SAXduino 19A

Created Date: 2019-10-13/ updated date: 2019-12-24
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    Summary
    SAXduinoは、電子吹奏楽器として開発したSAX型のArduinoです。左右6つの指だけで、3オクターブもの音域の演奏が可能。もちろん音色変更や移調も自由自在。単4電池2本で動作します。SAXduino 19Aは2019年秋モデル。8月のMFT2019で販売したバージョンからセンサーを変更し、操作方法も少し改善しました。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • SAXduinoのお買い上げありがとうございます!

            SAXduinoは以下のような特徴があります。
            1. 両手の人差し指、中指、薬指の計6本だけで3オクターブもの音域が演奏可能な、新しい運指
            2. 単4電池2本で、本体内蔵のアンプ、スピーカーを駆動し、スタンドアロンで動作
            3. mi.1を追加すれば、BLE MIDI Controllerとしても利用できます

            • SAXduinoの使用方法は、本ページの一番下の Usages をご覧ください。

              SAXduinoは完成品を販売していますが、以下では参考までにSAXduinoの作り方をご紹介します。
            • SAXduinoは、Arduino IDEで開発可能な電子基板SAXduino BoardをMDFと3DプリントによるSAX型の筐体で組み上げて製作します。 また、mi.1の基板を取り付けることで、BLE MIDIのコントローラとして利用することも可能です。 

              ここから下の Making は、本製品を製作するときの情報となります。随時更新予定です。
              購入された方が修理や改造する場合などの参考になると思います。
              また、SAXduinoは、全ての設計情報を公開していますので、基板製造や3Dプリントが可能な環境でしたら、自力で制作することが可能となっています。
          • SAXduinoは全ての設計、製造用データを完全に公開しているオープンハードウェアであり、誰でもゼロから製作することが可能な情報を本ページで提供します。
            以下は、必要な部品の一覧と、その製造用データ、あるいは入手先のリンクです。
          • SAXduinoの全機能を納める専用基板 SAXduino Board を製作します。
            • このページから基板を発注すれば、SAXduino Boardを購入することができます。
              KiCadで基板設計し、そのガーバーデータをSeeedにアップしてあります。上のページからガーバーデータをダウンロードすることも可能です。
            • ステンシルでクリームハンダを塗り、写真の指示書に従い、部品を載せます。そのあと、リフロー炉でハンダ付けを行います。
            • 基板の裏面のフルカラーLED6個をハンダ付けします。
              WS2813Bを接着剤で一旦仮止めしておくと、スムースにハンダ付け出来ます。
              1. 2箇所の6pinのISP端子(J1,J2)をハンダ付けします。
              2. 2箇所の2pinXHコネクタ(J19,J21)をハンダ付けします。
                        同時に、対応するケーブルも端子を圧着し、XHコネクタのハウジングと繋げておきます。
              3. 100μF電解コンデンサのコンデンサ(C13)、J14のアナログボリュームをハンダ付けします。
            • 気圧センサー基板をここから発注します。ガーバーデータのダウンロードも可能です。
              この基板に、気圧センサーと0.1μFのコンデンサをハンダ付けします。気圧センサは、欠けた印のあるほうが、基板のSAXduinoの文字がある方向になるように配置します。

              SAXduino Boardにこの気圧センサ基板を、L型ピンヘッダを使って垂直に取り付けます。
            • 基板が正常に動かないことが往々にしてあります。

              なるべく早い段階で検知するため、リフロー直後にISP端子をハンダ付けして、CPUへの書き込みを行えば以下の不具合が分かります。
              • CPU周りのリフローの不良
              • タッチセンサーの動作不良

              問題なければその後LEDをハンダ付けし、起動時のLED動作が確認できます。
              最後に、ボリューム、電解コンデンサをハンダ付けし、スピーカーを接続すればオーディオ周りの動作が確認できます。
            • 今回のSAXduino Boardでは、当初、Board上に昇圧回路を搭載する予定でしたが、十分な性能が出なかったため、外部に昇圧回路を追加しました。
              そのため、Boardの昇圧回路を省略し、回路図上の3.3Vと5Vを接続します。

              写真の黒いケーブルのように、二箇所を導通させてください。
          • 二つのATmega328Pへファームウェアを書き込みます。
            U1のATmega328Pはソフトシンセのファームを書き込みます。こちらをシンセ側と呼びことにします。U3のATmega328Pはセンサー処理のファームを書き込みます。また、こちらをセンサ側と呼ぶことにします。
            • Arduino IDEに必要なBoardとLibraryをインストールします。
              Boardは「ATMegaCore」を、Libraryは「Adafruit NeoPixel」「MsTimer2」をインストールします。
              また、書き込み時のツールメニューの設定は、「ボード:ATmega328P」「Clock:External(16MHz)」としてください。
            • 基板を作って最初にATmega328Pにファームを書き込む時は、まずブートを書き込みます。ツールメニューの「ブートローダを書き込む」を選びます。

