FAB OT PROJECT

Created Date: 2018-10-11/ updated date: 2018-10-18
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Summary
FAB OT:3Dプリンタなどのデジタル工作機械を使って、障害者自らあるいはその支援者が、くらしを便利で楽しくするための道具作りを楽しむことを支える作業療法士のプロジェクトです。今回は、そんなFAB OT PROJECTで生まれた3Dプリントした道具たちとその物語を紹介したいと思います。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • 「書くこと」、「描くこと」で、実現できることはたくさんあります。
          学校で文字が書ければ、クラスメイトと同じノートで勉強ができます。
          「あのひと」から届いた久々の手紙に返事を書くことができます。
          個性的な絵画を描く才能が発揮できるチャンスが得られます。
          これらは皆、誰かの「チャレンジ」を支える道具たちです。
          •  手や指の細かい動きが難しく、ペンをつまむ・にぎるができなくても、このホルダーがあれば書くことができます。
             使い方は簡単。中央に人差し指と中指を滑り込ませるだけ。
             
          •  こちらは大人の女性用ですが、指の太さや長さにあわせてモデルを調節して出力してください。
               データはこちら。
             penholder_a
            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.1mm
            充填率:40%


          • 手を持ち上げていなければいけないペンホルダーA。
            今度は、手をもちあげていなくても、上から押し付けて滑らせるだけで使えるこちらのペンホルダーBを作りました。
          • 絵の具を使って絵も描きたい。少しの力でも筆が使えるよう、ホルダーをつくりました。
            様々な角度で指を引っ掛けたり抑えるようにして使います。
          • 素早く加工できるように、ドライヤーで温風を当てて作業していますが、人肌の熱でじっくり温めることでも変形できます。

            フィラメント:感温性フィラメント
            出力設定:Layer hight 0.1mm
            充填率:40%
        • 食べることや飲むことは、誰にとっても大切な日々の楽しみです。
          そしてそれを「つくる」ことは、大切なひととの大切なコミュニケーションでもあります。

          私たちは、料理だけではなく、「つくる」ことはすべてコミュニケーションだと考えています。
          ストレスなく、見栄え良く、気軽に使えて、使っていて楽しい気分になる。
          そして大切な誰かと丁寧に、「つくる」ことでやりとりを楽しむ。
          これらの道具は、そんな役割を持ったツールです。
          • 箸を使うのは、日本の大切な文化です。
            ひとたび海外へ行くと、お箸を使わない文化の国の人々が、お箸の文化に思いを馳せて一生懸命箸を使いながら和食を楽しんでいる光景があります。

            道具を使うということは、それが使われている文化をなぞる行為でもあります。
            全てのお箸文化を愛する、利き手でお箸を使う動作が苦手な方に、気軽に使っていただきたい。そんな思いから生まれたモデルです。
            こちら、実はThingiverseというシェアサイトで、もうすぐ400ダウンロード世界中から頂いております。
          • 今回もモデリングはTinkerCadを使いました。
            データはこちら

            chopstick_assist

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%

            フィラメント:TPU
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:60%
          • 特別なコップを利用しないと、飲もうとするときに口元になかなかストローが入らず、コップの周りをストローがくるくる回ってしまい、時間がかかることがあります。

            このストローホルダーを一つ持っていれば、ストレスなく固定できます。
            誰のコップかわかるよう、いろんなカラーで作ってみました。
            このストローホルダーで、バリアのないパーティーにチェックインしてください。
          • 今回もモデリングはTinkerCadを使いました。
            データはこちら。
            strawholder

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%

            フィラメント:TPU
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:60%
          • こちらもTinkerCadを使いました。
            データはこちら。
            glassholder

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:80%
          • 細いスプーンの柄だと、握力低下や様々な理由で一人で食べることがむずかしいことがあります。
            そんな方に、様々な形でホルダーをご提案。

            素材も色も選んで楽しく食べていただきたい。
            そんな思いから生まれた道具たちです。
          • 今回もTinkerCadをつかいました。
            データはこちら。
            spoonholder2
            spoonholder3

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%

            フィラメント:TPU
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%

          • パラメトリック・スプーン・ホルダーは
            ・グリップ径
            ・グリップ長さ
            ・鍔径
            ・鍔厚さ
            ・スプーン幅
            ・スプーン厚み
            ・スプーン差し込み長さ
            をユーザー自らが指定して作成するスプーン・ホルダーです。

            必要なサイズの3DデータをWeb3Dデータ共有サービス "Thingiverse" 上で手軽に手に入れることができます。

            詳細はこちらのページをご覧ください。
          • ペットボトルって、握力がないと普通に開けにくいですよね?
            こちらは、ペットボトルのトップにつけて、軽い力で開けられるよう工夫したオープナーです。

