自己紹介とはじめに
はじめまして、おおしまたくろうです。僕は京都精華大学で助手として勤務する傍で、身近な道具や現象を改変した自作楽器・装置を制作する「PLAY A DAY」と称した作家活動をしています。2月23日から3月28日の約1ヶ月かけてマテリアル京都に滞在して、新しい音響装置を制作しました。
今回の滞在制作では、車のウィンカーに使われるリレーという電子部品を使って、複雑なリズムを刻む音響装置を作りました。今回の制作の動機として、学生が卒業制作として「グルーヴをモチーフとした楽曲」を作りたいと相談されたときに「グルーヴって何だろう?」と疑問に思ったためです。
音楽における「グルーヴ(Groove)」とは、言葉で定義することが難しい言葉です。ノリのいい感じ、踊れる雰囲気、明るい印象…。日本文化の「わびさび」のように、言葉で定義したとしてもどこか言葉からこぼれ落ちてしまう印象があります。
そこで僕は自分が身近に感じるグルーヴを作品として作ることにしました。僕が身近に感じるグルーヴ、それは「車のウィンカーのズレ」です。ウィンカーの明滅のタイミングは車の機種や電球の寿命で微妙に異なります。交差点で右折を待つ車の列を見ていると、バラバラに点滅しているウィンカーのタイミングが段々とズレていって一斉に点滅する瞬間が訪れます。僕はこの一瞬に高揚感を覚えます。それぞれの車は反復的に明滅しているだけなのに、それらが組み合わさると無限にも思える複雑なリズムが生まれる。これが僕の思う「グルーヴ」でした。
そこで僕は自分が身近に感じるグルーヴを作品として作ることにしました。僕が身近に感じるグルーヴ、それは「車のウィンカーのズレ」です。ウィンカーの明滅のタイミングは車の機種や電球の寿命で微妙に異なります。交差点で右折を待つ車の列を見ていると、バラバラに点滅しているウィンカーのタイミングが段々とズレていって一斉に点滅する瞬間が訪れます。僕はこの一瞬に高揚感を覚えます。それぞれの車は反復的に明滅しているだけなのに、それらが組み合わさると無限にも思える複雑なリズムが生まれる。これが僕の思う「グルーヴ」でした。