「魔法の言葉」をみんなで破る
今回のテーマである「グルーヴ」は、ダンス系の音楽においてポジティヴに捉えられているが、意味の曖昧な「魔法の言葉(マジックワード)」として扱われています。
ものづくりの世界においても「イノベーション」や「クリエイティヴ」、「コラボレーション」といった言葉が魔法の言葉として考えられるでしょう。
こうした魔法の言葉は、ポジティヴな意味が先行して無批判に受け入れられる便利な言葉です。
ただ、こうした魔法の言葉は人々の思考停止状態を生み出し、一体何がグルーヴなのかを考えられなくなります。
今回の作品制作は、魔法の言葉を作品の鑑賞と議論を通して打ち破ることにあります。
僕の感じるグルーヴは決して正しい定義ではありませんが、人々がそれぞれ感じるグルーヴを音楽以外の日常のシーンから考えて議論することで、魔法の言葉となってしまった「グルーヴ」という言葉を定義し直す作業になるでしょう。