おせち料理 Japanese traditional New Year’s dish

Created Date: 2018-12-14/ updated date: 2022-08-13
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          • 私たちは日本の伝統的な正月料理である「お節料理」を3Dプリンタやレーザー加工機などのデジタルファブリケーション機材を活用して作成しました。製作にあたってはお節料理の中身についての理解を深めるために、各地のお節料理について調べて、私たちの本拠地である仙台になじみのある料理も加えました。実際にお節料理の中身を3D-CADでモデリングして製作することで、デジタルファブリケーションに関する技術はもちろん、お節料理に関する理解を深めることもできました。すべてのデータを公開いたしますので、お手元の3Dプリンタで出力してお楽しみいただければと思います。
            • フィラメントはPLAを使用し、色が不足するものについては、後からペンなどで着色しました。主に使用した3DプリンタはXYZプリンティング社のダビンチnanoです。
            • 3Dデータの作成にはFusion360 を活用しました。この3D-CADは学生向けには無料で使用できるため、各自のパソコンに入れて使用しました。
            • それぞれのおせち料理の3DデータはSTLファイルで公開しています。また重箱の2Dデータはイラストレータのaiファイルで公開しています。
            • 今回使用した3DプリンタはXYZプリンティング社のダビンチnanoです。3万円程度で購入できるため、小中学校に導入することを検討するときにも適すると思います。
          • タコは縁起のいい”8”本足の生き物で「稲がタコの足のように四方八方に根を伸ばす」ことを祈念して入れられてると言われます。また、8本の足で一回つかんだら離さないことから「善い物に吸い付き離さない」や、自身の身に危険が迫った時に墨を吐くことから「苦難を煙に巻く」といった意味も込められ、おせち料理以外でも縁起のいい食べ物として親しまれています。octopus-leg
            • 紅白かまぼこ(kamaboko)は,半円の形が日の出を表わすとされ,おせち料理には欠かせない食材です。紅白または松竹梅の柄などでおめでたさを表わし,飾り切りで鶴や松などの縁起物をかたどることもあります。赤は魔除け,白は清浄の意味が込められています。

              • 椎茸(Lentinula)は昔、神様のお供え物として使われ、健康などの願いが込められる高級な食材です。

                おせちに入れる際には亀甲切りという形に切られ、長寿の象徴である縁起の良い亀に似せられることもあります。
                • 笹かまぼこ(sasakama)は宮城の郷土料理です。白身の魚をすり身にし、細かい竹に塗り付けて焼いたのが、蒲の穂や鉾の形に似ているので、蒲鉾と言われる理由で、笹かまぼこの名称の由来は、その形状が笹の葉に似ているところからきました。おせちには紅白蒲鉾が入っていますが、宮城に由来のある笹かまぼこを入れることで、より宮城に関連のあるおせちとなっています。
                  • おせちに入っている焼き豆腐を楯豆腐といいます。楯豆腐は豆腐に焼き目をつけて楯に見立てていると言われています。これは武家社会の名残がおせち料理にも表れています。toufu
                    • いくら(ikura)がおせち料理に取り入れられるようになったのは,比較的最近と言われています。数の子同様,魚の卵ということから子宝に恵まれ,子孫繁栄の願いが込められ,おせちに華やかさを加えてくれます。
                      • 栗は山の幸の代表格で,「勝ち栗」と言われ,縁起の良いものとされてきました。そのため,栗きんとん(kurikinton)は豊かさと勝負運を願うとされています。漢字で金団と書き,その色からも輝く財宝にたとえて豊かな1年を願う意味が込められています。
                        • おせち料理には欠かせない煮しめは、根菜類やこんにゃく、鶏肉、椎茸など様々な食材を同じ鍋で煮ることから「家族仲良く一緒に結ばれ、末永く繁栄しますように」という願いが込められています。

                          れんこんやふきは穴が空いていて先が見えることから、将来の見通しが良くなりますようにという意味が込められています。
                          ニンジンを梅花の形に飾り切りしたものを「ねじり梅」といい、生活の豊かさを願う意味が込められています。
                          小芋がたくさん付くことから子孫繁栄の意味が込められています。nisime1 nisime2 nisime3

                        • 牛タンは仙台にあったとある焼き鳥店で、余った牛のタンを使ってくれないかという肉屋の要望に応えようと試しに焼き鳥を焼く台で焼いてみたところとてもおいしかったということが生まれであるとされています。1990年代に入って牛肉の輸入自由化が始まり、牛肉の価格が下がって参入しやすくなったことや高度な技術が必要がないことなどが重なり、牛タンは仙台に広まっていったそうです。

