Rabbit★Lever (Extension flush lever)

Created Date: 2023-08-23/ updated date: 2024-02-21
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Summary
3Dプリント自助具デザインコンテスト2023応募作品。
対象は、下肢の筋力低下や立位バランス低下により自宅での転倒が増えてきた高齢者です。自宅トイレに手すりはあるが、トイレのレバー操作時に重心移動が大きくなり、転倒リスクある為、レバーを長くできないかと、担当ケアマネージャーより相談を受けました。今回、3DプリンターでRabbit★Lever(トイレの延長レバー)の作成を試み、まずは、3D CAD のTinkercadの操作方法を覚えることから始まりました。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 今回の対象者は、骨粗鬆症の基礎疾患あり、下肢筋力低下、立位バランス低下している高齢者。何回も転倒による骨折にて入院しており、転倒防止策が必要。自宅のトイレの扉を開けると、正面に便器があり、手すりはついているが、身長が120㎝台、円背と小柄な為、体幹を前屈し、トイレのレバーを操作しており転倒の危険が高い。
          • 対象者の担当ケアマネジャーより「自宅での転倒が増えてきてきた。自宅トイレに手すりはあるが、レバー操作時、転倒リスクある為、レバーを長くすることができないか。」と相談を受ける。
            木材やプラスチックなどを使用して、結束バンドやネジでレバーに固定しようと試すが、レバー表面が滑りやすく、上手く固定できなかった。作成を諦めていたが、3Dプリンターでの自助具作成を知り、また、公共施設(富山県総合デザインセンター)の3Dプリンターを利用できることを知り、今回、3DプリンターでRabbit★Leverの作成を始めた。
            • トイレのレバーの表面が滑りやすく、このようなレバーを掴むには、バネのように締め付ける力が必要であると考えた。バネのような力を発生させる為、ペットボトルオープナーとピンセットを融合したものをイメージし、作成を開始した。

              • ネットでレバーの図面データーを検索しても無い為、デジタルノギスにて、実際のレバーの寸法を測定する
              • 3D cad ソフトTinkercad使用し、まずはレバーのモデルを作図し、レバーに合わせ、Rabbit★Leverのイメージデザインを作成する。Tinkercadは、初めて使用するので、操作方法を覚え、デザインが完成するまで、約1週間ほど費やした。
              • レバーの形状を正確に把握したいが、レバーは外せない為、代わりに、紙粘土にて、レバーの型取りを行い、その紙粘土の型に石こうを流し込み、レバーの模型を作る。乾いた石こうの表面が剥離しないようにスプレーでコーティングする。
              • 富山県デザインセンターの非接触式三次元測定機を使用し、レバーの模型を計測し、模型の3Dデーターを作成する。3Dデーターで見ると、レバーには、底面と天井面ではテーパー(傾き)があり、しっかり固定しないと、抜けやすい形状になっている。
              • スライスしたRabbit★Lever修正STLファイルを、富山県総合デザインセンターの多素材3Dプリンターを使用し、材料はABS樹脂を用いて、造形温度250度 積層ピッチ0.2㎜ 造形時間4時間51分 使用材料の量46.3g にて成形する。完成した物を、実際のトイレのレバーに付けると、バネのように戻る形状にした為、しっかりとレバーを固定することができた。レバーを動かしても、レバーが外れたりすることは無かった。
            • Rabbit★Lever(延長レバー)をつけることで、持ち手が手前に近づいた為、体幹の前屈が軽減した。また、レバーが伸びたことで、てこの原理により、前よりも軽い力で、レバーを動かせることができた。対象者が操作した感想は「軽くて良い。」と、驚いていた。軽い力で動かせることは、重心移動を軽減し、転倒予防に繋がると考える。
              この対象者だけでなく、片麻痺やパーキンソン病など他の人も、排泄時、トイレのレバーが操作し難い方にも、使用できると考える。

              • 私は作業療法士で、3Dプリンター作成の自助具作成を知る前は、市販の材料を組み合わせることで自助具を作成したり、作成できない時は、作成を断念することがあった。今回、3Dプリンターを使用することでイメージ通りの物を作成することができ、また、作成した自助具が対象者の生活を豊かにでき、3Dプリンターは自助具の作成に非常に優れた機器と実感した。
                (謝辞)
                コンテストを通し、「Tinkercad」を操作方法を一から覚えることができましたし、3Dプリンターの使用体験ができ、良い機会となり、本コンテストの開催に感謝します。また、3Dプリンターの出力に協力して頂いた富山県総合デザインセンターの職員にも感謝します。
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                    Project comments

                    • No.001kiyoshi-utsuPosted date: 2023-09-06
                      うさちゃんのシルエットになってて可愛いですね
                    • No.002EijiItoPosted date: 2023-09-06
                      コメント、ありがとうございます。初めての3Dプリンターの作品です。楽しいです。
                    • No.003kiyoshi-utsuPosted date: 2023-09-07
                      初めてなんですか?  着目点も、制作途中も、そして仕上がった自助具も素敵です! 真似して作ってみたいとも思いました。
                    • No.004ManuelBucknerPosted date: 2024-02-19
                      うさちゃんのシルエットになっていて、とてもかわいいですね。 pumpkin panic
                    • No.005meobsequiousaPosted date: 2024-02-29
                      とてもかわいい。 やってみます cluster rush
                    • No.006EmmaAlvaPosted date: 2024-03-15
                      私はウサギのモデルとこのアイデアのてこの原理の適用に非常に感銘を tiny fishing 受けました。