“やわらかいペットボトル”をこぼさずに開けたい

Created Date: 2021-09-15/ updated date: 2021-10-16
Owner & Collaborators
License
Summary
ニードノウア
 三宅 まり(食品メーカー勤務)
メンバー
 リーダー:高木 圭(システムエンジニア)
 一宮 剛(車椅子テニスプレイヤー)
 奥野 雅大(義肢装具士)
 竹厚 佳子(住宅メーカー勤務)
運営サポーター
 多田 恵子
サポーター
 木村 朋道

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 三宅さんは仕事中の事故で両下肢右上肢機能不全になり、現在様々な不便を生活のなかに感じておられます。
          今回のニードのひとつが、最近多くなってきた「 “やわらかいペットボトル”をこぼさずに開けたい」。医療系、食品メーカーとさまざまなお仕事に携わってきた経緯もあり、ご自身のニード以上に、さまざまな人がこのニードを持っていることを知っている三宅さん。人々の目線に立って、食に関する不便さを伝えてくださいました。
          マラソンに、アーティストのポートレイト写真撮影に、電子工作・ものづくりも大好きな三宅さんは、今回のような誰かのニードを解決しプロダクトをつくることをいずれ仕事にしていきたいと考えられておられます。
          • いろはすのよう柔らかいペットボトルは、力を入れすぎてこぼしてしまったり、最後の一口を飲もうと思ってもペットボトルを持つ手の力加減で上手く飲めなかったりしています。
            市販のキャップオープナーを使っているのですが、サイズ的にしっくりきません。
            昨今では、水以外にもコーヒーや紅茶、緑茶、抹茶ラテといった製品も販売されるようになり、飲みたいのに、ベットボトルの形状が違うものが出てきました。

              • いろはす、BOSS、抹茶ラテのような柔らかいペットボトルを潰さずに開けれる
              • ベットボトルを潰すことなく最後まで飲み切れる
              • 四角い形のペットボトルや、短い丈のペットボトルに対応
              • コンビニで購入できる650mlまでのサイズのペットボトルに対応
              • 蓋の大小に関係なく開けることが出来る
              • やわらかいペットボトルに入った飲料は気軽に楽しめない
            • しっかり握ることができて、ホルダー内でペットボトルが滑って回ることのない形状
              蓋部分には太めのゴムをかけて、滑りにくくする。
              輪ゴムは無くなってしまわないようにホルダーに紐でつけておく
            • 家にあるもので試作してみました。
              テープの芯の内側に、割り箸を切って4本貼り付ける。
              滑り止めシートを巻き、その上にテープの芯でホールドする。
              ペットボトルへの装着が困難だったので、芯を1箇所切り装着した。
              硬いもので巻いたので、噴き出るほどは握れなくなった。
              キャップに何もない状態だと、私の力でも手が痛く開かないので、ゴムを巻いた。(意外と重要)
              ボトルが滑ることはなかった。
              欠点は、装着しにくい。

            • 開けるときにかなりの握力が必要でした。
              子供やお年寄りも開けられないですね。
              左手も結構握りしめていますが、この時に凹んだりすると、蓋は開けられないと感じました。
            • いろはすみたいな「ぷにょぷにょ」なペットボトルを開けるために着目したの点は、「一番固い場所」はどこかです。
              ペットボトルを触ってみたところ固い場所は、底と飲み口だと気が付きました。
              このモデルでは、飲み口の箇所とキャップのギザギザを使って「ぷにょぷにょ」なペットボトルを開けれるのではないかと考えました。

            • 「ぶにょぷにょ」のベットボトルでなければ良いというニードを引き出した際に思い付いつきました。
              ぷにょぼとる おーぷなーの底をキャップオープナーにすることで、固いペットボトルの底の部分を持って簡単に開けれるのを狙っています。
              加えて、ペットボトルの中身がなくなった際、簡単につぶれてしまう欠点も補える形にしてみました。
            • いろはすやBOSSなど、様々なサイズのペットボトルに対応できるカバーができたらベストと思いましたが、現実的に難しそうです。。
            • 車いすには磁石がつく金属が使われていないため、磁石を使った設置は不可。ホルダーを直接、車いすにつけることは難しく、ホルダーを別売のスリーブに入れてそれを設置する案をグループ内で議論した結果、今回は課題点が多いため見送ることとなった。
            • ボトルオープナーの下部に握ってもつぶれないスリーブを取り付けた
              内部には突起がありボトルが回ってしまうのを防ぐ
            • ペットボトルホルダーの内側を滑らないように固定して蓋を開ける。
              硬めの素材にしてペコペコに対応する。
              また車いすに脱着が簡単にできるようにフックにかけるようなものにする。
          • イメージを形に
            • やわらかいペットボトルのいろはす、BOSS、抹茶ラテを試してみました。
              1. 蓋を開けようとしてもくるくる回り上手く開けれない
              2. ペットボトルにより微妙にサイズが違う
              3. 持ち運びが難しい

