eyeson 〜空き家問題から鎌倉の地域コミュニティーを活性化〜

Created Date: 2024-03-10/ updated date: 2024-03-24
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Summary
eyesonは湿度センサーと湿度受信機の二つのプロダクトと、空き家サポーターズというコミュニティで構成される。
湿度センサーは空き家に、湿度受信機は空き家サポーターの自宅に設置される。また、空き家を湿度から守るために空き家サポーターズというコミュニティーが必要不可欠だ。
まず、空き家になかなか手をかけられない持ち主が、空き家の情報を登録する。この時自分の趣味などの情報も紐づけることができる。ここで新たな出会いやコミュニティーが生まれる。空き家サポーターは、自身の趣味や、希望する空き家の種類、立地などを登録する。空き家の条件にぴったり合う条件を探していたサポーター数人がマッチングされれば、空き家サポーターズの結成!このグループ全体で決まった空き家をサポートしていく方針。湿度センサーで空き家の基準以上の湿度を感知するとサポーターの家に設置された湿度受信機が光り(70%以上で黄色、80%以上で赤く点滅)、集合の合図!サポーターが空き家に向かい湿度が下がるよう窓や換気扇を動かしたり、掃除をしたりするという仕組みだ。
サポーターズは好きな時に空き家に集まり、掃除や換気をしつつ、思い思いに遊び、交流を楽しむことができる。誰と会うかは来てのお楽しみ。新たな交流の輪が広がるはず!!

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making


          • 皆さんは全国的に空き家問題が深刻化していることはご存知だろうか。 鎌倉市は特に深刻である。1998年に約7500件だった空き家は2013年には約1万件に増加している。
            私たち空き家ディベロッパーズは、空き家問題を解決するという共通の課題を持った高校生で構成されている班だ。私たちは深刻な空き家問題を解決し鎌倉の地域コミュニティーを再興するために”eyeson”を作成した。
            eyesonの名前は「見守る」という意味の英単語"Eyes on"から由来しており、空き家から目を離さず見守り続けるという意味が込められている。

