Memorial Box

Created Date: 2018-08-22/ updated date: 2018-10-27
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Summary
私たち野田麻子、藤田結子、香山礼美は「Memorial Box ~タイムトリップできる魅惑の箱~」を製作した。この箱は色褪せてしまった大事な思い出を何度でも呼び起こすことができる。人生に彩りを増やしたいそこの貴方に、ぜひ届いてほしい。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • コンセプトは「大切な思い出をとじこめる」。
          箱の中に思い出の品と写真を入れておき、箱を開けた時に思い出の品がライトアップされ、音声やミュージックが流れる仕組みになっている。思い出の品や写真を目で見るだけでなく、音声やミュージックなどの音として聴覚的に認識することで、より一層思い出が鮮やかに蘇るというものだ。
          • 「笑顔を誘う」というテーマに沿って、「大切な思い出を閉じ込める」ことについて考えてみた。
             思い出を振り返る道具で便利なものは写真である。携帯やスマホの普及により写真を撮るという行為は以前にも増して老若男女幅広く行われ、大変一般的になった。インスタグラマーと呼ばれるような写真愛好家の数も爆発的に増えている。SNSやカメラロールから安易に写真を振り返ることができるのは大変便利な点である。
             しかしその分実体物として写真を手元に置いておく機会が減った。
             「写真を大事にする」という行為が「思い出を大事にする」ということと等しいなら、どうすればもっと写真を大事にすることができるのか、を考えてみた。
          • まず初めに「思い出を大事にする」ために、実体物の写真に愛着が湧くようなものをイメージしてみた。イメージを膨らませる中で「サプライズボックス」という案が出てきた。その案を活かし「思い出を贈ってくれる箱」を作ることにした。
        • アイデアに基づき、抽象的だったものを実際に具体的な形で作ってみることにした。制作はファブラボ鎌倉で行った。

          • まず最初にアイデアに基づき、スポンジ板で箱をプロトタイプした。この段階では数値的なことは気にせず、感覚を頼りに理想のサイズを導き出した。感覚を頼りにしたというのは、実際に手に持って大きすぎないかや小さすぎないかを感じてみた、ということだ。プロトタイプを経て気づいたことは、このような(右の写真)サイズの箱では大きすぎて実用性が無いということと、形は立方体よりも直方体の方が馴染みやすいということだった。この発見をもとに実際に具体的なサイズの数値を出してみることにした。
              








          • プロトタイプでの発見をいかし、具体的に数値を計算し木板をレーザーカッターで切断した。しかしここで木が切れないという問題に直面した。木が湿気を含んでしまったためにたわんでしまい、レーザーの焦点が合わなかったのだ。私たちは木板をテープで押さえつけることで無事に切ることに成功した。画像二枚目が失敗した木板で、三枚目が成功した木板だ。このようにレーザーの焦げ具合などから、切断できているかできていないかの違いがはっきり見て取れる。
          • レーザーカッターで切断した木板を組み立てた。ぴったりとはまったことを確認し、縦横は同じで、高さのみ違う箱をあと二つ作り、組み立てた。
          • 使用したMESHは「動き」と「LED」の二つで、使用したモバイルツールは「スピーカー」だ。ただし場合により「スピーカー」ではなく「ミュージック」に設定して楽しむことができるのもポイントの一つである。レシピは右の動画の通りで、「動き」に反応して「LED」が光り、同時に「スピーカー」が音声を再生する仕組みになっている。「動き」のMESHを箱の蓋の内部に内蔵し、蓋が開いた動きに伴って反応するようになっている。よって、箱が開いたと同時に、思い出の品のライトアップが起こり、素敵な肉声メッセージが流れ出る。
          • Boxは三段の箱が重なって一対を為している。画像一枚目が最下段、二枚目が中段、三枚目が最上段である。最下段にはスピーカーとLEDMESHが入っている。最下段の天井部と中段の床に小さな穴が開いており、LEDの光が中段に入ってきて、中段の思い出の品ライトアップする仕組みになっている。最上段には蓋の役割があり、可能な限り極力まで薄くした。蓋の内部には「動き」のMESHが入っており、蓋が開いた動きを感知する。  

          • ここまでの作業を鎌倉ファブラボでの2日間の研修で行ったが、新たな問題点が出てきたので再制作することになった。
          • ファブラボ鎌倉での反省点と改良点は
            ・スピーカーの形と素材をより反響しやすいものにする
            ・開きやすい、開けやすい箱にする
            だった。より高度な完成度を目指すべくグッディFab大名にやったきた。

          • 3Dプリンターを使用しスピーカー部分を作った。紙のプロトタイプと同じサイズのものを制作した。写真四枚目の左が試作品の紙、右が3Dプリンターで作ったものだ。3DプリンターはAFINIA800を使用し、三パーツ合計で約三時間半だった。
          • 2段目を再制作するにあたり、新たな壁にぶち当たった。二段目の組み合わせる凹凸がLEDのMESHを入れる兼ね合いではまりにくくなっているのだ。そこで私たちは、二段目の凹凸をなくし木工用接着剤でとめることにした。これにより、しっかりはまるようになっただけでなく、デザインとしてもシンプルになり、一石二鳥になったように思われる。
          • 蓋がスムーズに開くように蝶番を3D プリンターで作成した。データは全世界共有できるThingiverseを使用した。機械は先ほどと同様AFINIA800を使用した。一回目の所要時間は45分だった。しかし、ここでもまた新たな壁に直面した。層厚を厚くし過ぎたために蝶番の針金を通す穴がつぶれてしまっていたのだ。そこで私達は、層厚を最小の0.1㎜にすることにした。品質も最高に設定したこともし、所要時間は約三時間と小さい割に大分時間を割いてしまったが、その分スムーズに動く蝶番になった。画像二枚目の右下が失敗作、左上が成功作になっている。サポーターの粗さに注目するとその違いが見える。
        • 鎌倉FABLABとGOODAYFAB大名を利用した計三日間の活動を経て、遂に完成にたどりつくことができた。
          • 完成はこのようになった。鎌倉での失敗や不足を大名に持ち帰って補い、グループの三人で協力して作り上げることができた。画面上で思い出を簡単に振り返ることのできる現代社会だからこそ、改めて実体のある印刷物としての写真の価値を、このMemorial Boxをきっかけに思い出すことができるのならこれ以上の幸いはないだろう。
          • 「デザイン思考に基づいたプロトタイプとテストを繰り返しより良いものを作っていくのだ」と先生に教えていただいた時、どういうことなのか分からず、ただただ難しそうと不安でいっぱいだったが、これは何もとても難しいというものではなかった。人と協力してグループワークをしていくときには誰もが無意識のうちに行っていることなのだ。試行錯誤、失敗の繰り返し、それがいつしか成功に繋がる。何事も意見し合って実際に行動してみて、もっとこうするべきだ、ああするべきだと話し合い、再び実行してみる。そのことの大切さに気付かされた。
          • 最後に先頭に挙げたYouTubeの使用例のほかにも様々な使い方ができることを紹介しようとおもう。
            例えば
            ・サプライズボックスとしてプレゼントする
            ・好きなアイドルの写真とグッズをいれ箱を開けたら音楽が流れる
            ・箱を開けたらびっくりする効果音が流れるびっくりばこになる
            などなどだ。
            思い出の形が人それぞれ違うようにこのBox自身もそれぞれの用途に合わせて個性をもったものに彩られていってほしい。
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        References

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