2024年6~8月 JICA海外協力隊・理学療法士隊員(以下、『隊員』)が配属先の高齢者施設にて障害を持つ入居者の機能・能力に応じた自助具が不足していることを課題であると認識した。入居者は皆、経済的自立困難であり、身寄りが無いという背景もあり自身で購入することができない。その後、隊員が現地理学療法士(以下、『現地PT』)に共に自助具を作成することを提案しプロジェクトが始動した。
海外連携プロジェクト”マレーシアで3Dプリンターを使って「延長ブレーキレバー」を作る"


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海外連携プロジェクト”マレーシアで3Dプリンターを使って「延長ブレーキレバー」を作る" by Kenji-84 is licensed under the Creative Commons - Attribution-NonCommercial-ShareAlike license.
Summary
Title:『海外連携プロジェクト”マレーシアで3Dプリンターを使って「延長ブレーキレバー」を作る"』
For whom:マレーシアの高齢者施設に在住する車椅子で生活する入居者。
Project Member:スタッフ構成と役割
1.理学療法士(JICA海外協力隊):障がい者の動作分析、機能障害の評価、自助具の必要性判断、改良提案。
2.現地理学療法士(Rumah Ehsan Kuala Kubu Bharu):障がい者の動作分析、機能障害の評価、自助具の必要性判断、改良提案。マレー系マレーシア人。
3.3Dプリンター専門家(Invicus Horizon Hill’s Fablab: IHH):自助具の設計、STLファイル作成、3Dプリンターによる試作。中華系マレーシア人。
Why:
車椅子利用者の中には、ブレーキレバーの長さが短いために、自力で操作することが難しい方がいる。移動のたびに介助者の手助けを必要とするため、移動が制限されている。この状況を改善し、ユーザーが自身で自立してブレーキ操作を可能にすることで移動の自由度を高めるために、ブレーキレバーを延長する自助具の開発を開始した。また、マレーシアでは、リハビリ業界において3Dプリンターを活用した自助具の開発がまだ一般的ではない。この取り組みを通じて、新しい支援の形を広めることを目指している。
How:STLファイル使用してVer. 3まで創作した。詳細の手順はRecipeに記載する。
Outcome:
1.ユーザーの生活への影響
この自助具は、車椅子利用者の自立した移動を促進し、介助の必要性を減らすことを目的としている。ブレーキレバーの延長とハンドルの角度調整によって、より負担の少ない操作を実現し、移動の自由度と生活の質を向上させる。この改善により、ユーザーが自信を持ち、積極的にイスラム教の集団お祈りなどの活動に参加することに導くことができる。
2.日本とマレーシアの協力
このプロジェクトは、日本のJICA海外協力隊、マレーシアの理学療法士、3Dプリンター専門家の協力によって進められている。特にJICAの隊員は任期満了後、日本に帰国するが、マレーシアにおける障害者支援は現地の人々が担う必要がある。この取り組みが、3Dプリンター技術を活用した障害者支援の発展につながることを願っている。
For whom:マレーシアの高齢者施設に在住する車椅子で生活する入居者。
Project Member:スタッフ構成と役割
1.理学療法士(JICA海外協力隊):障がい者の動作分析、機能障害の評価、自助具の必要性判断、改良提案。
2.現地理学療法士(Rumah Ehsan Kuala Kubu Bharu):障がい者の動作分析、機能障害の評価、自助具の必要性判断、改良提案。マレー系マレーシア人。
3.3Dプリンター専門家(Invicus Horizon Hill’s Fablab: IHH):自助具の設計、STLファイル作成、3Dプリンターによる試作。中華系マレーシア人。
Why:
車椅子利用者の中には、ブレーキレバーの長さが短いために、自力で操作することが難しい方がいる。移動のたびに介助者の手助けを必要とするため、移動が制限されている。この状況を改善し、ユーザーが自身で自立してブレーキ操作を可能にすることで移動の自由度を高めるために、ブレーキレバーを延長する自助具の開発を開始した。また、マレーシアでは、リハビリ業界において3Dプリンターを活用した自助具の開発がまだ一般的ではない。この取り組みを通じて、新しい支援の形を広めることを目指している。
How:STLファイル使用してVer. 3まで創作した。詳細の手順はRecipeに記載する。
Outcome:
1.ユーザーの生活への影響
この自助具は、車椅子利用者の自立した移動を促進し、介助の必要性を減らすことを目的としている。ブレーキレバーの延長とハンドルの角度調整によって、より負担の少ない操作を実現し、移動の自由度と生活の質を向上させる。この改善により、ユーザーが自信を持ち、積極的にイスラム教の集団お祈りなどの活動に参加することに導くことができる。
2.日本とマレーシアの協力
このプロジェクトは、日本のJICA海外協力隊、マレーシアの理学療法士、3Dプリンター専門家の協力によって進められている。特にJICAの隊員は任期満了後、日本に帰国するが、マレーシアにおける障害者支援は現地の人々が担う必要がある。この取り組みが、3Dプリンター技術を活用した障害者支援の発展につながることを願っている。

