3Dプリンターで物を作る過程

Created Date: 2021-07-30/ updated date: 2021-09-22
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    私は高校の課題研究で3Dプリンターを活用することで物を作る際にどのようなメリットがあるのか、特に工業系ではなくデザイン系でどう活用できるかをリサーチする研究をしていました。しかし、そもそも3Dプリンターを使えるようにするためにはどのような手順を追って勉強していけばよいのか分からずやはり敷居が高く感じました。機械専門の友達や先生に協力していただいたり、ファブラボで講習や相談をして頂いたりしてなんとか物を作れるようになりましたがかなり遠回りだったように思えます。そこで、今後3Dモデリングの技術を習得したいという人に向けて、少しでも役に立てば幸いという思いで自分がやったことを一例としてまとめておこうと思います。 ここには始める人がわかりやすいように、道筋がイメージしやすいようにできるだけ過程を簡潔にまとめるように心がけてまとめました。細かい所は調べるとすぐ分かりますし、自分で調べて解決していく力が何よりも大切だったと思うからです。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • まず大まかな流れはこんな感じ
            1. Fusion360で3Dモデリングを行い、作りたいものを作る。
            2. Fusion360上で作ったもののデータを保存する。その際STLデータというデータ形式で保存する。
            3. STLデータを3Dプリンターでプリントするためのデータに変換するために専用のソフトにSTLデータを読み込む(変換するためのソフトをスライサーソフトという!)
            4. スライサーソフトで3Dプリントをする際の設定を行う(初めは素材、密度、サポートの有無くらいでよい)
            5. データ変換を実行してそのデータをUSBに保存す
            6. USBを3Dプリンターに差して出力!!
            7. 上手く設定できていれば完成!!(上手く出力されないことも多々あり)
            • 主に4つ!!
              • PC
              • Fusion360(3Dのものを作っていくソフト、学生無料)
              • QIDIprint(Fusion360で作ったデータを3Dプリンターで出すためのデータに変換するソフト、一般にスライサーソフトと呼ばれるもの、無料)
              • X-maker(3Dプリンター本体)
              *注意 QIDIprintを使っているのはこのソフトがX-makerを作っている会社のもので互換性が良いためで         す。スライサーソフトは使うプリンターによって変わるかと思います。
              X-makerはたまたま学校にあったので使っているだけです。
          • まずはPC上で物を設計することが出来なければなりません。逆にこれさえできれば7割は進んだと言っても過言ではありません。(個人の感想です。)これを習得する方法は無限にあると思いますが、ここでは実際に自分がどんな方法を使ったかを紹介します。こればかりは個人的な努力というか、ある程度自分で手を動かして練習していく必要があるとおもいます。

            • まず初めに、ソフトがないといけません。本当はモデリングソフト自体もたくさん種類がありますが、ここではFusion360というソフトを紹介します。実際私が見てきた中ではほぼ全員Fusion360を使っていたので問題ないかと思います。
              1. autodesk社のホームページに行く
              2. 学生ライセンスを取得する(学生証を送ったり色々面倒ですが登録すると学生の間はautodesk製のソフトがすべて無料で使用できます。通常数十万円したりするので使わないともったいない!)
              3. 学生ライセンスでログインした状態でFusion360をダウンロード

              上手くダウンロード出来ないときは原因を調べてみるといいです。
            • まず私は本屋にあるFusion360の教則本を購入しました。(Fusion360マスターガイド!!)
              かなり丁寧に説明されているのでそれ通りに操作をやっていけば、どういう手順でモデリングを行うのか、どんな形なら作れるのかなどがわかってくるかと思います。
              集中すれば一週間かからずに一周終えることができます。(自分はだらだらやって2週間くらいかかりました)

            • 本でやると大まかには理解できると思いますが、やはり動画で説明してもらうほうがわかりやすいですし、知りたいことをピンポイントで調べたりできるので、ネット上の解説を積極的に活用していきましょう。Fusion360で検索すると、Fusion系ユーチューバーなどがいたりして、結構わかりやすいのでお勧めです。

              ただ、全部1からyoutubeでやるのは効率が悪いです。動画で勉強するとどうしても時間がかかってしまうからです。なので、初めはやはり本などでサクサク理解していき、細かいところはネットで調べていくことが最短ルートかと思います。
            • 最近のPCなら割となんでも動きます。自分はsurface go という超小型のマイクロソフトのPCを使っています。中でも最底辺のスペックですが何とか動いています。スペックが高いに越したことはないと思いますが。Fusion360を使うための最低スペックの目安が一応あるので、自分のPCと比較してみるとよいかと思います。

