透明標本 How to make a transparent specimen

Created Date: 2015-12-24/ updated date: 2018-09-11
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    Summary
    透明標本の作製手順をまとめてみました

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • 綺麗な標本にするために、魚の鰭(ヒレ)を開いた状態で固めます。ホルマリンに24時間漬けると柔らかかったお魚も硬くなります。
            固定(こてい)とは、生物試料を自己分解や腐敗による劣化から保護するための化学処理をいいます。
            固定の目的は大きく分けて3つ
            1) 生体分子(タンパク質分解酵素など)を不活性化して、勝手に腐り始めたりしないようにすること
            2) 外からはいってくる微生物を防いで腐らないようにすること
            3) 体がぼろぼろにならないようにすること

            • 発泡スチロールの上にサンプルの魚を乗せ、虫ピンを使って鰭(ヒレ)を開いた状態にする。
              この時、開腹して臓器を取り出しても良い。臓器を残すと、標本にした時に臓器もそのまま残ります。
              メダカ程の大きさの場合はピンでヒレを傷つけてしまう可能性があるのでピンは使わずに開きます.
              この時に鱗を剥ぐと、一緒にヒレを傷つける可能性があるので、あとで剥ぐと良い。
            • を使用して原液ホルマリンを塗布する。5分~10分放置。 
            • 24時間ホルマリンにサンプルを漬ける.
              漬けた後は若干体全体が白っぽくなる.
            • ホルマリンは繰り返し使えるので、実験の後も広口瓶などに保存しておく。ホルマリンは、毒劇法により劇物に指定されており、そのままでは廃棄できない。パイプユニッシュ(または水酸化ナトリウム水溶液)などでホルマリンのpHをアルカリ性にし、過酸化水素水を加えて酸化分解し、水で希釈した後、廃棄する方法がある。
          • これは、原料内にある水分が、このあとの薬剤の浸透の妨げになってしまうのを防ぐ為に行う。
            非常に単純な作業ではあるが、結構重要なプロセスである。
          • サンプルのタンパク質を分解する事で肉などを溶かし,完成品の透明度を高める.
            • 10%パイプユニッシュ水溶液を作成する.
              パイプユニッシュ内には1.8%,水酸化ナトリウムが含まれている.
              10mlのパイプユニッシュと90mlの精製水で生成した.
            • 30分程で徐々にアルシアンブルーの青色染色が抜けていく.
              その後一時間程でサンプルの肉が溶けていく.
              ヒレも溶けていくので注意して欲しい.
            • 参考資料を元に、パイプユニッシュ100%でタンパク質分解を行った所、2時間でメダカが溶けて消失してしまうという悲しい事件がありました。
              サンプル個体が小さすぎたことと、パイプユニッシュの濃度が強かったことが要因と思われます。
            • ポリデントに入っている酵素を使ってタンパク質分解ができる。
              150ml40度のお湯にポリデントを一錠、サンプルを投入し、一日経過ごとに溶液を取り替える。
              実験では1/20から13日間繰り返した後、3/29までしばらく放置した。
              写真の通り、ヒレは縮れてしまったが、内蔵、筋肉の部分に関してはパイプユニッシュよりも透明にすることができた。
          • アリザリンレッドを用いて硬骨を染色する.
            • 精製水100mlアリザリンレッド薬さじ一杯程度,重曹薬さじ2杯を混ぜる.
              重曹は水溶液をアルカリ性にする為に用いる.
            • サンプルを投入する.
              タンパク質分解によってサンプルが脆くなっているので慎重に行う.
              一日程経過すると全体が赤く染まるのが確認できる.
              メダカ等の小型の場合は半日程度で良い.
          • グリセリンに漬けて透明化させる.
            そのまま鑑賞瓶に入れて完成.
            • かなり脆いので,ある程度溶液を減らした後,薬さじ等ですくったほうが良い.
              一日程置く.
            • 精製水とグリセリンで50%グリセリンを作成.
              サンプルを投入し,1日程待つ.
              50mlのグリセリンと精製水50mlで生成した.
          • 完成.
            パイプユニッシュがヒレを溶かしてしまった為魚らしさが失われてしまった.
            小さい魚の場合ホルマリンの際のヒレをピン留めしない方が良いのと,
            軟骨染色の際の分量をもう一度確認した方が良い(もっと濃くするか時間をかける)のが改善点.
            またタンパク質分解の際にヒレまで溶かしてしまう点が課題点となった.
            • ・サンプル溶ける問題、ボロボロになる問題を解決する。
              ・薬品高過ぎ問題→パイプユニッシュや酒など、身近なもので代用できないか実験する
              ・サンプル手に入らない問題→ペットショップの店員さんと仲良くなる?一歩間違えると出禁になりそうなので要検討
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