Materials
Tools
Blueprints
Making
- 2024年9月 隊員がJICA海外協力隊技術顧問(以下、技術顧問)に3Dプリンターを使用した自助具作成について相談した。技術顧問から日本の3Dプリンター専門家、さらにマレーシアの3Dプリンターラボ”Invicus Horizon Hill’s Fablab(short form: IHH Fablab)”の3Dプリンター専門家(以下、『専門家』)を紹介された。彼を加えた3名でチームを作りプロジェクトが本格始動することが決まった。
- 2024年9月 隊員と現地PTが、入居者の機能・能力障害を評価し、『ブレーキレバーの延長』が有効であると判断した。
- 2024年9月 隊員から専門家に相談して、ニーズと今後の見通しを確認した。 先ずはイメージの目線を揃えるためにCOCRE HUB の「ブレーキ延長レバー」を共有しそこから対話を深めていくこととした。https://cocrehub.com/dl/1e2505/s/045060/r/Bgq3CpVnS7ac4RCRa8eGaA
- 2024年9~10月 専門家から隊員・現地PT車椅子の既存ブレーキレバーサイズの採寸を依頼。採寸結果を共有した後、専門家がデザイン設計。
- 2024年11月 専門家から隊員・現地PTへ既存ブレーキレバーの詳細を把握するためにレバーの実物を郵送依頼。実物郵送後、専門家がデザイン設計を継続。
- 2024年11月 試作品Ver.1デザインが完成。専門家から隊員・現地PTへ写真を共有。隊員・現地PTが写真を確認し、専門家へレバーの長さを15㎝からさらに延長することを提案。その後専門家が長さ21㎝で再デザイン設計をした。
- 2024年12月 長さを延長した試作品Ver.1が完成。専門家から施設へ郵送。
- 2025年1~2月 隊員・現地PTが入居者に対して試作品Ver.1の評価を実施。車椅子のブレーキをかけた時にレバーが遠くなってしまうため、体を過度に前傾姿勢にしなければならなくなる課題があった。隊員・現地PTから専門家へ持ち手に角度を付けたデザインができるか提案。専門家が再デザインを設計。
- ”ポジティブな変化”ブレーキレバーの柄が長くなったことにより体幹部を前後させることなくブレーキ操作を行える。全体的に以前よりも遥かに使用感は向上した。
- 2025年8月 専門家より提供された『延長ブレーキレバー Ver. 3』のSTLファイルを一般公開する。
- ”完成動画の公開”延長ブレーキレバーVer. 3が最終的な完成ではない。「さらに入居者に対してパーソナライズできる」と、3者は認識している。しかしながら国や民族を越えてアイデアを出し合い、試行錯誤を経て協同創作したした成果を公開することとした。既存ブレーキレバーよりも格段に入居者が自立してブレーキ操作はできるようになった。今後は他の入居者の自立ニーズに対しても3Dプリンターを応用していくこととが私たち海外連携チームの目指す所である。また、この段階でSTLファイルを含めた情報を公開するとチームで結論を出した。日本や他の国の方が当データを使い人々の困りごとを解決する手段になれば幸甚である。
References
Project comments

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