            見たことある?そう。
            蛇口って、もともと、「手でひねって開ける」をよく考えた形なので、そのまま採用しました。
            いろんな色で出力したら、楽しい「蛇口型オープナー」が出来上がりました。


          • Rhinocerosを使用しました。
            データはこちら

            petbottleopener

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:15%
          • ゼリー飲料って、体調のよくない時に飲む率が結構高いのに、口が開けにくい。
            そんなご意見をもとに、開けやすくて持ち運びやすいオープナーを作りました。

            普通に体調を崩したときに、そっとゼリー飲料とこちらが添えてあったら、あったかい毛布一枚分くらいになりません?
          • 今回もTinkerCadをつかいました。
            データはこちら。
            jellydrinkopener

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.1mm
            充填率:40%

          • 料理をする時に、調味料を開けるのって、ハサミで切るにしても両手が使えないとスムースにいかない作業です。
            なので、すっと立たせておける道具をつくりました。
            SNSで公開したら、「おくすりの袋も立ちますか?」って聞かれましたが、十分立ちます!
            小さいから持ち運びに便利です。


          • モデリングは今回もTinkerCadを使用しました。
            データはこちら。

            cutassist

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%
          • リウマチなどの関節疾患や、筋力低下などで、プルトップが楽に開けられない方に、持ち運びやすく楽しい気分になれるオープナーをデザインしてみました。


          • スプーンホルダーの柄の部分を、スキャンしたデータで作成し、使う人に更に寄り添った道具にしてみました。

            フィラメント:TPU
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%
          • スキャンは今回、スマホアプリQloneを使いました。
            紙粘土を握った形をスキャン。

            紙粘土は、100円ショップで買ったものです。
            べたつかなくて軽いタイプがよさそう。
          • 今回はこちらのテレビ回転台を使いましたが、回転台がなくても大丈夫です。
            自分が回ってもいいし、紙を回してもOK。

            マットの四隅の黒いL字マークが、スクリーンから離れないようにスキャンします。
            どうやら凹んでいる物体よりも、膨らんでいる物体のほうが正確にスキャンできる模様。
            うまくいかない時は照明を工夫してみるとよいかも。
        • 身の回りのケアが自分でできることは、ひとの尊厳を考える上でも大切です。
          道具で、過剰なケアサービスの利用を回避できることもあります。
          道具も素材や色やデザインで楽しく「できる」が叶えられるよう、工夫して見ました。
          • 片手に麻痺があると麻痺のない方の爪を切ることが難しくなります。
            爪切りだけで、看護師さんに訪問していただくなんてことも日常茶飯事。
            爪切りって、医療行為なんですよね。介護士・ヘルパーさんやリハビリの療法士も、してあげられないんです。
            あ、もちろん本人はやっていいんですよ。
          • 今回もモデリングはTinkerCadを使いました。
            データはこちら。

            自宅にあった100円ショップで購入した爪切りに合わせてモデリング。

            フィラメント:PLA
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:100%
          • てこの原理で片手でも爪切りができます。

            今回、小釘を中心に熱して差し込みアセンブリしました。
            3Dプリント時の充填率は100%に近い方がよさそうです。
            フィラメントはPLAです。
          • 理学療法士の大学の学生さんがアンケートで、「目薬の自助具とか、3Dプリントできるとよさそう」とコメント下さったので、それにお答えした形がこちらです。
          • 今回もTinkerCadを使いました。

            初めは割り箸部分も3Dで出力しようと思ったのですが、
            ・反りが出やすい
            ・時間がかかる
            ので、箸部分は割り箸に頼ることとし、そのものはTPUで出力して割り箸の規格の違いにある程度対応できるようにしました。

            データはこちら。
            eyedropassist

            フィラメント:TPU
            出力設定:Layer hight 0.2mm
            充填率:40%

          • 市販の割り箸と3Dプリントしたアタッチメントを組み合わせて作りました。
            今回はフィラメントはTPUです。充填率は40%。

            柔軟性のある素材の方がよさそうです。

            弱い力で、目薬をさすことができます。
          • リウマチなどで腕の可動域が狭い、握力が弱い、手が動作の際振えやすい、目薬をさす際の不自由さの原因はいろいろありますが、この自助具があれば、弱い力でおでこを支えにして楽々できます。


        • ものづくりができること。

          障害を持っても持たなくても、「じぶんで考えたものをじぶんで作ってみる」ことにチャレンジすることは「じぶんの人生をじぶんでデザインできている」くらしにつながります。

          ひとは「じぶんの人生、ちゃんとじぶんでデザインできているなー」という時に、はじめて心身ともに健康でいられる自信がつくと思うのです。

          全てのひとに、「ものづくりを楽しむ」権利と機会を。
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        References

          Usages

            Project comments