タイムシーケンスの設定と「勢い・感情の時代」への抵抗
作品のタイムシーケンスに関しては、最初は一度の体験を3分くらいに設定していましたが、マテリアル京都のスタッフの方たちに体験していただき「体験が長い」とのアドバイスをいただいたので、タイムシーケンスを2分くらいに変更しました。
「インスタ映え」や「バズる」などの近年の勢いや感情を重視するような評価の台頭に疑問を持ち、もっと我慢強くじっくり耳を傾けないと味わえないような作品のあり方を志して、今回の作品もぱっと見の第一印象はポップでも実際の体験の難易度は高めになるように設定しました。ただ、難易度が上がりすぎると多くの人に届かなくなるので、さじ加減が難しく、僕はいつも他人に感想を求めてチューニングするようにしています。
特に作品を展示するマテリアル京都は作品を鑑賞するマインドの人ばかりが来る場所ではないため、体験のエッセンスだけでも味わう設計でも良いかなと割り切りました。展示する場所が変われば再びタイムシーケンスをチューニングし直すと思いますが、マテリアル京都のような開けた場所では1〜2分くらいが鑑賞者の足を止められるギリギリの長さではないかと思います。