃった先生に、「スイカの維管束を3Dプリンタで作る事はできますか?」と聞いてみました。先生は、パソコンに入っている3Dデータの中から、ランプシェードのデータを見せてくださって、「こんなふうに、左右対称の物を作るのは、けっこうみやすく作れます。」「右だけとか、左だけとか上としたとかパーツに分けて作って、後でくっつける方法だと簡単だと思います」と教えてくださいました。先生も、維管束を3Dプリンタで作ったことはないと言われていましたが、ぼくと考えてくださいました。
維管束をMRIでスキャンしてデータを作る作り方についても質問してみました。医療現場では、人の臓器をMRIなどでスキャンしてデータを作って、プリンタでプリントしたりしているところもあるそうです。だから、MRIでスイカをスキャンして、維管束のデータを作る事もできると思う、と教えてくださいました。イベントの日だったのに、わかりやすく教えてくださって、ありがとうございました。

ぼくは、今回のコンテストに参加することになって、維管束についてや3Dデータについて考えていたらわからない事がたくさんの出てきて、「科学広場」の先生方や福岡県農林業総合試験場の方に質問しました。教えていただけたから、新しくわかったり、ヒントになりました。図書館に行っても資料がなかったし、インターネットでも見つけられなかったり、行きづまっていました。色んな人の話を聞いて、アドバイスをもらうことは、とても大切な事なんだと思いました。ファブラボ太宰府でも、行きづまっていたら、スタッフの方や、お友達のお母さんがアドバイスをくれたりします。みんなで作業すると、自分の考えが広がって、もっといい物が作れると思います。
ぼくは、今回のスイカの維管束を3Dプリンタで作る事を、fabbeにものせました。
ぼくの今回のチャレンジを見て、世界中の人々の中のだれかが、スイカの維管束について知りたいと思った時や、ぼくみたいにスイカがものすごく大好きで、スイカについてもっと知りたいと思った人の参考になったらいいなと思います。「誰かの役に立つかも」と、考えた事が今まではなかったけれど、fabbleを見ていたら、もしかしたら ぼくが誰かの役に立てるのかもと、思いました。
ぼくがずっと本やインターネットで探していた「スイカの維管束の全体像」が、もし世界中でぼくが初めてだったらすごいなあと思いながら作りました。
そして、ぼくのチャレンジを読んでくだ人から、「こうしたらうまくいくかも」とか「似たような事をしてみたよ」とか、いろいろなアドバイスをもらえると、うれしいです。
そうしたら、ぼくはまた新しい事がわかったり、今までと違う方法でチャレンジできると思います。
fabbleに、人の脳をMRIでスキャンして3Dプリンタで作る事がのっていました。
MRIのデータをプリントしている方がいる事がわかって、「ぼくにもできるかも」と元気が出ました。ぼくはパソコンも持っていないし、MRIもどこに聞けば貸してもらえるのかも、まだわからないけれど、いつか、スイカをMRIでスキャンして、データを作る事ができたらいいなと思います。

コンテストに参加して、本当にたくさんの発見や学びができました。
ファブラボ太宰府のえとうさん、なかざわさん、大学生のお兄さん、
スキャンを貸してくださったファブラボ九州大学βの方、
筑豊博物研究会の久保山先生、
福岡県農林業総合試験場の小賦さん、
九州工業大学の先生、
インターネットにメッシュミキサーの使い方をのせてくださっていた方、
コンテストのために力を貸してくださって、本当にありがとうございました。