              【課題】
              滑り止めが必要

            • ペコペコするペットボトルを開けるために、底にボトルオープナーを付けました。
              底のペットボトルオープナーを使ってキャップを開け、その後ケースに入れることを想定しました。
              実際試したところ、ペットボトルのキャップはメーカにより蓋の厚み、ギザギザの数が異なるので、ギザギザに上手く引っかからず開けることが出来ませんでした。
              また、充填率30%で印刷したため、潰れてしまいました。

              【課題】
              キャップはメーカーによって蓋の厚み、サイズ、ギザギザの数が異なる。

            • まずホルダー単体を柔らかいペットボトルに装着して試していただきました。
              ないよりもあるほうが安定感があって持ちやすいとのご意見でした。(ない状態だと、特にペットボトルの下の方が潰れやすいのですが、ホルダーを付ければ下の方を持つほど強度が増すとのことです。)
            • 次に、当初の三宅さんのアイデアでもあった、ホルダーにスリーブを付けた状態で試していただきました。
              スリーブをつけることのメリットは、手を入れる持ち手があったり、より安定感があり持ちやすく、机上に置いたときにスリーブの底がしっかりしているため安定するという点とのことです。
              ホルダーの支柱1本の内側と外側につけられた、滑り止めもかかせない存在のようです。
              滑り止めは、シリコンと滑り止めシート(塩化ビニール樹脂製)で試してみたところ、

              ・シリコンはくっつきすぎる
              ・滑り止めシートはちょうど良い

              滑り止めシートはちょうど良い感じでフィットしました。
            • そのままだと、持ちやすさ、運びやすさに難点がありました
              市販のペットボトルケースを活用して解消しました。
              ペットボトルケース選ぶ基準としまして
              1. 入れるサイズが可変になる
              2. 持ち手がある
              3. 運びやすい
            • 今回のニードの中で、様々なサイズのペットボトルに対応できるものという課題がありました。
              三宅さんご自身も周りの支柱が4本ではなく3本あれば持つには充分というご意見のため、1本を手で折り3本にして、ホルダー単体とスリーブバージョンとで、様々なサイズのペットボトルを入れて試していただきました。3本の方が出し入れしやすく、微調整はスリーブででき、なかなか良いようです。



            • 力を加えると簡単に折れてしまう

              【課題】
              ちょうど良い厚み、折れない素材はないか

              3Dプリンタで出力する際、サポートは少なくしたいので、積層方向は変えたくない
            • メンバーの奥野さんより、コンビニや自動販売機で買った冷たいペットボトルだと濡れていて滑ってしまうのでは?というご意見があり、実際に濡らして試したところ滑りました。
              対策として三宅さんより、ペットボトルのおまけで付いてくる薄いペットボトルカバーをつければ滑らないし、保冷効果もあるので良いというお話になり。動画の後、実際に三宅さんがお持ちのカバーを付けて試していただいたところ、滑りませんでした。
              1. 固い素材だと折れやすい
              2. 固い素材でないと固定しずらい
              3. 積層方向を横に倒せばよいがサポートが多くなる欠点がある
              4. 長さの短いペットボトルにも対応したい
              5. メーカーによってキャップサイズが異なる
              6. オープナーの素材は固いと壊れる
              7. オープナーの素材はやわらかいほうがよい
            • 1.折れない改善
              ・適度な硬さがありゴムのような感触の素材TPUを使用してみる
              ・底の立ち上がりにRを付けてみる
              ・表面に凸凹模様をつけて力を分散できないか

              2.短いペットボトル対応
              ・BOSSがちょうど良い高さで飲める台座を準備する

              3.オープナー問題
              ・台座をやわらかい素材でオープナーにしてみる
            • 近い将来、ペットボトルもどんどん薄くキャップも小さくなり、やわらかくなる方向で世の中は進んでいくかもしれません。
              今日以上にやわらかいペットボトルが出現し、力加減が難しくなったとしても、“やわらかいペットボトル”をこぼさずに開けられ、最後まで形を崩さずに飲み物を楽しむことができたらよいと願っています。
            • せっかくだからやっぱ3Dプリンターならではの構造がいい。
              しかも一体造形で

              ペットボトルカバーを2層構造にする
              外殻はどこを握っても局所に圧が集中しないよう分散させることで開栓時の噴きこぼれを防ぐ
              内殻は螺旋構造にすることで反時計回りにボトルを回したときのみ径が縮まりボトルを強くグリップする

              短期間での達成できるかな…

          • らせん部分に二種類のすべり止めを張り付け、ボトルキャップを開栓方向(反時計回り)にひねるだけですべ止めの摩擦力によりらせん構造がペットボトルを締めこんで固定するように改良
            • らせんによる締め込み構造はボトルの開栓方向には締まりますが、ふたを閉めるときにはグリップが利きません。
              内容物がこぼれるのは初回開栓時だけだからいいよね

              らせんグリップを机などに固定しておけば片麻痺者が自分のボトルをもってきて片手で開けることも可能。ボトルサイズが変わっても対応できるのがいいよね
              次はキャップを締めることも考えていかないと
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