私の父はオーダーメイドの靴をつくる職人だ。お店では、父が一人で切り盛りしているため、少なからずお客様を待たせてしまうことがある。その待っているときのストレスを、ワクワクに変えられるような楽器をつくりたいと思った。
また、楽器をつくるうえで、電子回路を用いず、その楽器と人の体だけで音が出せるという点にこだわりたいと思った。私は一年前からアコースティックギターを始め、練習している。ここでエレキギターを選ばなかった理由は、楽器と私の手だけで、とても美しい音が出たことに感動し、とても惹かれたからだ。この体験から今回私は、楽器と人の体だけで音が出せるようにしようと思った。
- 待ち時間中の人を想像したとき、手の爪で机をたたく行為が頭に浮かんだ。調べてみるとそれは、一定のリズムを刻んで平静を保とうとする心理的な行動だという。そこで私は、このストレスからくる行為から、楽しい音が出たなら、この行為をした人のストレスをワクワクに変えられるのではないかと考えた。そのために、爪でたたくところが太鼓のようになっていて、楽しい音が出るような仕組みを考えた。また、それぞれの指から違う音を出せば、ただ爪で机をたたいているだけだったのに音楽を演奏しているようになるのではないかと考えた。
- 私は今回、初めて3Dプリンターを使用した。造形の仕方をはじめ、何も知らない、まさに0からのスタートだった。TinkerCADを使用して、まずはキーホルダーをつくってみた。そのあと、指輪をつくることによって、造形物の置き方による出来具合の違いについて知った。
- "taco toco""taco"の部分の由来は二つあり、一つは、私の”たご”という苗字が”タコ”に似ているため、小学校の時タコと呼ばれていたこと。もう一つは、”太鼓”を擬音語っぽく縮めてみたこと。"toco"の部分の由来は、太鼓をたたくかわいらしい擬音語”トコトコ”。新しい擬音語のような、かわいらしい、丸みを帯びた名前にしたかった。
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