還水庵

Created Date: 2021-09-02/ updated date: 2021-09-30
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Summary
森は神聖で偉大な場所だ。森に設置されたこの空間は、私たちに森と水の接続性を再認識させ、森の持つ凛としたその聖地性に目を向けさせる。建築物の中で待ち受けるのは、天井から差し込む太陽の光。四方が壁に覆われていることもあってか、より煌々と照らしつけているように思う。神々しいという表現がぴったりだ。中央には石。どこから湧き出たのだろう、水がただただ目の前の石に打ちつけている。不思議と見入ってしまう光景。誰かに指示されたわけでもなく、明確なわたしの意思があるわけでもないのに、視点を目の前から離すことができない。この場所に行き着くまで森を歩いて感じ取ったものと、わたしに引き戻された研ぎ澄まされた生来の感覚が、目の前に佇む石と水に、目を向けさせているのだろう。
森はあらゆるいのちが宿る場所であり、それらの根底にある水を育む場所だ。そして、そんな森に身を置くと、わたしたちはぞれぞれに感覚を取り戻していく。森はみんなが帰る場所であり、わたしたちが「わたし」に還る場所なのではないだろうか。

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        Making

        • 森はあらゆるいのちが宿る場所であり、それらの根底にある水を育む場所だ。そして、そんな森に身を置くと、わたしたちはぞれぞれに感覚を取り戻していく。いのちの根源を辿れば行き着く場所、森。そこでは水が育まれ、循環している、いわば水が還る場所だ。森はいのちが帰る場所であり、わたしたちが「わたし」に還る場所なのではないだろうか。
          [提出シートフォルダ:還水庵]
          • 朝。二度目に鳴った目覚ましに急かされるようにして、飛び起きた朝は少し目覚めが悪い。窓から見える、すがすがしい朝の風景。家の中からでも、照り付ける太陽のじりじりとした暑さが感じ取れるくらいだ。今日の目的地、新庄村。自室の窓越しに見える、青空と太陽。額に汗をにじませる、初秋のまだ少し高い気温。同じ感覚を新庄村の森でも味わうのだろうかと、想いを馳せる。ーーー
          • 茶室を想像させる狭く低い入口を持つ箱状の建物:還水庵と、その入り口を望む鳥居状の建築物を設計した。還水庵に設置する2つのタープはそれぞれ、水を集める用途と雨や草木が溜まることを防ぐ用途に用いられる。鳥居状の建築物は5種類のパーツを組み合わせることで構成される。
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