              個人的にはPC自体のスペックよりも、マウスUSBの有無など、周辺環境を整えることのほうが大切だと思いました。初めのほうはマウスが無くて、ノートPCのトラックパッドでやろうとしていたのですが、本当にやりずらくて一時期それだけで作業が停滞していました。マウス大事
            • ちなみに、3Dモデリングの方法(使うソフトやデータの作り方)も本当に様々です。調べるとわかります。初めのうちにはFusion360の基本操作を学ぶことで十分かと思いますが、関数を活用したモデリング手法や(私は出来ません。超上級です)写真やスマホの赤外線センサーから実際にある物を3Dスキャンしてしまう方法など、面白いものがたくさんあり、できるようになると作れるものの幅がぐっと広がります
          • 3Dモデリングからプリントするまでの一連の流れで、出会うデータ形式は2つしかありません。(私の場合は)
            1. STLデータ 3次元の形状を保存するデータです。Fusion360で物を作ったらまずこのデータに変換します。
            2. gcode 3Dプリンターで出力するためのデータです。スライサーソフトでSTLデータを変換すると自動的にこのデータができます。(このgcodeという名称は私が使っているスライサーソフトQIDIprintのデータ形式なだけで、スライサーソフトが変わればデータの名称も変わるかと思いますが本質は同じなものです)
            • プリントするとなると考えなければいけないことが増えてきます。
              • 3Dプリンターの大きさには限りがあります。一般的に20cm立法くらいが物理的限度です。もっと言えば、20cm以内ならいいわけでもなく、当然大きいものだと上手くプリント出来ない可能性が高くなるしプリントにあほほど時間がかかったりするので、できるだけパーツを分けたりして小さく作っていくのがうまくいくコツだと思います。

                3プリンターというのは必ずしも出力が成功する万能な機械ではないということです。安いプリンターならなおさら失敗しやすいです。ですが失敗はむしろ当たり前なので、ガンガン作って理解していくことをお勧めします。何度も試作できることが3Dプリンターの良いところです。

              • 積層式のプリンターの場合はフィラメントと呼ばれる線状の素材を一度溶かしてケーキのホイップのように出力して積み重ねていくことでものを作っていきます。そして、これが3Dプリンターの面白いところですが、今ではフィラメントの種類が非常に豊富で、固かったり柔らかかったり、色もたくさんありますし、一般には出回ってないものですが、コンクリートや金属でプリントするといった事例もあります。
                積層式のプリンターではおもに
                • PLA
                • TPU
                • PETG
                • ABS
                といった種類のフィラメントがあります。硬さや素材の特性が違うので気になる人は調べてみてください。スライサーソフトでデータを変換する際は上の分類の下設定が変わってきます。

              • 3Dプリンターはほとんどモデリングできる形ならプリントできるといわれていますが、重力に逆らったものを作ることは出来ないので、プリントする際には形が崩れないように自動的にサポートという補助のパーツも一緒に出力されます。

                このサポートパーツはスライサーソフトでデータを変換する際にどのように付くかが表示されるので簡単に確認することができます。

                ただ、プリントする際に極力サポートが少ない形にすることを目指してください。なぜならサポートが付くということはそれだけ造形が難しく失敗しやすいということだからです。置き方や形を工夫して、失敗しにくいように工夫していくと効率が上がっていきます。
              • Fusion360でSTLデータを作ったらスライサーソフトを立ち上げます。
                ファイルを開くとデータが表示されるので、ここから以下の作業を行います。

                1. データをプリンターの範囲内に収めるように配置する。
                2. フィラメントを設定する。
                3. 充填率を決める。(要は密度、0パーなら中空になる)
                4. サポートをつける。(サポートボタンをポチるだけで自動でやってくれる)
                5. データ変換ボタンを押してデータを変換する。
                6. 変換されたデータをみておかしいところがないか確認する。(出力時間、サポートの付き方など)
                7. 異常がなければそのデータをUSBに保存する。

                2から4は設定の部分でやろうと思えば無限に細かい設定がありますが最初はこれだけでよいです。
            • データを3Dプリントできる形に変換したら、いよいよ実際に出力していきます。ここではデータをUSBに保存したら、(プリンターによってはSDカードとかの場合もあるらしい)プリンター本体にUSBを差してデータを選択して実行します。細かい設定は最初のうちはわかる人にお願いしましょう。
              フィラメントがしっかり刺さっているか、くらいを確認すればよいかと思います。

              細かいことを考えすぎず、とにかく試しにやってみることが大切です。失敗してから考えましょう。
              • そもそも3Dプリンター持ってないどうしよう!という人もいるかと思います。
                一番おすすめなのは買ってしまうことです。アマゾンで数万円で購入することができます。フィラメントもたくさん売ってて面白いです。
                買うほどでもない!金ない!という人は3Dプリンターを使わしてくれる施設を利用するという方法もあります。調べると結構あります。私も実際に品川にあるファブラボ品川さんにお世話になりました。
                利用できるものはとことん利用するべきだと思いますね。



                • ここに書ききれないことで細かい疑問がたくさん沸くだろうし、壁もたくさんあります。そういう時は迷わず経験者やgoogleに頼りましょう。案外すっと解決したりします。

                  例えば、自分はソフトのインストールの方法、分からないエラーが出たときの対処法などはほとんどgoogleさんに教えてもらいました。また、プリンターの細かい設定や、データの設定などもわかる人に頼んでやってもらっていました。いきなりすべて自分で解決しようとすると結局できずに挫折してしまうので、がんがん周りの力を借りていきましょう。近道です。
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              References

                Usages

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