視覚障害があっても働きやすい職場をつくるチーム1

Created Date: 2024-02-29/ updated date: 2024-03-08
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        • 2024年2月29日(木)、3月1日(金)午後、JICA新規事業「Fab×国際協力~途上国の小さな課題への解決策検討を通じたファブ人材の養成~」タスクチーム主催によるJICAインクルーシブメイカソン「私が知っているあの人の執務環境を変える「道具」を考えよう」が開催された。1日のみの参加者も含め、のべ10人の職員が参加し、2つのチームに分かれ、道具製作に取り組んだ。

          ニードノウアも職員にお願いした。また、ブータンのバイオファブラボのケンチョさんもメイカソンに参加してくれた。ファシリテーションは、ファブラボ品川の林園子さんと濱中直樹さんにお願いした。
          • 私たちのグループは、ファブラボ品川の林園子さんのファシリテーションにより、のべ5人が参加し、プロトタイピングに取り組んだ。
            • Aさん:JICA東京勤務。草の根技術協力でインクルーシブ教育や障害者福祉関連案件を担当。
            • Bさん:インフラ技術業務部勤務。建築を勉強中。もうすぐ海外赴任?
            • Cさん:緒方貞子平和開発研究所勤務。新規事業タスクのメンバー。ケニアでファブに触れる。
            • Dさん:緒方貞子平和開発研究所勤務。3D CADを1年勉強。ファブに関心。
            • Eさん:元JICA技術協力専門家。ブータンでファブラボに配属。
            • E.T (女性)
              • 子供の頃から弱視で、10年ほど前からほぼ全盲。
              • 明るさのみ認識でき、色は認識できない。
              • 視覚の経験があるため、点字はあまり読めない。
              • 視覚障害に伴う日常生活の不自由さあり。
              • オフィスで働く上で、エレベーター内・エレベーターホール周り、階段、オフィス内の移動、会議室の場所やゴミ捨てなどで困る場面あり。
              • エレベーターを降りた後、オフィスエリア入退室用のセキュリティーカード認証の上のサイン設置
                設置理由:視覚障害の影響で空間の中での現在地が分かりづらく、エレベーターで職場がある3階に降りた後、東西が分かりづらい。セキュリティーカード認証をかざす上ぐらいに3階の東西を示すサインがあると位置が分かるため。

                2階/4階会議室のサイン設置
                設置理由:会議室の部屋の場所が分かりづらいため。
                サインは、会議室横の白壁付近に数字を設置。

                階段のサイン設置
                設置理由:階段を歩く際、フロアの位置を把握するため。

                • 3階エレベーターホール/会議室/階段のサイン
                  • シンプル
                  • 必要な情報のみ最小限に(3W, 3E等)
                  • 周囲のデザインとマッチする色
                  • 剥がれにくく、長く保つ
                  • 指先でタッチした時にすぐに認識できるようなサイズ
                  • 点字ではなく数字で作る
                  • 3階エレベーターホールのサイン
                    ・仕様:階数、東西が分かるようにする
                    ・文字:階数は数字、東西(頭文字のEW)
                    ・カラー:背景の色に合わせる
                    ・サイズ:縦4㎝×横3.2㎝×厚み1.2㎜位
                    ・指先でタッチしてすぐに数字と認識できる大きさ
                    ・QRコード:データの格納先を共有しアイディアを拡散

                    非常階段の手すりのサイン
                    ・仕様:点字、数字で作る
                    ・文字:手すりを握って把握するため逆さまに貼る
                    ・カラー:手すりと同系色(灰色、透明、白等)
                    ・サイズ:2㎝×1㎝×厚み0.8㎜位
                    ・素材:手すりに貼れるように柔軟性のあるもの
                  • エレベーターホールのオフィスエリア入退室用セキュリティーカード認証パネルの上に設置するサイン


                    1. Fusion360で文字・数字の台座となるボードを作成し、1㎜で出力。


                    2. 試作でボードの上に出力した文字を乗せ、カード認証パネルの上に設置
                      ニードノウアの意見で、カード認証パネルより7センチぐらい上に設置したほうが良いとのこと。試作した30mmx40mmの文字では少し大きいので、もう一回り小さいほうが良く、ボードに関しては、もう少し厚みがあってもいいのではないかということ。


                    3. 文字・数字に関しては、縦横比率はそのまま、大きさを0.8倍にし、ボードの厚みを1cmにして、再出力。
                    • エレベーターホールのサインボード出力には、ファブラボ品川から持って来られたBambu Labの3DプリンターA1 miniを主に使用した。動作の様子は下記YouTube動画を参照。
                      https://youtu.be/Ou_ZRoNQZOs?si=FtzbXY8zMn1GCUQN
                    • スライサーはBambu LabのホームページからBambu Studioをダウンロードして使用した。
                    https://bambulab.com/ja-jp/a1-mini