              センサ側のファームウェアのプログラムはここからダウンロードして、Arduino IDEで読み込みます。
              初めてセンサ側のファームを書き込む場合、configuration.h の FIRMMODE を、WRITE_CNFG_FIRST_TIME_TO_MBR3110 にし、またタッチセンサのセッティングを変えた時は、WRITE_NEW_CNFG_SETTING にします。
              そのあとに、 NORMAL_MODE にして再書き込みします。
          • 静電センサーによる演奏用のタッチスイッチを製作し、SAXduino Boardと合体させます。
            • タッチWindowに直径1cmの円状に切った銅箔テープを、四角い穴に合わせて6箇所貼ります。
              また、四角い穴に合わせて、銅箔テープを三方切断し、残りの一方から銅箔テープを裏側に折り曲げます。
            • タッチスイッチフレームの横側に開いている4箇所のねじ穴の部分に銅箔テープを貼ります。写真のように、内側から下側に回り込むように貼ります。貼った後、銅箔にねじ穴を開けます。

              その後、4箇所のねじ穴に四角ナットを装着し、外側から3×6皿ネジを閉めます。接着剤で四角ナットをタッチスイッチフレームに接着し、ナットが固定された後でネジを外します。
            • タッチWindowと、タッチスイッチフレームを真ん中のネジ一つで一体化します。ネジとナットはポリカーボネイトの透明なものを使用します。

              裏返しにして、タッチWindowの6箇所の穴から折り曲げて貼ってある銅箔テープに、ポリウレタン線をハンダ付けします。各ポリウレタン線は5cmほどで良いです(実際には1〜2cmくらいしか使用しないが、作業効率を考えて長めにしておく)。

              導通チェック用に、ポリウレタン線の端をハンダで溶かし、被膜を取っておいた方が良いでしょう。
            • SAXduino Boardをタッチスイッチフレームと組む前に、ちょっと前準備をしておきます。

              J21の電源端子が、フレームのネジのすぐ上にありますので、ここがネジに触れないようにはみ出たピンを根元から切っておきます。また、念のため絶縁テープで保護しておきます。
              アナログボリュームの足も、フレームにやや接するので、根元から切っておいた方が良いです。

              それから、J10〜J13の4つの端子に短めのポリウレタン線をハンダ付けしておきます。
            • フレームのタッチ部分に取り付けた6本のポリウレタン線を、SAXduino Boardの対応する6つのスルーホール(J4〜J9)に通します。この状態で、タッチスイッチフレームとBoardを2箇所の穴を通してネジ止めします。ネジとナットはポリカーボネイトの透明なものを使います。

              その後、6箇所のポリウレタン線をハンダ付けして、不要な線をカットします。

              また、J10〜J13端子にハンダ付けしたポリウレタン線を、各端子に対応するタッチスイッチフレームの横ねじ穴に貼った4箇所の銅箔テープとハンダ付けして導通させます。
          • 全体の組み上げの前に、筐体に取り付ける各部品の準備をしておきます。
            • 3Dプリントした吹き口カバーとフロントホルダーを合体します。ホルダーの穴に四角ナットを入れ、ナットが落ちないようにテープを貼っておきます。
              次に、3Dプリントサービスで作ったパイプを、接着剤で吹き口カバーに取り付けます。
              最後に、二つのパイプに4.5cmに切ったシリコンパイプを奥まで嵌めます。
            • リアホルダーの6つの穴に四角ナットを入れます。

              フロントホルダーと同様、ナットが落ちないようにテープを貼っておきます。
            • コネクタを圧着した8cmくらいの長さのケーブルをスピーカーにハンダ付けします。ケーブルは、テープでスピーカーの裏側に貼り付けておくと、筐体内の収まりがよくなります。

              その後、MDFから切り出したスピーカー用のホルダーとスピーカーを接着します。
          • 電源回路を製作し、底板に取り付けます。
            • 昇圧DCDCコンバータモジュールと、スイッチと、電池ボックスを配線します。

