まずは卵を撮影し、断面形状を得る。
ファブ3Dコンテスト2016:カテゴリー4_生卵ケージ「Bracken(わらび)」
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ファブ3Dコンテスト2016:カテゴリー4_生卵ケージ「Bracken(わらび)」 by ShuichiOkamura is licensed under the Creative Commons - Attribution-NonCommercial license.
Summary
今回は生卵を守るための外殻を3Dプリンターで作るテーマ。
より高い位置から落しても、中の卵が割れないように
考えてデザインする必要がある。
より高い位置から落しても、中の卵が割れないように
考えてデザインする必要がある。
Materials
Tools
Blueprints
Making
- 最初にイメージしたのはやさしい触手で卵を包み込む感じ。触手をいろいろモデリングしていくとカーテンレールの先のように丸いリングでスプリングが利いたような形になっているもの。そのうち、なぜかわらびの穂先のような形になっていった。モデリングに使ったCADは今回、Fusion360です。
- アイデアが固まったら後はひたすらモデリングです。年期が入っているのでモデリングは得意だが、仕事で使っているのはSOLIDWORKS。今回はFusion360。似ているといえば似ているが使い勝手はぜんぜん違う。やっぱり歴史のあるSOLIDWORKSの方が何倍も使い易い。オートデスクさんがんばってほしい。とくに穂先のレイアウトは、思考錯誤がいるので「移動」コマンドに数値履歴の残らないFusionは辛い。
- 一気にモデリングを進めていったが中央のリング部で本当に左右割りのケースが固定できるかが心配。そして何よりウチの3DプリンターはABSとPLAしか出せないFDM機。どうやって勘合チェックしようか?
- 造形できるがどうか不安だったがとりあえずプリントしてみることする。ケージ本体は片側が2個組み合わさって勘合する左右同一形状。同じものを2個ABS素材で出力。なぜABSにしたかというと少しでもジンセイ(柔らかさ)を持たせたかったため。サポートが鬼のように絡まっていたが丁寧に外していった。(残念写真の撮り忘れです)でも合計9本ぐらい触手が欠損。リング部はPLAで出力し、何とか勘合できた。でもこの固さのケースに卵いれたら絶対割れるという確信が・・。そうだ、普段お世話になっている京都ヨコイトの中島くんに相談してみよう。彼は3Dプリンターの達人だし。
- CADデータをすこし触り、リングのはめ込み成功
- 確認用モデルを出力したFDM機:本体ABS部2個→Flashforge CreatorProリングPLA部→Qiditech X-ONE
- 素材がやわらかいのでニッパーを使わずともカッターナイフで除去できる。医療用メスでもいいいかもしれない。
- 勘合させてみる。フレキシブル素材の場合はクリアランス0.5mm程度でも山を乗り越えて完璧な合わせができた。
- 応募締め切り前日の日曜日、ようやく落下実験ができた。結果はForm2フレキ素材:0.5m 成功1m 成功CreatorPro ABS素材:1m 成功となった。
- 生卵はみなさん御存じのとおり、タテ方向には強く、ヨコ方向には弱い。落下させていくと、どうしてもヨコに回転がかかりタテ方向のまま落すのが難しかった。ここに3つの失敗実験動画を載せますが、こんなもんじゃすまないということだけは言っておきます。おかげて大きなオムレツが食べれるのですが・・。
- 今回、Form2のフレキシブル素材、FDM機のABS素材と使い分けてそれぞれ単独で造形した。実験中感じたのは、外殻は固いABSで、内側をやわらかいフレキシブル素材で、2層レイヤーのデザインにすればよりよい結果が生まれるのではないかなとのヒントを得た。あと卵の姿勢が立ったまま落せる工夫が必要な条件かとも感じた。生卵の落下で中身を守るというテーマはシンプルでわかりやすい。全日本製造業コマ大戦のような地方色のある大会にして、継続テーマにしてみるのも面白いかもしれない。
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