9月6日ミーティング
本吉)里山が人が介入して出来上がるものであるということを示すため、人工物が自然っぽくなるというデザインを作りたい。例:自然に紛れて気づかないような古墳
千々和)古墳の例にしてみても、人にとっては言われなければ「自然」にしか見えない。説明書きが必要になってしまうので来る人にデザインの意図が伝わらないのでは。
千野)作る側の意図は来る人に伝わらなくてもいいのではないか。プレゼン資料には書かれることなので。
奥田)それを感じさせるために、自然になってゆく人工物を作る必要性がよくわからない。
千野)里山のように機能するようなものを作ったほうがいいのではないか。手を加えすぎても加えなくてもいけないという部分が重要。時間軸で変化していくモノがいいのでは。
奥田)自分たちが影響を与えていることに対しての解像度を上げることが狙いなのか?そのとき、ひとが行ったことの蓄積が環境になっていくという方向性があるのでは。どういうものを想定している?
本吉)勝手にできてるように計算されているのが面白いと思う。植林などの行為によってある程度人間が方向づけているもの。自分たちが影響を与えていることに対しての解像度を上げることを目指す。
本吉)植林されたものを見て自然だと思っている人に来てほしい。人への影響もあるということを考えて感じてほしい。都合の良い自然への批判。
千々和)「都合の良い自然」とはどのレベルのものを指している?家の庭に生えている木なのか、里山なのか。それによっては新庄村に置く意味がガラッと変わってくる。
奥田)「都合の良い自然」とはなにをさしていて、なにを批判したいのか。サプライチェーンからの牛肉を持ち込んでBBQをするキャンパー?どのような世の中を目指したものを作りたいのかを示してほしい。神崎論文のような方向性では、新たな形の里山像を探求することとなる。
奥田)結果としてどのようなものになってほしいかをmiroを使い付箋に貼っていくという作業を取るのはどうか
30分シンキングタイム、それぞれmiroに記入したことの説明
神崎)程よい日陰は重要。極相林ではなく、程よく日光が入ってくる。その点、抑制と促進は関係がある。一つの種に独占させないことは重要。新庄の森でどの種が独占しているのか、どのような居場所を作れるのか。
本吉)環世界という言葉が気になる。
神崎)環世界はそれぞれのシャボン玉に入っているだけではない。共有できないとなると、文化相対主義の極み、相互理解の不可能性。それではまずい。理解しあえると考えるためにはどうすればいいのか。「そこの草むらにはコオロギがいるかもしれない」というような、自分の感覚をずらす。それが共生の一歩になるのでは。
奥田 )デザインに引き寄せて考えると、糠botが想起される。 「分かり合えなさを分かり合う」。糠にセンサー、スピーカーをつけて、ぬかの感覚をセンシングして人間に伝える。微生物と人間には分かり合えない壁がある。それを技術とデザインで人間に伝わるようにする。自分自身が知覚できないオブジェクトと対話するということが環世界と共通している。
Dying Robotsプロジェクト (nipppon.com) 寿命を持った生きているロボットが糠を攪拌し、攪拌されることで糠は電気を生じさせ、ロボットの動力となる。糠、ロボット、人間の共生。死にゆくロボットの動きが生々しい。
神崎)どんなテクノロジーを咬ませれば環世界間の交流ができるのかという視点が自分には欠けていた。ビジターに自力で頑張ってもらうのか、ルーターによって生み出されたオブジェクトがそれを媒介するのか。ここが腕の見せ所。
神崎)京北の森は行ってみてどうだったか。
本吉)暑くて気持ちよくはなかった。漆の植生地に行って毛虫の駆除をした。森の中でしたいことが浮かばない。
神崎)新庄村のコンペの件はそういうこと。森は居心地が良い場所ではないが、それでもこれがあるからもう一回行ってみたいと思えるような場所をつくることが求められている。
14日にはコンセプト、機能、イメージが具体的に実現可能そうなレベルまでもっていきたい
本吉)一番面白いのは環世界。他の種の視点を想像すること。
奥田)環世界とこれまでのアイデアをどのように結びつけられるのか。新庄村にはどのような環世界があり得るのか。
神崎)このグループは言語レベルでは高いが、具体的なものとして出てきていない。具体的なモノを軸に考えることで新たな発見がある。
奥田)この間もそういう話があった。デザインの人は無意識に言語ベースではなくモノベースで考えている。そのうえで、諸概念を忘れようとしてみながらスケッチワーク、写真などを用いて改めて面白いと思うものを探してみる。できそうならGatherで共有。
次回、9日午前9時から11時まで会議。