                  • 【方針】
                    • ニードノウアは、朝の通勤時は階段を使用。踊り場の手すり裏側に、何階かを識別できる突起物を作る。ただし、1階分は不要。
                    • 手すりは清掃作業員の人が時々拭いているため、プレートはなるべく薄く。曲面でもフィットする柔軟性ある素材が望ましい。TPUフィラメントを使用。
                    • ニードノウアは、点字ではなく数字の形状で数字を認識。数字シェイプで突起物を作る。なお、階数を確認する際の指の動かし方を考慮し、上下逆さにする。

                    【モデリング①】
                    • Tinkercad使用。
                    • 点字(3mm、2mm、1.2mm)、数字(3mm、2mm、1.2mm)を用意。何枚かサンプルを出力し、ニードノウアの意見を踏まえ、数字で厚さ2mmに決定。

                  • 【モデリング②】
                    • 台座部分(20mm×10mm×0.8mm)
                    • スライサー:1回目試作はCuraを使用。2回目以降Prusa Slicer 

                    【試作①】
                    • 先に厚さ確認のために出力した「4階」分(厚さ2mm)を実際に手すり裏側に貼付し、ニードノウアに感触を訊く。結果、プレート部分(厚さ0.8mm)でも気になるとの由。
                    • ニードノウアの希望は薄い素材で階段手すりと同系色、目立たないものにして欲しいとのことだが、同系色のTPUフィラメントがないため、利用可能な色のフィラメントで試作を継続する。
                  • 【試作②】
                    • 二度目以降はPrusa miniを使用
                    • 台座の厚さを0.8mmから0.2mmに変更してみたが、一層だけだと積層ムラが著しかった。

                    【試作③】
                    • 台座の厚さを0.2mmから0.3mmに変更。同時に階数の厚さも2mmから1.4mmに削減。
                    • なお、数字のフォントが太いと指先で数字が読みづらいことが分かったため、フォントをスリムにすることを試みた。
                  • 【試作③-結果と考察】
                    • 上記の条件で全てのサインボードを出力し、ニードノウアに触ってもらった。結果として、「4」と「3」は形状に特徴があり、すぐにそれと判断できた。
                    • 「2」と「5」は横棒の部分の積層に乱れがあり、思ったようなきれいな横棒になっていなかったことがわかりにくさの原因であろうとのこと。
                    • 試作②から③にかけて、フォント自体もよりスリムで指先でも判断しやすいものにデザインを変更したが、結果としては印刷に乱れ(熱だれ)が生じ、かえって指先だけでの数字の判断が難しくなった。


                  • 【概要】
                    • メイカソンの期間中に、必要な全エリアのサイネージの出力は不可能なので、複製希望者をFabbleのプロジェクトページに誘導し、当ページからSTLファイルをダウンロードできるような仕組みを作る。
                    • JICAは現在、人間開発部(Prusa Mini)と地球ひろば(Creality CR-10S)に3Dプリンタを持っている。自分のフロアにもほしいと思った職員は、出力を体験しに来てほしい。

                    【用途】
                    • このQRコード自体を3D出力する必要はなく、紙に印刷してラミネート加工してサインボードに併せて掲示。イメージとしてはこんな感じ(写真はインド・チェンナイの自助具博物館で撮影)
                • 3階エレベーターホールのサイン
                  ・仕様:階数、東西が分かるようにする
                  ・文字:階数は数字、東西(頭文字のEW)、
                  ・カラー:背景の色に合わせる、E→緑、W→オレンジ
                  ・サイズ:縦32㎜×横23.5㎜×厚さ1㎜
                  ・指先でタッチしてすぐに数字と認識できる大きさ
                  ・QRコード:データの格納先を共有しアイディアを拡散

                  非常階段の手すりのサイン
                  ・仕様:数字で作る、数字は一定の太さ
                  ・文字:手すりを握って把握するため逆さまに貼る
                  ・カラー:手すりと同系色(灰色、透明、白等)
                  ・サイズ:2㎝×1㎝×厚み0.8㎜位
                  ・素材:手すりに貼れるように柔軟性のあるもの


                  • 試作とフィッティングを3回程度は繰り返し、ニードノウアのニーズに合う成果品として仕上げ、①ニードノウア勤務階エレベーターホールの東西サイン、②非常階段の各フロアのサイン、③勤務階の会議室のサイネージの実装を目指したい。
                  • 視覚障害を持つニードノウアが自分の位置を把握できないという課題の克服には、まだ、①他階のエレベーターホールへのサイネージ設置、②エレベーターの開閉・目的階ボタン、③2階の会議室の番号表示等に取り組む必要があるが、これには別途プロジェクトチームを立ち上げる必要がある。
                  • このメイカソンを機会に、JICAが持つリソースを活用し、主要施設のインクルーシブ化が図られることを願いたい。
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