              まず、モジュールとスイッチを写真のようにリード線でハンダ付けします。
              次に、XHコネクタ(オス)のついたケーブルを6cm程度に切り、モジュールのVOUTとGNDにハンダ付けします。
              最後に、電池ボックスのケーブルを5cm程度に切り、スイッチの両端の端子にハンダ付けします。
            • 演奏時の親指止め用に、電子回路用のスペーサを底板にネジ止めします。電池ボックスの取り付け場所と重なるので、ネジ穴は内側からザグっておき、皿ネジを使った方が良いでしょう。

              また、吹き口とリアホルダーとネジ止めする、両端の2箇所のネジ穴も、座繰りを施しておきます。
            • 1.7mmのネジで底板にスイッチを取り付けます。スイッチのON側には赤い目印などをつけておくと良いです。
              電池ボックスを両面テープで底板に貼り付けます。ケーブル類も必要に応じてテープなどで固定しておきます。
            • 側板の吹き口側のネジ穴2箇所、タッチスイッチフレーム用のネジ穴2箇所に座繰りを施します。それからタッチスイッチフレームと側板を3×6の黒の皿ネジでネジ止めします。
            • 吹き口の二つのシリコンパイプのうち、斜めではない方を基板の気圧センサに嵌め込みます。それから吹き口を側板に3×8の黒の皿ネジでネジ止めします。
            • 左右のベル側板のネジ穴を座繰り処理した後、リアホルダー、側板とともに、3×12の黒の皿ネジでネジ止めします。
              上板の2箇所のネジ穴も座繰り処理して、吹き口とリアホルダーに3×8の黒の皿ネジでネジ止めします。
            • スピーカーのケーブルをリアホルダーの真ん中の穴を通し、SAXduino Boardのスピーカー用コネクタと接続します。その後、スピーカーホルダーのMDFとベル側板を木工用ボンドで接着します。

              スピーカーホルダーは側板の斜めになっている端に合わせますが、後々のメンテを考えて、側板に接着するのではなく、ベル側板に接着してください。(側板を接着してしまうと、後で分解してBoardを取り出せなくなってしまいます)
            • ベル上板、ベル下板にまず曲がり癖を付けます。写真のように丸いものと一緒にゴムで巻いておき、しばらく置いておきます。
              クセがついたら、木工用ボンドでベル側板と接着します。完全に接着されるまで、輪ゴムを巻いておくと良いでしょう。
            • 底板の電源ケーブルをBoardの電源用のコネクタに繋ぎます。
              電池ボックスに単4電池を入れ、底板を3×8の黒皿ネジでネジ止めします。
          • BLE MIDIモジュールを追加する場合は、筐体の組み立てに入る前に、SAXduino Boardに以下のBLE MIDIモジュールを、ケーブルで接続します。
            • mi.1にハンダ付けしたポリウレタン線をSAXduino Boardの以下の端子の穴に通します。
              • Board   J16 <--> mi.1  H2
              • Board   J15 <--> mi.1  H4
              • Board   J17 <--> mi.1  H6
              • Board   J18 <--> mi.1  H8

              長さを調整して、ハンダ付けします。mi.1は、タッチスイッチの面に近いところに基板のヘリが届くくらいの線の長さにしてください。
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          References

            Usages

            • 操作方法

              電源スイッチは背面の底板のスピーカー側にあります。

              六角形の窓を持った演奏用のタッチスイッチが、①から⑥まであります。ここに指を触れて、音程を操作します。

              音色変更を、側板手前の黒い"ネジ"を触ることで操作できます。左側が順方向、右側が逆方向に音色が変わります。
              また、側板後方の黒い"ネジ"を触ることで、移調の設定が出来ます。左側が音程が上がる方向に、右側が音程が下がる方向に変化します。

              右側の後方のつまみで音量を変更することができます。
            • 運指

              6つのタッチスイッチの押さえ方で、左図のように3オクターブもの音域が演奏できます。

              また、①、② のスイッチは、瞬時に触れて離す、あるいは離して触れることでタンギングを表現できます。
            • 電池の交換方法

              1. 最初の写真で示した2箇所のネジを外します。
              2. 底板をゆっくり開けます。
              3. 開けると底板の裏側に電池ボックスがあるので、電池を交換します。
              4. 底板を閉めるときは、最初に空気抜きのパイプを穴に通すのを忘れないで下さい。
              5. 2箇所のネジを締めます。
            • 外観

              様々な角度から写真を撮ってみました。
            • 演奏動画

              1番のSAXの音色で「大きな古時計」を演奏してみました。
            • 演奏動画その2

              2番のクラリネットの音色でフォーレのシシリエンヌを演奏してみました。

            Project comments