わたしの友人であるA君は、生まれつき片腕がない。
普段A君は革靴を履いているが、ある日スニーカーをはいていた。
A君のスニーカーをよく見ると「結ばなくても履くことのできる靴ひも」が使われていた。
本人曰く「靴ひもを結ぶのは一人では難しいからしょうがない…」とこの特殊な靴ひもを使っているらしい。
市販されているスニーカーには、基本的にそのスニーカーのデザインにあった靴ひもが使用されているため「別の靴ひも付ける」ことはあまり気持ちの良い、カッコいいものではない。
私はA君のように障害によって理想の生活を送ることのできない人達の悩みを自助具を使い解決できたら良いなと思い、今回制作に取り掛かった。
- 先ずは現在の「自助具」の在り方について調べることとした。インターネットで「自助具」と調べると「弱い力でも握れるスプーン」や「ペットボトルを開けられる器具」など生活の「問題を解決する」ための製品が沢山出てきた。しかし、どの器具も「最低限、生活を送りやすくなる」ための器具ばかりで、どこか悲しい気持ちになった。「障害がある=普通に生活できることに感謝してそれ以上は望んではいけない」というような雰囲気を感じてしまったからである。障害があっても食べたいものもがあるし、履きたいスニーカーだってある。現在のユーザーが求めているのはそういった「個人個人の願い」を叶える自助具なのではないのだろうか
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