        • 1stプロトタイプでは空き家が何故劣化するのか話し合った結果 湿度、雨漏り、害虫、雑草という意見が出た。また鎌倉と言ったら大仏だという意見で班内で一致したので「大仏湿度センサー」を考案した。
          大仏湿度センサーにはボス大仏とミニ大仏、鎌倉大仏センターがあり、ミニ大仏を水回り(湿度)や庭(雑草)、リビング(雨漏り)に置きそれらのミニ大仏で測定したデータをリビングなどに置いたボス大仏が受信しボス大仏が鎌倉大仏センサーにそれらの情報を送信する。有人の鎌倉大仏センターがそれらの送られてきた情報をもとに問題がありそうな空き家に人を派遣する仕組み。
          • そもそも見た目を大仏にしたところで中身は普通の湿度センサーと変わらないから。
            大仏同士での情報の送受信が難しいのではないかという意見が出たから。
            鎌倉大仏センターに人を雇って解決するのは既に企業が実施している空き家管理サービスとかぶっているから。
        • 企業が実施している空き家管理サービスとの違いを出すためにできるだけ無人で運営することが最も良いという結果になった。そのため2stプロトタイプではアプリを製作して空き家の湿度や状況をスマートフォンに送信する仕組みを考えた。
          空き家にカメラと湿度計を設置し空き家の持ち主の方がスマートフォンにインストールしたアプリで好きな時にカメラの動画や湿度を見れるというもの。 
          後に基準以上の湿度や異常な動き(泥棒など)を検知したらスマートフォンに通知が来る仕組みも追加した。
          • 上岡さんへのインタビューの内容も考慮し、地域の方々とのコミュニティー作りも大切な要素の一つだということがわかったのでアプリの他に空き家の門の上など地域の方々が見える場所に設置するライトを製作することになった。
            このライトを設置するとライトが光っているのを見つけた近所の方が声を掛け合い空き家の窓などを開けるような地域づくりができ、空き家を通して地域の交流が増えるのではないかと考えた。
            またカメラの案はカメラを設置する意義が話し合うにつれて失われていった(高価・設置が大変・室内が暗いので思ったより室内が見えない)ので無くすことにした。
        • ライトの1stプロトタイプを作成した。
          ライトのスタンプはシンプルに四角形のLEDが透けるものを作成した。
          これまで、あまりプログラミングをしたことがなく、正しいプログラムの組み合わせ方が難しかった。また、湿度センサーやライトへの繋げるための配線が難しく手間取った。
          サポーターの方々にお話を聞いたところLEDを光らせるためのパーツはもっと減らせるとのことだったので最低限の装備にしてLEDカバーの中に収められるようにしたい。
          空き家の門の上などの近所の方の目にとまる屋外にライトを設置する話だったが空き家サポーターを作ることにしたのでライトはサポーターの家に設置する事になった。
          • まずライトの形に面白みがないので形を変える事にした。ライトと言えば電球だと思ったので次のプロトタイプでは電球の形のライトにする予定。 
            LEDの光り方に関しては、湿度によって色が変わったほうが細かな湿度がわかるということで3色に分ける事にした。通常時は緑、70%以上になると黄色、80%以上になると赤色になるように変更予定。
            またこのプロトタイプには空き家に設置する湿度計も必要なのでそのデザインもする予定。
        • 電球の形のLEDケースをデザインした。形が複雑だったので中にLEDが透けるくらいの壁の薄さの穴を開けるのに最も苦戦した。また空き家に設置する湿度計とM5(バッテリーのようなもの)を入れるケースの1stプロトタイプもデザインした。M5の画面に湿度が表示されるようにプログラムしているのでM5の画面と湿度計の湿度感知部に穴をあけることに最も時間をかけた。M5と湿度計が繋げられている配線の分の余裕も取らなければいけなく、出力して湿度計とM5を入れてみないと感覚がつかめなかった。
          またLEDを点灯させるために配線の半田付けを行った。初めての半田付けでドキドキしたが無事LEDが点灯してくれたので安心した。
          • 電球の壁の薄さがまだ分厚かったのかLEDの光がほとんど透けなかった。
            また、空き家問題を取り扱っているのに何故電球なのかという話になったので、家の形にデザインし直す事にした。湿度計とM5のケースは余裕を取りすぎて内容物がずれてしまうのでもっとピッタリサイズで製作する。こちらもLEDケースと同様四角だと面白みがないということで家の形で揃える事にした。
            右の写真は電球型のLEDケースの改良版(壁の薄さを0.8ミリまで薄くした)を出力している写真。
        • 空き家チームなので家の形のLEDケースとM5ケースを製作した。
          どちらもどこにでも設置できるように紐が通せる穴もつけた。
          LEDケースは窓の部分を穴にする予定だったがチームのメンバーと話し合った結果LEDテープ丸見えは見た目的に良くないとのことで0.3ミリの壁を窓につける事にした。また角が尖っていると危ないので出来るだけ尖った部分が少なくなるようにデザインした。
          湿度計とM5ケースは当初大きな屋根をつける予定だったがこちらも大きい必要もなくかつ尖っていると危ないので湿度計とM5カバーと同じサイズでデザインした。
          この時にようやくLEDを点灯させるための付属物をボードから外して最低限のものにした。
          • 設計ミスでLEDケースの土台に電池ケースが入らなかった。
            また土台に蓋がないと屋根に吊るした際に内容物が落ちてしまうことも発覚したので蓋を作る必要があった。
            湿度計とM5ケースはM5だけだと電池の減りが早いのでこちらも電池を付属させた方がなお良いということをこの時初めて知ったので電池ケースを製作する事になった。写真には蓋がついているが少しの振動で落ちてしまうので簡単に落ちない蓋作りもしなければならなかった。 最終プロトタイプにだいぶ近づいてきた気もするが何かを作るたびに修正点が出てきてなかなか前に進めなかった。
        • LEDケースとのその蓋と湿度計とM5ケースの電池ケースを製作した。また蓋が簡単に取れないような仕組みづくりも行った。
          LEDケースはサポーターの名前を入れられたら唯一無二な特別感が出る→やる気につながると考えたので旗を立てて自分の名前や好きな言葉を入れられるように改良した。またeyesonというプロダクト名も決まったのでrescueだった部分をeyesonに変更した。これらに使用される木材は空き家からでた木材を使用したいと考えている。
          蓋は吊るしても内容物が落ちないようにピッタリサイズでデザインした。ピッタリサイズで出力したものを本体にはまるようにヤスリで微調整して簡単に中身が落ちないようにした。
          • 湿度計とM5の電池ケースは電池ケースのサイズを測定しピッタリサイズで製作した。この頃にはデザインにもだいぶ慣れており1回でピッタリサイズの物を出力できた。 電池ケースは使いやすいように外から電源のオンオフができるように電源部分に穴を開けた。しかし配線などが通る穴を少し小さめに設計してしまいアダプタなどがうまく通らなかったので超音波カッターで微調整した。
            湿度計とM5のケースの蓋は簡単に取り外しができないと困るのとピッタリサイズで設計したため内容物がかなりギリギリまであったので磁石を活用する事にした。本体と蓋に強力な磁石をつけて人の手では簡単に取り外せるが自然には外れない蓋を作ることができた。
          • 私たちはこの活動を通してたくさんの新しい経験ができた。それは、普通に生活していたら触れ合うことのない3Dプリンターを扱ったり、空き家に実際に足を運び改修作業に参加したりするなど新鮮なものばかり。空き家の改修作業に関しては空き家レンジャーズと共に活動し、休憩時間には自然と触れいながら七輪や竹でできた食器を使ってお昼ご飯を食べ、とても楽しい時間だった。慣れない作業が続き大変なことも多々あり、悩み苦しんだが、多くのサポーターの支えもあってここまで来ることができた。物を作る楽しさ、メンバーと意見を出し合い解決に向かう楽しさを学べてとても良かったと心から思っている。ありがとうございました。
          • この先空き家はさらに増加していくだろう。そこで私達はこの空き家サポーターズを実現させるため、仲間集めをしていく予定。
          • 私たちが毎日過ごしている家。空き家問題に関して私は関係ないと言い切れる方は少ないのではないだろうか。しかし年々増え続けるボロボロな空き家を考えるとどうしようもない気持ちになるかもしれない。私たちも初めはそうだった。しかし、実際の空き家に行ってみると、地域の人がキラキラした目でアイデアを出し合い、空き家をさまざまなものに生まれ変わらせていた!空き家は地域交流の中心地になる可能性を秘めている!このプロダクトを通して、年々増え続けている空き家が管理しやすくなり、悪いイメージがつきがちな空き家を通して新たな出会いやコミュニティーが生まれることを願う。

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