                          このように牛タンが深く根付ている仙台ではおせちの中に牛タンを入れることが多いようです。gyutan
                        • 伊達巻がおせちに入っている由来は3つあり、1つ目は形が巻物に似ていることから知性を表し、勉強や習い事が必ず成就する縁起物であるということ。

                          2つ目は卵を使った料理であることから子孫繁栄のシンボルとなっていること。また、伊達巻の丸い形が家族円満を意味し、巻き込んでいる形が力を合わせ、生産する、仲良くかみ合うということにもつながっているそうです。

                          3つ目は華やかさです。黄色は金色に通じて豪華さを表す縁起物で、それに加えて着物の服飾と似ている見た目や「伊達」という言葉に華やかさの由来があるようです。datemaki
                          • ずんだ餅(zunda)は、枝豆の豊かな風味がある、宮城県の郷土料理です。今回、私たちの大学は宮城にあるということもあり、おせちに郷土料理を入れようと考えました。
                            ずんだ餅の作りかたは、枝豆を茹でてから薄皮を剥いて潰して、砂糖を混ぜると、ずんだというペーストが出来上がり、それを餅にまぶすと、ずんだ餅になります。
                            また、餅は、昔から神様に捧げる神聖な食べものとして考えられ、祝いごとや祭りの日には欠かせないものでした。
                            • <和菓子>
                              和菓子(wagashi)は様々なものをかたどった日本伝統のお菓子です。今回は新年らしい華やかなお花をかたどりました。北海道などでは口取りという伝統があり、おせちに和菓子を入れるそうです。

                              〈蒸しホタテ〉
                              ホタテ(hotate)をお酒や醤油で作った煮汁で煮た料理です。帆を立てた船に見立てて、明るい未来を意味します。また貝は末広がりで縁起がいいことからおせち料理に用いられるようになりました。
                              • サツマイモは栗きんとんにも材料として使われているおせちには欠かせない存在です。
                                最近では手軽に作れるサツマイモの甘露煮も子どもたちに人気の甘味としておせち料理に入れられることが多いそうです。
                                Sweet potato
                                • 3Dプリンタを利用してエビを製作しました。エビ(shrimp)は「海老」と書くように「老」という文字が使われています。これはひげが長く、腰の曲がった老人のように見えるためという理由があります。老人は長生きの象徴であるため、長寿を願ってエビをおせちの料理として用いるようになったようです。

                                  • 卵の白身と黄身を「二色=錦」という語呂合わせから財宝に通じる錦にあやかりたいという願いが込められています。また、黄身は錦糸、白身は銀糸に例えられ、錦織のあでやかさが正月料理として喜ばれるとともに縁起物とされています。nisikitamago
                                    • 「まめ」は元来,丈夫・健康を意味する言葉です。黒豆(kuromame)は邪気払いの意味と黒く日焼けするほどマメに,勤勉に働きけるようにという意味が込められ,1年の健康を願う料理です。
                                      • 数の子はニシンの魚卵のことで、おせちには天日干しまたは塩漬けにされたものが入っています。他には味付けがされた数の子が入ることもあります。天日干し・塩漬けのものは通常水戻しまたは塩抜きをしてから食します。高価かつ金色をしていることから「金色のダイヤ」の異名も持ちます。
                                        数の子は卵の数が非常に多いことが子孫繁栄を連想させる縁起物としておせち料理に入るようです。
                                        またコレステロール値を下げる働きがあるとして、健康にもいい食材です。kazunoko
                                        • 2段の重箱を設計・設計製作しました。1段には9個で合計18個の中身が入る仕切りがあります。厚さ2.5mmのMDF板を用いてレーザー加工機で切断、蓋にはレーザー加工機で彫刻を施しました。
                                          蓋のイラストは梅の絵と2019年の干支である亥の文字をレーザー加工機で彫刻しました。
                                          レーザー加工機で出力の際には、各機種に合った設定が必要になります。
                                          • 今回、3Dプリンタとレーザー加工機というデジタルファブリケーション機材を活用しておせち料理を作成しました。はじめての取り組みでしたが、3D-CADのスキルを向上できるとともに、日頃あまり深く考えることがなかったおせち料理の形状や色、そして由来について考えることができました。小中学校での活用の事例にもなったかと思います。
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